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「恐怖の報酬」

2018.11.17

「恐怖の報酬」は2回映画化されていますが、2度目に映画化されたウィリアム・フリードキン版「恐怖の報酬」。
その「オリジナル完全版」が40年の時を経て公開されます。
凄いことです。

私はこの映画を公開当時の1977年、上田の小さな映画館で観ています。

南米のジャングルで起きた大火災を消火するために、多額の報酬を条件に、4人のアウトローが、ニトログリセリンを積んだ2台のトラックを運転して、道なき道を現地へ向かうというアクション映画です。

当時中学生だった私は、崩れ落ちそうな吊り橋を渡るトラックがアップで映ったポスターに魅せられて(今見ても傑作の1枚です)映画館へ吸い込まれました。

ただ残念ながら、当時は「フレンチコレクション」も「エクソシスト」も未見だった私はフリードキンの偉大さが分からず、この「恐怖の報酬」を観終わって、肩透かしを食ったようなガッカリ感を味わいながら映画館をあとにした事をよく覚えています。

ところがウィリアム・フリードキン監督によれば、当時は、本人の許可なしに勝手にフイルムが編集され30分もカットされたバージョンが公開されたそうで(確かに90分と短かった)、監督が自身の最高の一作に仕上がったと自負する作品とはまったく違うフイルムになってしまった事が、このたび明かされました。

そこで満を辞して、フリードキン監督自らが、数々の権利問題の解決も含めて執念でリマスターしたのが今回の「恐怖の報酬 オリジナル完全版」です。
既に各地の映画祭では大絶賛されているとか。

これは観たい!
ぜひ観たい1本です!

ヘンデル「ソロモン」

2018.11.10

欲しいものがあればネット通販で気軽に入手できてしまう昨今。
久々にレコード屋(?)さんでCDを買いました。

ヘンデル作曲 オラトリオ「ソロモン」。

オラトリオとはバロック音楽の形式のひとつですが、オペラとは違って演劇的要素を含まずに、演奏・独唱・合唱でひとつの物語を表現します。
代表的なものとして、ヘンデル「メサイア」やバッハ「クリスマス・オラトリオ」等があります。

で、今回の「ソロモン」。
妻の高校時代の恩師が、来年の1月に浜離宮朝日ホールでこの曲の演奏会のプロデュース&指揮者をするという事で、妻も行くことを決意。

しかし得てしてオラトリオは長いという例に漏れず、この「ソロモン」も全曲通しで演奏時間は3時間。
まずは曲をしっかりと聴き込んで予習をしていこうと、妻にCDの購入を頼まれたのでした。

とろこが決してメジャーな曲とはいえないこの「ソロモン」。
通販でも見当たらない。

そこで先日出張した折に銀座に立ち寄り、まずはYAMAHAに入るも在庫なし。
次の山野楽器でも膨大なヘンデルのCDが並ぶ中で見つけられず、ついにはお店のスタッフに聞いて、ようやく棚の片隅にひっそりと並ぶ「ソロモン」を発見したのでした。
分厚いパッケージは輸入物の3枚組みで、5,000円(税別)でした。

ここまで苦労して入手したのだから、妻よ、しっかりと予習していってくれよ。

ところで私の意外な過去で、大学時代から卒業したあとも数年間、毎年12月にサントリーホールでヘンデル「メサイア」を歌っていた事があります。
東京女子大学の毎年恒例の定期演奏会で、男声がいないため、二期会や東京芸術大学の男声に混じって歌っていました。

有名な「ハレルヤコーラス」を含む全曲を、約3時間掛けて歌い上げると本当に心が洗われる思いで、ステージに上げて頂くことに感謝の気持ちでいっぱいでした。
ただし、私自身は歌は下手である事を付け加えておきます。

ちょっとひと休み

2018.11.06

申し訳ありません!
ここのところ、とにかく慌ただしい毎日で、今回のブログはちょっとひと休みさせてください。

ちなみに新酒第1弾「和田龍 純米搾りたて無濾過生原酒」は12月上~中旬の発売を予定しています。
こちらは詳細が決まりましたらすぐにアップ致します。

バースデーカード

2018.10.27

東京のホテルに泊まったら、机の上に私の名前入りのカードと洋菓子が置いてありました。

何かと思ったら、私の誕生月のプレゼントでした。

カードの内側には、印刷された文字で

「お誕生日おめでとうございます。
あなたの毎日が幸せにあふれた日々でありますように。

                    〇〇ホテル
                    宿泊支配人
                    〇〇 〇〇」

と書かれていました。

でもこれって素直に喜べるサービスかと言われれば、定型化されただけのマニュアルに過ぎず、驚きはしましたけど、過度の嬉しい思いは湧きませんでした。

以前、私がもうひとつ都内で定宿にしていたホテルでは、部屋に入ると、顔馴染みのフロントレセプションの男性による手書きのカードがいつも置いてあって、たった一文のその「ウエルカム」の思いに毎回心が暖かくなったものでした。
ただその男性が系列の別のホテルに異動したあとのサービスの落差に愕然として、以後そのホテルには泊まらなくなってしまいましたが。

また、かなり前ですが、水天宮のロイヤルパークホテルに泊まった時の出来事です。

遅い時間にチェックインして部屋に入ったところ、冷蔵庫の横には、前の客が書いたままのドリンクのチェックシートが残っています。

少し迷った末にフロントに電話をして事情を話し、「決して気持ちのいいものではないのでお伝えだけしておきます」と言って電話を切りました。

部屋のベルがなったのはその直後でした。

ドアを開けると、山盛りのフルーツが乗ったワゴンを押した男性が立っています。

驚いたのはその山盛りのフルーツに対してではありません。
ワゴンを押してきたのが、ロイヤルパークをサービスに定評のあるホテルとして確固たる地位に築き上げた中村支配人、その方だったからです。

写真では見知っていたあの中村支配人が、たかがこれだけの電話に対して、自らワゴンを押して来て下さるとは。
「支配人 中村」のネームプレートの眩しさに感動しながら、心のこもった支配人のお詫びの言葉を胸に焼き付けていた私でした。

最初のバースデーカードも、支配人直筆の署名ひとつ、あるいは手書きの「おめでとう」の言葉ひとつあれば、随分違ったものになっていたでしょう。

結局は、人の心を動かすのは「物」ではなく「人」なんですよね。

沢田研二

2018.10.22

今回は沢田研二が観客が少ないのを理由に、当日になってライブを中止した件。
9,000人入るさいたまスーパーアリーナで、7,000枚しかチケットが売れていなかった事に沢田本人が納得せず、中止を決定したのだとか。

いろいろな考え方があるかとは思いますが、僕はやってほしかった。
それは20日前、大型台風直撃で公演中止が決定した中で開催された、X-JAPANの幕張メッセでの無観客ライブを観たばかりだから。

当日リハーサル中、中止を知らされたYOSHIKIが「5分考えさせてくれ」と言って、その場で無観客ライブを即決。
急遽ネットで配信されました。

凄かった。
メンバー以外誰もいないアリーナで、無観客をまったく感じさせない、壮絶なまでの熱気に包まれた3時間超。

「お茶の間!お茶の間!We are X!!!」と叫び、プレイするメンバーをパソコン越しに観ながら、その圧倒的なまでの存在感に、感動のあまり思わず涙がこぼれてしまいました。

このライブを視聴した数は何と63万人!
皆が言うように「伝説」のライブとして語り継がれると思います。

ちなみに、過去には観客が少ないライブにも行きました。

聖飢魔Ⅱの中期の頃の長野市民会館でのライブは、客席が5分の1も埋まっていなくて、文字通りガラガラ。
でも、解散直前の1999年の同所のライブでは、「ついに長野も満席にしてやったぞ!!」と雄叫びを上げるデーモン閣下に、思わず身震いする自分がいました。

あのローリング・ストーンズだって、3回目の来日ツアーでは、初来日の時の熱気が嘘のように、何と東京ドームの2階席は解放されずに無人のまま。
まじかよ、ストーンズだぜ?って本当に驚きました。
でも4回目・5回目の来日ツアーは再びチケット完売、どころかステージ裏の見えない席まで売り出される騒ぎで、東京ドームにあの熱気が蘇ってきました。

ちなみに今しばしば見られる、ステージの直近に高額な席を設け始めたのは、ローリング・ストーンズの4回目の来日公演が最初。
「ゴールデン・サークル」と称して65,000円と55,000円の席が売り出され驚愕でした。

もうひとつ、高校時代の思い出。
学校からの帰途、上田市民会館の前を通ったら、男性が手当たり次第に何かを配っています。
私も呼び止められたので聞いたら、演歌歌手Kのコンサートで昼の部がまったく埋まらずに本人が気分を害してしまい、客席を埋めるために夜の部のチケットを無料で配っているのだとか。
でもKじゃなあ~、とチケットを受け取らずに去った、まだ若かりし高校生の私でした。

で、沢田研二。
彼の音楽を求めるファンのためにやってほしかった。

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