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GW in 軽井沢

2010.05.05

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写真上:「GUILD UNIT」店内と店長のYUKIさん
写真下:愛用の革鞄


ゴールデンウイークのとある1日、ふらりと軽井沢へ行って参りました。

普段は車で行く軽井沢、でも今回のようなピーク時は別です。
駐車場さえ見つけられない大混雑を予想し、電車を利用して、それも上田から20分の新幹線ではなく、あえて在来線の「しなの鉄道」に50分揺られていくのが私の楽しみのひとつです。
小諸から軽井沢に分け入るにつれて広がる壮大な新緑、しかも左手には浅間山の雄姿、これらを眺めつつ軽井沢に向かうのがささやかな心躍るひとときです。

今回の目的は、このブログにも何度か登場したJAP工房の軽井沢店「GUILD UNIT」、冬の間は閉店中でしたがGWを迎えてオープンしたのを受けての表敬訪問です。

JAP工房は吉祥寺に本店を置く、シルバーアクセサリー、あるいは映画やロック歌手の衣装を手掛ける、ファンの間ではカリスマ的な存在としてつとに有名です。
現在進行形として、今年期間限定で再結成する聖飢魔Ⅱのすべての衣装とアクセサリーを手掛け、それに伴い本店では聖飢魔Ⅱの歴代衣装展を開催中です。
また先日13回忌を迎え、依然人気が衰えないX-JAPANのhideが愛用した目玉リングも、このJAP工房の手によるものです。

さて、軽井沢駅に降り立った瞬間、汗ばむ暑さに驚きながらも、旧軽井沢に向かって歩くこと20分。
渋滞でのろのろと進む自動車の列を横目に、真っ直ぐ歩くこともできない人の波をかき分けながら、旧軽ロータリーの少し手前に位置する「GUILD UNIT」に辿り着きました。

すぐに店長のYUKIさんが気がついてくれて、しばし話に花が咲きます。
と同時に、小さな店内に所狭しと並べられた今年のシルバーや衣類をひとつひとつチェックしながらYUKIさんの説明を聞きます。
ちなみに私が日頃愛用している革のカバンも、数年前にこのお店で見た瞬間気に入って買ったもので、それ以来愛用し続けています。
しばらく前、酔って自転車ごと転倒し、顔面打撲とともにカバンのふたが取れた時もすぐに元通りに修理して頂きました。

今回店内で私の気を引いたのは、新発売のウインドブレーカー。
黒地に刺繍が入っていて、この手の手持ちが少なかった事もあり、しばし逡巡の末購入してしまいました。
それ以外にも、JAP工房の新しいブランド「La Vie En Rose」の衣類、あるいは公式ライセンスを取って製作している数々の映画のシルバーやオリジナルのアクセサリーに目を奪わることしばし、楽しい表敬訪問の時間が過ぎていきました。

併設している喫茶店「Sin」で名物ピラミッドカレーを食べてお店をあとにし、もう一軒、これまた大のお気に入りの、旧軽井沢通り一番奥に位置する「茜屋珈琲店」を目指します。
それにしても旧軽通りの人の多い事といったら。
予想はしていたのですが、実際人の波に揉まれると、暑さとあいまって軽い目眩すら覚えてしまいました。

そうこうして辿り着いた「茜屋珈琲店」も凄い混雑を呈していました。
顔なじみのご主人やスタッフの方々も、この日ばかりは挨拶するのも憚られる忙しさです。
私は名物の長いカウンターの端に席を見つけ腰を落ち着けたのですが、次から次へとお客様の波は途切れる事なく、入口の大きな待ち合いテーブルはすぐにいっぱいになる有り様。
私が席を空ければ隣の空席も入れてふたり座れるだろうと、この日はくつろぐ事を断念してそそくさと席を立ちました。

帰り際、接客中のご主人の邪魔をしたくなくて、あえて声を掛けずに店を出たのですが、でもこちらのそういう気遣いをしっかりと理解し受け止めてくれるお店でありご主人だからこそ、ついまた通ってしまうんですよね。


JAP工房 http://www.jap-inc.com/

武士道シックスティーン

2010.04.29

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誉田(ほんだ)哲也という作家がいます。

「ジウ」三部作や「ストロベリーナイト」をはじめとする、パワフルな警察小説を立て続けに発表。
そのエンターテイメント性に満ちたストーリー展開と魅力溢れる登場人物に惹かれて次から次へと彼の著書を読み漁る、私もそんな誉田哲也ファンのひとりです。

そんな彼の一連の作品のひとつとして何気なく読み始めた初の青春小説「武士道シックスティーン」。
最初は、誉田哲也が青春小説?そんな思いに駆られながら、しかしページをめくる毎に、私はこの作品にすっかり魅了され、虜となり、あっという間に読了し、最後は惜しむようにページを閉じていたのでした。
喫茶店の片隅で最後の一行を読み終えた瞬間、40歳半ばのこのオジサンは年甲斐もなく、目尻に溜まった涙を周囲にバレないようにぬぐおうとあたふたしながら、しばしその感動を噛み締めてボーっと放心状態のままでした。

物語は、関東の名門剣道部に所属する女子高生ふたりを主人公に、緻密に描かれた剣道の練習や試合のシーン(誉田哲也の本領発揮!)を随所に取り入れながら、彼女たちの出会いや別れ、悩みや苦悩を、笑いあり涙ありで描いています。
オジサン、せめてもう25歳若かったらな、そんな気持ちに思わず駆られてしまった、爽やかで若々しい青春小説です。

ちなみに著者プロフィールの一文「本書は著者初の、人がひとりも死なない青春エンターテイメントである」には思わず噴き出してしまいました。

さて、そしてこの4月。
「武士道シックスティーン」がついに映画化されました。
やっぱ人気あったんだね、この小説。
読み終えてから封切りまでのこの日を指折り数えて待ってました。

それでですね。
先週末、大切な方との会食があって上京した際、翌日に時間を作って早速観て参りました。
(余談ですが、その方との今回の会食のテーマは「ホワイトアスパラガス」。次から次へと繰り出される「ホワイトアスパラ」づくしの品々に、春の香りを満喫して参りました。)

さて、向かったのは新宿三丁目に近いミニシアター。
封切翌日の日曜日だったこともあり、売り切れを恐れて少し早めに劇場に足を運び、全席指定の座席表から私の好きな、少し後方で通路側の座席を無事取ることができました。
ちなみにこの全席指定というシステム、私は嫌いです。
好きな席を好きなように選ぶのも、映画館に通う醍醐味のひとつだと思うのですが・・・。

さて、観終わっての感想。
とても良かったです。

雑誌などで映画評論家の採点を見ると決して高い評価は与えられていないのですが、でも私にはとても面白かったし楽しめました。
原作の冒頭から最後までを忠実に、そして丁寧に描き切っていて、それはそれはとても素敵な作品と思いました。

何から何まで対照的な主人公の女子高生ふたりのやり取りに大爆笑したり、そうかと思いとふたりの心の揺れ動きが自分の心の琴線に触れて思わず涙が溢れたり・・・。

これから観る方のためにストーリーには触れませんが、主人公ふたりの心の動きを、あえて台詞を多用せずにできるだけ表情や動作で表現しようと試みた、その丁寧な作り込みにとても好感が持てました。

あえてひとつだけ難点を挙げるとすれば、主人公ふたりの剣道のシーンは、もっとレベルの高い竹刀捌きを見せてほしかった。
どう見ても、これが全国トップレベルの剣道とは思えません。
まあスタントではなく女優さん本人が実際に演じているのだから仕方ないといえばないのですけどね。

なお小説は続編として「武士道セブンティーン」、さらに「武士道エイティーン」も出ています。
こちらも胸キュン(死語?)の感動ものです。
もしよろしければぜひご一読あれ。

PRISM

2010.04.18

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PRISMというフュージョンバンドがいます。
1975年に結成された、ギター・ベース・ドラムスの3ピース構成の、日本で最初のフュージョンバンドです。

そのPRISMのギタリスト、和田アキラ氏を知ったのは今から15年前。
私が大好きなフュージョンバンド「RX」のサポートを努めていたのが和田アキラ氏で、聴いた瞬間、日本早弾き三大ギタリストにも数えられるその卓越したギターテクニックの虜になったのでした。

そして時は経て昨年末。
日頃からお世話になっている上田市内のライブハウスのオーナーから電話があり「明日ライブに来ない?和田アキラっていう人が来るんだけれどさ」。
えっ、和田アキラ?
何で今ここでその名前が?
考えるまでもなく「行きます行きます!」と二つ返事をしておりました。

そして翌日のライブ。
たったひとりでギターをかき鳴らす和田アキラさんの姿を見て、15年前の感動が蘇ってきて、改めてそのカッコよさに釘付け。
興奮覚めやらぬ中、ライブ終了後はオーナーのご好意で打ち上げに参加させて頂きました。
まずは和田アキラを知るきっかけになった、擦り切れるほどに聴き込んだCDにサインをもらいご満悦。
そして話をしながら、いつの間にか2月に長野市で開かれるPRISMのライブに足を運ぶ固い約束をしておりました。

翌日から、遅れ馳せながら初めて買ったPRISMのCD、最新アルバムの「INVITE」を運転中に数え切れないほど聴き込んで、そして迎えた長野市でのライブ。
いざ会場に着いてみると、キャパ50人ほどの狭い店内は立錐の余地もないほどの超満員、私は最前列のわずかなスペースをようやく見つけ、息もつけないような酸欠状態の中でライブは始まりました。

ギターの和田アキラに加え、小田和正や中島みゆきのバックバンドを努めてきたドラムの木村万作、そして昨年まで長年高橋真梨子のバックでプレーしてきたベースの岡田治郎、この3名で繰り出す音楽は、それはそれはパワフルかつテクニカルで、2時間半に渡るライブが終了した時はPRISMサウンドの虜となっていました。

そして迎えた4月10日、この半年に渡るPRISMのツアーのトリを飾ったのは他でもない、オーナーのリクエストで急遽決まった、先程も書いた上田のライブハウスでした。

当日、朝から慌しく仕事を片付け、何とか時間内に着くことが出来た店内は、落ち着いた雰囲気で皆がテーブルでドリンクを傾けています。
私と妻も2列目のテーブルに席を取り、ゆっくりビールを飲みながら待つ事しばし、場内が暗転してメンバーが登場し演奏が始まりました。

うん、やっぱりカッコいい。
しかも3人とも鳥肌が立つようなテクニック。
すっかり曲目を覚えた上で臨んだ今回のライブは、前回の長野とは演奏リストも多少変更があったり、あるいは同じ曲でも各々のプレーが微妙に変わっていることが分かったりで、感動も倍増。
私はと言えば、いつの間にか曲の終わりや各自のソロのあとには歓声を上げていて、ついには2回のアンコールでは「ブラボー!」を連呼する始末でした。

そしてその感激覚めやらぬまま、今回もそのまま居残って参加させて頂いた打ち上げ。
楽しい時間は際限がありません。
でも頃合いを見計らって、そろそろおいとまを告げた時、隣にいた和田アキラさんが私のポケットにそっと何かを差し入れてくれました。
何だろうと思って取り出した瞬間、アキラさんがひとこと、「ライブで使っていたピックだよ」。
その瞬間、私の興奮と感激はMAXに達したのでした。

15年という時間を経て、和田アキラ、ひいてはPRISMとの新たな邂逅が始まった瞬間でした。

もひとつ、新酒誕生

2010.04.11

先々週発売を開始した新酒「登水(とすい)吟醸・直汲み生原酒」、おかげ様で好調な出足を頂いています。

何より嬉しいのは、一度納品させて頂いた酒販店様からすぐに二度目のご注文を頂くこと。
リピートを頂いた瞬間というのは、嬉しさでそれまでの苦労や疲れが吹き飛びます。
と同時にそれは、わざわざお取り扱い頂き売って下さる酒販店様と、買って下さったお客様に感謝する瞬間でもあります。

さてそんな中、「登水・純米酒」も先日いよいよ搾れました。
はっきり申しまして、大変いい出来と思います。
まず香りはさり気なく鼻腔をつく、ライチやライムを思わせる心地よい柑橘系。
そして口に含むと、バランスの取れた軽やかな旨みがフワリと膨らみ、アフターにきれいな酸が舌を洗い流して、キレも抜群です。
その軽快さは17度というアルコール度数を感じさせません。

そんな訳で、この「登水・純米酒」も初回限定で「直汲み生原酒」として発売致します。
週明け早々にビン詰めして、来週木曜日から発売開始の予定です。
ぜひお試し頂ければ幸いです。
もしご不明な点がございましたら遠慮なく当HPのトップページよりメールにてご一報頂ければと存じます。

ちなみに価格ですが、大変申し訳ございません、発売以来ずっと価格を据え置いて参りましたが諸物価の高騰には勝てず、「登水吟醸酒」同様、1.8Lで200円、720mlで100円、値上げさせて頂きます。


〇登水純米酒・直汲み生原酒(初回限定品)
・1.8L:2,700円(税込2,835円)
・720ml:1,400円(税込1,470円)

惜別の日

2010.04.03

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去る3月31日、ひとつの大きな別れがあれました。
東京の渋谷東急本店前にあるクラシックバー「West End(ウエストエンド)」。
私が10年以上通い詰めたこのバーが、この日をもって閉店を迎えたのでした。

小さなビルのエレベーターを3階で降り、初めてこのお店のドアを開けた日のことは今でも忘れません。
その時飲んだカクテルの美味しさに惚れ、暖かな笑顔とサービス精神に富んだバーテンダーの前田さん(今もまだ40代前半のイケメンです)のお人柄に惚れ、そして何とも心癒されるお店の空気に惚れて、折に触れその日の締めの一杯を、深夜の遅い時間に訪問して楽しむ毎回でした。

初めてお店を訪問した日、前田さんはじめスタッフの皆さんが少しでも時間が空くと、所狭しと棚に並んだお酒のボトルを1本1本丁寧に磨き上げていて、いつ行ってもピカピカに輝く数え切れないほどのボトルは、まるでこのお店の心意気を象徴するようでした。

思い出は尽きません。

通い始めた頃、前田さんのお薦めで飲んだカクテル「ホーセズネック」。
たかがブランデーとジンジャエールを混ぜただけのカクテルがどうしてこんなに美味しくなるのか、ただただ驚愕でした。
以後私がこのお店で飲む最初の一杯は、ほぼ決まって「ホーセズネック」。
その日の気分によってベースをブランデーからスコッチに変えて頂く楽しみを覚えたりもして、オーダーすると前田さんから「今日はブランデーにしますか?スコッチにしますか?」と聞かれて思案する時間が楽しみでした。

ある時、前のお店で相当に飲んでしまい、這うようにして辿り着いた「West End」。
かなり酔ったとはいえここはバーのカウンター、表向きは毅然としながらも実は「今日は凄まじく喉が渇いたな~」なんて思っていたところに、「まずお水でも飲まれます?」という言葉とともにスッと出されたお冷やのタンブラー。
まるで心の内まで見透かされているような細やかな心配りにノックアウトされた瞬間でした。

私の妻もこのバーが大好きで、このお店のおかげで彼女はラムのおいしさに目覚めました。
また、長女が高校に合格した昨年の春、お祝いも兼ねて東京を訪れたその晩に、フォーマルな大人の世界を垣間見せようと思って連れていった一軒がこのお店でした。
もちろん事前に前田さんのお許しを得た上でお伺いしたのですが、カウンターの片隅できれいに彩られたノンアルコールカクテルを傾けたひとときは、きっと彼女の心の片隅に輝く思い出としていつまでも色づいているでしょう。

振り返れば振り返るほどこのお店で過ごした数々の思い出が詳細に蘇ってきて、涙が溢れそうになります。

3月31日の閉店の日は、午後10時過ぎにお店を訪れました。
一歩足を踏み入れると、普段は落ち着いた雰囲気の店内は案の定立錐の余地もないほどの混雑で、全員が喧騒の中で最後のお酒を楽しんでいました。

あわよくば私も最後の一杯を楽しめればと思っていたのですが、満員電車なみに混雑した店内と前田さんの忙しさを目の当たりにするととてもそんな雰囲気ではありません。
ただそれはある程度予想がついていた事ですし、今日は「West End」と前田さんへの感謝の思いさえ伝えられればと思っていましたので、忙しいさなかの彼をちょっとだけ入口に呼び出してその気持ちを伝え、最後に固い握手をしてお店をあとにしました。

大好きだった「West End」はこの日をもって長く短い歴史に幕を閉じました。
でも逆にこの日を出発点として、前田さんとはまた新たなご縁が出来ることを心から願って止みません。
最後の一杯を飲まなかったのは、そんな思いへのささやかな「おまじない」の意味合いもこめていたのかもしれません。


写真:入口のドアに掛かっている小さな額縁

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