出張で東京へ行った際、所要でSホテルのラウンジへ赴きました。
このSホテルには、同じ系列で普段私が定宿にしているTPホテルから異動してきたUさんという女性スタッフがいます。
彼女は笑顔が素敵で、前のTPホテルでは折に触れとても細やかなサービスをしてくれた、大好きなスタッフのひとりでした。
今回Sホテルを訪れるに当たって、できれば彼女をフロントで呼び出して久々に会ってみたい、そんな思いにも駆られていました。
さて、ラウンジに足を運んだ時の事です。
ドアを開けようとした瞬間、「和田様!?」
呼ばれて振り返ると「和田澄夫様ですよね!」
そこには変わらぬ笑顔のUさんが立っていました。
何という偶然。
しかもフルネームを覚えていてくれたという感激。
瞬時に嬉しさがこみ上げてきて胸がいっぱいになりました。
お互いに驚きとともに言葉を交わしながら、この劇的な出会いをしばし喜び合いました。
数時間後、ラウンジを出ようとした時も、この偶然の嬉しさが胸を離れません。
私は名刺の裏にUさんへのメッセージとお礼をしたためて、フロントに預けるべく向かったところ・・・。
何とカウンターの前には、再びUさんの姿が。
しかもこちらに気が付いて、手を振っているではありませんか。
すぐに駆け寄り「フロントに預けようと思っていましたが、直接お渡しできて嬉しいです」。
そう言って手渡した、びっしりと書き込みが入った名刺を、Uさんはしっかりと笑顔で受け取ってくれました。
名刺に目を落としたUさんがまず発してくれたひとこと。
それは「あっ、私のフルネーム!」でした。