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へぎそば初体験

2010.11.18

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公私ともどもお世話になっている方と新潟県の魚沼へ出掛けました。
用事が済んで時刻は正午過ぎ。
せっかくなので昼食はこの地方の名物「へぎそば」にしようと話し合って決めました。

実は私は「へぎそば」初体験。
「へぎそば」はつなぎに小麦粉でなく布海苔(ふのり)を使うこと、そしてそばを小さな束にして盛り付けること、その程度の知識しかありません。
そもそも「へぎ」とは何ぞや。
そばを盛り付ける木の器を「へぎ」というそうです。

さて、地元の方お薦めのお店へ着くと、さすがに行列が出来ています。
待つこと30分、ようやく順番が回ってきてテーブルにつきメニューに目を通したところ・・・。

<へぎそば>
・一人前
・二人前
・三人前
・四人前
・五人前
・十個盛り
・五個盛り

と書いてあります。
さて、どれを選んでいいのやら・・・。

そもそも私が住む信州上田は、ただでさえ蕎麦の量が多くて有名なところ。
ちなみに上田のとある繁盛店は、普通盛りが500g、中盛りが700g、大盛りが1kg!あります。

お店のお姉さんに聞いてみました。
「一人前で足りますか?」
「一人前は7個盛りになりますのでちょっと足りないかもしれません。「十個盛り」にしてみてはいかがでしょうか?あるいはまず一人前ご注文頂いて、足りなければ「五個盛り」を追加されるとか」

なるほど、そうやって選ぶんですね。

それではとお勧めに従って「へぎそば十個盛り」と「天ぷら盛り合わせ」を頼んで待つことしばし、注文の品がやって参りました。

それにしても器の大きいこと。
4人掛けのテーブルに2人で座ったのですが、蕎麦の器と天ぷらを乗せるともういっぱいです。

そして肝心の蕎麦はというと、写真のようにきれいに10個の小さな束にまとまって器に盛り付けられています。
そして驚いたのが薬味。
わさびとネギに加えてカラシが乗っています。
聞けばへぎそばの薬味はもともとカラシが本流で、わさびはあとから広まったとの事でした。

さっそくひと口。
信州蕎麦とはまったくの別物です。

一番の特徴は滑らかな舌触りと喉ごし。
とにかくするすると喉を通ります。
その感触は水の如し。
これがへぎそばの醍醐味でしょうか。

途中、薬味のカラシをつけて食べてみましたが、これはこれでオツな味わいです。
個人的には本わさびのふくよかな香りの方が好みですが、カラシをつけるのがへぎそばの食文化と思えば十分に堪能できました。

つるつる、するすると蕎麦が喉を通るうちに、あっという間に完食。
天ぷらも付けたので「十個盛り」はちょっと多かった感じです。
その証拠にこの日は夕方まで腹持ちして、全然お腹が空きませんでした。

この日はお酒は飲みませんでしたが、本来でしたら蕎麦は日本酒の最高の肴と思っている私。
次回はぜひ魚沼の地酒とともにへぎそばを味わいたい、そんな思いです。

サービスの本質とは?

2010.11.11

ホテルに泊まるのが好きです。
例えば出張の際は、エリアや利用時間に応じて何軒かのお気に入りのホテルを使い分けています。

今日はそんなお気に入りのホテルの、ちょっと残念だった話をします。

東京都中央区にあるRホテル。
館内の快適な施設やおいしい食事はもちろんですが、何よりも私はこのホテルのホスピタリティ溢れるサービスが大好きで、いつも利用できる機会を伺っています。

このホテルのサービスに関して思い起こすと、こんな事もありました。

夜遅くチェックインした時の事。
何気なく冷蔵庫を見ると、前の客が記入した飲み物のチェックシートがそのまま残っています。
すぐにフロントに電話をして事情を説明すると即座にお詫びがあり、しばらくして部屋のベルがなりました。
ドアを開けると、初老のスタッフがお皿いっぱいに乗ったフルーツのワゴンと共に立っています。

感激したのはそのワゴンフルーツではなく、立っていたのがその頃メディアでもたびたび登場していたホテルのN支配人だったからです。
しかもネームプレートにはフルネームだけ書かれていて「支配人」とは記されていません。
その瞬間、即座にこのホテルのサービスの「精神」を感じ取ったものでした。

さて、話は飛んで、今年の8月に宿泊した時の事です。

早朝にレストランへ足を運び、ここの大好きなバイキングに舌鼓を打っていると、レストランのマネージャーがスタッフを叱り飛ばしている声が聞こえてきます。
それも一度や二度ではなく、それこそコーヒーを飲み終わるまでずっとです。
しかも口調が「××しろ!」とか「何、××してるんだ!」とか聞くに絶えないもの。
およそRホテルの空間とは思えません。
そっとフロアの女性を呼び止め、マネージャーの名前を聞いて、あとで正式に苦情を申し伝えました。
ささやかな出来事とはいえ、これが最初のつまづきでした。

次に宿泊したのは10月の上旬。
この時は悲惨でした。

まず、到着してエントランスからチェックインカウンターに向かうまで、数多くのスタッフがいるのに誰一人として声を掛けてくれない、こんな事は初めてです。

いざチェックインカウンターの前に立っても、フロントの若い男性は声を掛けないどころかこちらに顔も向けない。
私も意地になって黙ったままそこにしばし立っていましたが、まるで自分が透明人間になったかのようです。

怒りがふつふつと沸いてきた頃、私の後方にあるコンシュルジュデスクの女性が私の存在に気が付いてくれ、ようやくフロントへ取り次いでくれたのですが、若いフロント係は一連の対応に苦情を言っても暖簾に腕押し、まるでロボットのようです。
手続きを終えて鍵を受け取りエレベーターに乗るまで、コンシュルジュの女性がお詫びかたがたアテンドしてくれたのが唯一の救いでした。

そして更に驚くことに、それから翌朝チェックアウトするまで、すれ違う多くのスタッフからはひと言の挨拶もなし。
それこそ何往復もロビーラウンジやフロントの前を通ったのですが、いつもでしたらスタッフとすれ違うたびに「こんばんは!」とか「おはようございます!」とか「いってらっしゃいませ!」とか掛けてもらう気持ちのよい挨拶が今回はひと言もありません。
目が合っても素通りです。
私も、いつもならばそれに対して必ず元気な挨拶を返すのですが、今回に限って言えば私はこれまた完全な透明人間状態です。

さすがにあきれて、部屋に備え付けのアンケートに率直な感想を記入し、チェックアウトの際も、このたびの宿泊にどれだけ失望したかを申し伝えました。
正直言って、もうこのホテルを使うのはこれっきりとも思いながらホテルを去ろうとしたその瞬間、ひとりのスタッフから声を掛けられました。

差し出された名刺を見ると、そこには「フロントレセプションマネージャー」の文字。
要はフロントの責任者です。
彼曰く、実はチェックインの時、他のお客様のお世話をしながら私への対応の一部始終を見ていた、そしてそれがどれだけ不誠実な対応であったか恥ずかしい思いでいっぱいだ、ついては深くお詫びしたい、そんな内容を述べられました。

このひと言でどれだけ救われたか、私は彼に再訪を約束し、次回は楽しみにしていますと伝えてホテルをあとにしました。
ちなみに後日、支配人名で丁重なお詫びの手紙も届きました。

が次回、その期待は裏切られました。

マネージャーとの約束を守ろうと、そしてどれだけホテルの対応が変わったかを楽しみにしながら、今月の上旬に再度Rホテルを予約しました。

このクラスのホテルであれば当然このたびの一連の出来事は私の履歴に残っているでしょうし、あえて間を置かず再訪した私の思いをマネージャーはじめスタッフはしっかり汲んでもらえるものと思っていました。

しかし私は甘かった。
到着からチェックインまでひと言も挨拶がないのは前回と同じ。
そして運の悪いことにチェックインを担当したのは前回のロボット君でした。

私が今回期待したのは、チェックインの際たったひと言「前回は失礼しました」という、そのお詫びの言葉でした。
それさえあれば満足でした。
「今回は挽回しますのでごゆっくりお過ごし下さい」、そんな言葉が掛けられることを楽しみにしていました。

しかしフロントの彼は、今回も能面のような顔でひと通りの手続きを済ませ、あっさりと私を客室へ送り出しました。
聞けば例のマネージャーは今日は休みを取っているとの事。

本音を言えば客室のグレードアップも少しは期待していました。
もし私が逆の立場だったらそうします。
しかし与えられたのはオーダー通りのシングルルーム。

さらに、客室に入ってすぐに頼んだ夕刊は、次の予定のため30分後に出発するまで結局届けられず。
しかも電話をしたら忘れ去られている始末・・・。
そしてこの日も結局、ロビーを右往左往しているスタッフからは挨拶の言葉ひとつ掛けられる事はありませんでした。

翌日は館内で朝食を取る気持ちも萎え、外での朝食を終えて、それでもと思ってフロントで問い合わせると、件のマネージャーは出社していました。

早速彼を呼び出し、しかし椅子ひとつ勧められずフロント前で立ったまま、私は今回の残念な思いをそのマネージャーにぶつけました。

私はこのホテルのホスピタリティ溢れるサービスが大好きだったのに、それは一体どこへ行ってしまったのか?
クレームを述べた客がすぐに戻ってきたのに、なぜ「前回は申し訳ありませんでした」のひと言がいえないのか?

このホテルが大好きだからこそ、今回このような思いの丈をぶつけた気持ちをマネージャーは汲んでくれたでしょうか。

部屋に入るとすぐにマネージャーから電話がありました。
「チェックアウト時間を延長させて頂きますのでごゆっくりお寛ぎ下さい」
この思いを最初から見せてくれていれば、今回の滞在は随分と違った気分になっていたはずです。

私は帰ってから、性懲りもなくまた次回の予約を入れました。
ネットのコメント欄にはマネージャー宛てのメッセージも残しました。
予約を入れてから一週間、しかし彼からの返信はまだ届いていません。

感涙の赤ワイン

2010.11.05

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親しい友人と久々に東京で会食しようという事になりました。
店選びを任され、迷うことなく、敬愛する城悦男氏がオーナーシェフを努める「フレンチレストラン ヴァンサン(VINCENT)」を予約致しました。

http://www.vincent-la-jo.com/

この友人と「ヴァンサン」で食事をするのは3度目。
彼もこのお店をいたく気に入ってくれ、テーマだけを伝えてあとの細かいお皿は城シェフにお任せ、というのがいつものスタイルです。
この日のリクエストは「ジビエ」。
いよいよ本格的なジビエの時期となり、シェフがどんな食材をどのように調理して出してくれるのか心が躍ります。

さて当日。
友人と共に席に着き、まずはワインを選ぼうとしたところ、新しく入ったメートルデトルの豊田さんが「今日はシェフが既にワインを用意しております」とひと言。
それが写真にもある「エシュゾー1995ヴィエイユ・ヴィーニュ ドメーヌ モンジャール・ミニュレ」!!
ブルゴーニュの極上の造り手による極上の1本です。

「ジビエ」がテーマなのでブルゴーニュの赤を選ぼうとは思っていたのですが、このような素晴らしい心震える1本をシェフ自らセレクトして頂いたことに、ただただ感激の思いです。

果たしてグラスに注がれたそのワインは、最初の1杯からブルゴーニュのトップクラスならではの風格を漂わせ、しかも時間とともに刻々と変化する香りと味わいは我々を心身ともに陶然と酔わせてくれました。

途中、料理の手を休めては城シェフがテーブルまで足を運んでくれ、料理・音楽・芸術、さまざまな話題で花が咲き、これもまたグランメゾンならではの贅沢な時間の使い方に酔いしれました。

ちなみにメインのジビエ料理は「鴨」。
野生の鴨とフォワグラがミルフィーユ調にサンドされ、その上には旬の松茸が惜しげもなく乗り、「ソースの城」ならではの極上の赤ワインソースが掛かっています。
付け合せはひとつひとつ丁寧に剥かれた栗のタルト。
まさにクラシックフレンチの王道を行く素晴らしいひと皿でした。

ひとたびメディア等で有名になると厨房に入らなくなるシェフも少なくない中、城悦男シェフは今日も自ら陣頭指揮を取りひと皿ひと皿心を込めて腕を振るい、そして合間にはテーブルを回ってお客様との交流を大切にされています。
そんな城シェフの人間的な魅力も含めて、今回も「ヴァンサン」の料理と空間とを、友人とともに存分に堪能したひとときでした。

「まぁーず」料理が旬!

2010.10.26

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この10月1日から長野県内一斉に開催されている「信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)」。

これはJRグループと長野県内の観光関係団体そして市町村がタイアップして、3ヶ月に渡って繰り広げられる大型観光キャンペーンです。
今日も長野県内のあちこちで「信州DC」に絡んだ様々なイベントが開かれています。

そんな中、今日ご紹介するのは「信州DC」の一環として開発された「まぁーず」料理。

知らない方は「まぁーず」って何だ?ってまず思われた事でしょう。
これは信州の方言で、「本当に」とか「とっても」という意味なんです。
「まぁーず、この料理はおいしいね」とか、「まぁーず、なにやってんだか、お前は」とか、そんな使い方をします。

この「まぁーず」料理を考案したのは長野県旅館組合青年部。
その青年部長が私の親友で、彼が「まぁーず」料理の陣頭指揮を執ったこともあって、私も思い入れが深いのです。

さて、その「まぁーず」料理、ポイントは長野県産の「味噌」と「酒粕」と「漬物」を使ったオリジナルのソースを使用すること。

それに準じた様々な料理をそれぞれの旅館が開発し、長野県内の旅館一軒一軒で違った「まぁーず」料理が味わえるのです。
私も試作品を試してみたのですが、これが本当においしい!

しかも前述の通り、材料のひとつは「酒粕」。
これは酒造業界にとっても大きなチャンスを頂いたと思っています。

聞くところによると、先日も池袋のサンシャインシティで開かれた長野県の物産展で、旅館組合青年部のブースで提供した何千食もの「まぁーず」料理が瞬く間に無くなってしまったそうです。

年内いっぱい開催されている「信州デスティネーションキャンペーン」、その期間中、訪れる旅館によってそれぞれ違った形で提供される「まぁーず」料理は今がまさに旬!です。

写真:「まぁーず」公式ガイドブックの表紙

信州上田の秋の味覚

2010.10.19

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信州上田の秋の味覚、それは何といっても松茸です。

上田地方を囲む山々では毎年たくさんの松茸が取れます。
そして山々の中腹には、この時期何軒もの「松茸小屋」がオープンし、地物の松茸を味わうために連日大勢のお客様で賑わいます。
松茸どびん蒸し、松茸茶碗蒸し、松茸天ぷら、焼き松茸、松茸銀蒸し、松茸なべ、松茸汁、そして松茸ごはんに至るまで、まさに松茸尽くしです。

余談ですが、以前テレビ東京の「大食い選手権」の中で、この松茸小屋で「松茸大食い」をやった事もありました。

ちなみに今年は夏の猛暑を受けて、松茸は大豊作。
松茸小屋や地元の温泉旅館では、取り切れないほどの地物の松茸が贅沢に振る舞われています。

写真は地元の旅館を経営する友人から頂いた、獲ってきたばかりの松茸と虚無僧(こむそう)茸です。
両肩から下げたカゴに入り切らず、残りは抱えて持ってきたとの事。
ねっ、凄いでしょ?

ちなみに松茸のピークは11月上旬頃まで。
松茸を味わいながら秋の信州、いかがですか?

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