2022.04.16
数日前、携帯電話を無くしました。
仕事が一段落した夕方、車のスタッドレス交換でディーラーへ赴きました。
支払いを済ませた際に携帯のメールをチェックしたまでは確かに手元にあったのです。
そのまま会社へ戻ってタイヤを倉庫へしまい、事務所でもう少し仕事をして、気分転換に近所のスターバックスに入ってコーヒーを飲もうとしたところで、胸ポケットに携帯が無いことに気が付きました。
その時はそれでも「会社に忘れたのだろう」くらいの気軽な気持ちで、お店の女性に「ちょっと忘れ物を取りに行ってくるから10分だけコーヒーそのままにしておいて」と事務所へ戻ったのが午後7時過ぎ。
しかしどこを探しても携帯はありませんでした。
事務所、車の中、タイヤを片付けた倉庫・・・何度も何度も探しました。
が、ありません。
ディーラーに電話しても「ありません」。
コーヒーを片付けに行ったスタバをもう一度訪れて、スタッフの方々に見守られながら探しましたが、やはりありません。
途方に暮れていた私に妻から電話が入ります。
「今の携帯を契約した時に『ケータイお探しサービス』に入っているはずだよ」
そう言って、パソコンにURLを送ってきてくれました。
藁にもすがる気持ちでそこに書かれた番号に会社の固定電話からダイヤルすると、電話に出た女性が私の番号をチェックして、「確かに『ケータイお探しサービス』に加入されています」との事。
いや~、そんなこと、全然忘れていました。
ほっとしたのも束の間でした。
そこからが長かった。
続いて要求された四桁の「ネットワーク暗証番号」。
しかし携帯を見ないと分かりません。
思い付く四桁の番号を入力するものの、一度目は失敗。
しかし!
もしかしてと頭に浮かんだ番号をプッシュボタンで入力して「和田様、暗証番号が合いました」という声を聞いた時の嬉しさといったら・・・電話の向こうの彼女がステージ上で輝く森高千里に思えました。
が、まだまだ難関は続きます。
「次にお使いの携帯の正確な機種名をお知らせください」
「え~、Xperiaの・・・分かりません」
「・・・」
まだまだ探してもらえそうにはありません。
「分かりました。それではネットワーク暗証番号も合っていましたので、もうひとつだけお伺いします」
今度は何だ?
「お客様が今契約しているプランを次の中からお答えください。
①『パケ放題』
②『なんちゃらかんちゃらなんちゃらかんちゃら(やたら長いプラン名)』
③『なんちゃらかんちゃらなんちゃらかんちゃら(同じく長いプラン名)』
さあ、どれでしょう?」
「うーん。①の『パケ放題』!!!」
「正解です。それではこれからお客様の携帯をお探し致します」
「・・・・・・・」
兎にも角にも難関突破ということで、電話の向こうに流れる音楽を聴きながら待つこと数分。
「お客様。携帯の位置が判明しました。申し上げます。お客様の携帯は『長野県上田市中央西1丁目14番14号』の半径50メートル以内にございます」
・・・って、この会社の住所じゃん。
電話の向こうの森高千里に丁重にお礼を述べて、さあ、会社の中にあると分かれば百人力。
先ほど以上に気合を入れて隅々まで探したところ・・・ありました、ありました!
何と、事務所隣の茶の間の古時計の下に積まれた座布団の下から出てきました。
記憶が蘇りました。
ディーラーから帰ってきたあと、古時計のネジを回そうとして、携帯を座布団の束の上に置いて、それがいつの間にか一番下に落ちてしまっていたのでした。
どうりで携帯を鳴らし続けていても聞こえないはずです。
時刻は午後10時。
紛失していたら一睡も出来なかったであろう事を思うと、安堵感でしばし放心状態となったのでした。
それにしてもSNSで発信した「紛失しました。ただ今電話に出られません」と「見つかりました。ありがとうございました」の2回の投稿に対して、驚くほど多くの皆様から頂いたコメントやリアクション、本当にありがとうございました。
大いに励みになりました。
そして翌日お礼に訪れたスターバックス。
顔を見るなり「携帯電話はありましたか?」
そんな彼女の笑顔に、私も満面の笑みでお礼を述べたのでした。