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セレクト・ワイン

2016.08.17

思いも掛けぬ懐かしい方のご来社がありました。

敬愛する城悦男氏がオーナーシェフのフレンチレストラン「VINCENT ヴァンサン」でソムリエを務められていたTさんでした。

彼と出会ったのは私と妻がまだ20代の頃です。
身分不相応でガチガチに緊張した我々の心を解きほぐしてくれたのは、Tさんのエレガントな笑顔でした。
本物の「接客」とはどういうものか、Tさんからはたくさん学ばせて頂いた気がします。

その後、Tさんは別の有名なフレンチレストランへ移られ、その後の消息は不明でした。

それが先日、突然のご来社。
「ヴァンサンでお世話になったTですが、覚えてますか?」
ええ、ええ、覚えていますとも。
あれから20年以上経ちますが、全然変わられていません。
逆に、よくぞ私を思い出してお越し下さいました、という感激の思いでいっぱいでした。

聞くと、今も変わらず都内のフレンチ・レストランで接客されているとの事。
今回は長野県内のワインのシャトー巡りが目的で、途中で私のことをふと思い出してお立ち寄り下さったそうです。

しばし思い出話で花が咲きました。
当時のエピソードをひとつ。

20代後半で妻と訪れた時、高いワインは注文できない我々の懐具合を察して下さったTさんは、「ご予算の中で素晴らしい赤ワインがあります。今は無名ですが、この先きっと評価が上がります。ぜひ飲んでみてください」

ぶっちゃけて言えば、その時の値段はフルボトルで1万円強でした。
その時Tさんに剥いで頂いたエチケット(ラベル)は大切に持ち帰りました。

「シャトー・テルトル・ロートブッフ 1987」。
このワインが世界の注目と高い評価を得ることとなり、価格も一気に高騰したのは、その直後のことでした。

大長野酒祭り2016 in 四谷

2016.08.08

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写真:お客様と「乾杯!」。一番奥に私が小さく見えます。


今年で6回目を数える「大長野酒祭り in 四谷」が昨日盛大に開催されました。

真夏の四谷エリアを舞台に、今年は29の飲食店に長野県の50蔵がブースを構え、お客様は6,000円のフリーチケットで各会場を回り放題、そして飲み放題・食べ放題です。

ちなみに弊社は

第1回 酒徒庵
第2回 酒徒庵
第3回 酒徒庵
第4回 やまちゃん
第5回 くりや

そして今年は昨年に引き続き、女将さんが作る肴が絶品の地酒専門店「くりや」さんへ出店です。

一緒に並んでブースを出すのは佐久市の伴野酒造さん。
こちらも敬愛する酒蔵さんです。

真夏の太陽が振り注ぐ12:30のスタートとともに、10人も入ればいっぱいの店内はあっという間に満杯で、ものすごい熱気に包まれました。

休む間もなく料理を作り続ける女将さん。
お酒の説明をしながら注ぎ続けるふた蔵。
そして地下1階の店内から階段の上まで続くお客様の列を笑顔で案内し続ける、この日サポートをして下さった伝説の店「やまちゃん」の店主、やまちゃん。

みんな、お客様の笑顔がエネルギーです。

そしてあっという間に5時間が過ぎ、締めは店内のお客様と一緒に「カンパイ!!」。

この日訪れたお客様は約1,000名とのこと。

日本酒の聖地、この四谷エリアで、今年もこの催しに参加できた事に、そして何よりもこのイベントを設営するために連日汗を流して下さった四谷の有志の皆様のご尽力に、心から感謝致します。

お知らせ

2016.08.02

お知らせです。

「和田龍登水(とすい) 美山錦」ですが、弊社の在庫は完売致しました。
引き続き当HPのお取り扱い酒販店様でお求め下さい。

「和田龍登水 山田錦」も、弊社の在庫は残りわずかとなっております。

また、9月9日(金)には、「和田龍登水」としては初めての「ひやおろし」の発売を開始致します。

長野県産「ひとごこち」を100%使用した、ジューシーでやわらかな1本です。
ひと夏越して円熟した味わいをぜひご賞味ください。

実はこの「ひやおろし」、弊社のお酒を長年ご愛飲頂いているお客様が「ぜひ飲んでみたい」とおっしゃった声をきっかけに発売を決めたものです。

お客様おひとりおひとりのご感想やお声がいつも大きな励みです。

初呑み切り、そして祇園祭

2016.07.26

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慌ただしい毎日を送っています。

そんな中、先週の出来事を2つ。

まず最初に、「初呑み切り(はつのみきり)」が佐久と上田の合同で開催されました。

初呑み切りとは、冬に搾って貯蔵したお酒がこの時期健全に熟成しているかどうかを審査する、毎年恒例の行事です。

この日は各蔵のお酒を専門の4人の先生に利いて頂き、その後1社ずつ個別に講評を頂きました。

また先生方が審査を終えたあとは自由に利き酒できるので、これまた貴重な勉強の機会でもあるのです(写真上)。

続いて、週末は夏の風物詩、上田市の祇園祭でした。

我が自治会では今年も弊社の樽を担いで頂きました。
毎年ありがたいことです。

私はといえば、昨年に引き続き今年も自治会役員。
当日まで隠れた苦労もいろいろとありましたが、勇壮な樽神輿や宮神輿が空に舞う姿を見ていると、そんな疲れも吹っ飛ぶ、爽快な1日でした(写真下)。

順番を間違えぬよう。

2016.07.16

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お世話になっている方から、石川みやげでお酒を2本頂きました。

金沢市の地酒専門店で購入されたこの2本。
店主から「飲む順番を間違えないように」と念を押されたとのことです。

その日の晩酌で早速開封。
指示された順番の通りに飲むと、その理由がよく分かりました。

1番目。
精米歩合38%の大吟醸。
アルコール分17度の原酒。

ヨーグルトを思わせる乳性の穏やかな香りに、柔らかく繊細な甘みが口の中にフワリと広がります。

2番目。
精米歩合70%の山廃純米。
アルコール分19度のこちらも原酒。

一転して、口に含んだ瞬間、シャープな酸と濃厚な旨味が舌の上を踊り、鮮烈な余韻が口の中に残ります。
山廃ならではの味わいです。

確かに順番を間違えると、2番目の重厚さに1番目の繊細さが負けてしまいます。
でも順番通りに飲むと、お互いの個性がお互いの長所を引き立て合うのですね。

それにしても、あえて両極の2本をセレクトして「順番を間違えないように」と念を押されたご店主。
日本酒の深さ、醍醐味をお客様に伝えようとするその思いが存分に伝わってきて心打たれました。

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