記事一覧

「悦」

2011.12.10

ファイル 254-1.jpg

8月31日の当ブログにも掲載の、私の友人で第1回団鬼六賞優秀賞を受賞した女性官能小説家、深志美由紀(みゆき・みゆき)がこの冬立て続けに作品を発表しています。

季刊誌「悦」(写真)にて「はつ恋」。
月刊誌「特選小説」にて「憧れの庭」。

どちらも女性の視点からの官能が描かれていて、男性作家とはひと味違った繊細かつ鮮烈な文章表現が存分に楽しめます。
小説を書くことを渇望し続けその場を手に入れた深志美由紀、これからもどんどん成長していくことと思います。
皆さん、応援をよろしくお願いします。

さて、「官能的」という意味ではお酒も同じです。
毎年恒例の新酒「純米しぼりたて生原酒」が12月下旬発売予定です。
フレッシュで力強く甘美な味わいは、飲む人の五感を酔わせてくれること請け合いです。
今もその日を待ちわびて、お酒がタンクの中ですくすくと育っています。
発売までもうしばらくお待ち下さい。

天寶一

2011.12.03

ファイル 253-1.jpg

日頃から酒造りへの溢れんばかりの熱い思いや教えを頂いている広島県の蔵元、株式会社天寶一(てんぽういち)の村上社長から出来立ての新酒が届きました。

「天寶一 八反錦純米生原酒 おりがらみ生酒」
村上さん、今年の第1号の搾りです。

「こちらは今年も渾身の酒が出来たけぇ、和田も頑張れ!」
そんなメッセージがこの1本に込められているのをひしと感じます。

早速その夜開封してじっくりと味わいました。
力強く、甘と酸のバランスがしっかり取れた、村上さん入魂の素晴らしいお酒です。

村上さん、また春になったらお目にかかりましょう!

中上健次 「奇蹟」

2011.11.25

ファイル 252-1.jpgファイル 252-2.jpg

写真は敬愛する中上健次の小説「奇蹟」の冒頭です。

上は直筆原稿のコピー。
下は同じ箇所が活字になったものです。

この2枚はフォトフレームに入って、私の書架の机の上に飾ってあります。

中上健次は自らの小説を「喫茶店文学」と呼び、喫茶店の片隅で集計用紙に万年筆でびっしりと書き込んでいく、まさにこの原稿通りの執筆スタイルを終生貫き通しました。
そしてこの「奇蹟」は、そんな中上の中期の傑作とされています。

机に座ってこの2枚を眺めるたびに、今は亡き中上健次の小説の息吹が蘇ってくるような気がして、私自身の心の中にも活力が沸いて来るのです。

日本酒の可能性

2011.11.19

毎日全国のいろいろな日本酒を飲んでいると、新しい傾向のお酒が席巻している事に気が付かされます。

そのひとつが低精米酒。
要するに、原料となるお米をわざと削らないお酒の事です。

「普通酒」と呼ばれるレギュラークラスのお酒は、おおむね精米歩合70~65%(=玄米を70~65%の大きさに削ること)のお米を使用しています。
そして精米歩合60%以下のお酒は「吟醸酒」、精米歩合50%以下のお酒は「大吟醸酒」を名乗っていい事になっています。

ちなみに我々が日頃食べている飯米は、大体精米歩合92%くらいです。

参考までに、なぜお米を削ったほうがいいかというと、玄米の表層部にあるタンパク質や脂質・灰分といった物質が、お酒の健全な生育、そして味わいや香りを損なわせてしまうからです。

さてそんな中、最近とみに見かけるようになったのが件の低精米酒です。
中でも、具体的には「精米歩合80%」をドーンと前面に押し出したお酒が目を引きます。

先日東京へ出張した際にも、お世話になっている日本酒専門の酒場で低精米をウリにしたお酒を何本も飲んだのですが、そのレベルの高さにびっくり。
思わず「旨いっ!」と叫んでしまいました。

もうひとつ、最近目にするのは酸度の極めて高いお酒です。
私自身、「酸」は日本酒の味わいを決定付ける最も大切な要素と思っており、現に弊社はそれなりに酸のしっかりしたお酒を出していますが、それでも酸度3.0前後というお酒を目にするとまずは驚きます。
それでいて、飲んでみるときちんと美味しいんですよね。

昨日も秋田県のとある蔵の、特殊な造りによって「酸」の際立ったお酒を口にして、ああ、こういうのもアリなんだと、日本酒の持つ可能性の無限さに思いを新たにした次第です。

世界に冠たる日本酒ワールド、これからもっともっと面白くなりますよ。

プロ将棋の魅力

2011.11.11

将棋が大好きです。

将棋を指すのも好きですが、それ以上にプロが対局した将棋を観るのが大好きです。

ネットの発達でありがたいことに、最近はタイトル戦や順位戦(棋士の序列を決める、棋士の生命線とも言っていい棋戦。その年のトップ棋士が名人に挑戦できる)がリアルタイムで観戦できるようにもなりました。

私がプロの対局を好きなのは、棋譜の向こうにプロ棋士の人間性や魅力が垣間見えるからに他なりません。
つまり、プロの将棋に惚れる以上にプロ棋士に惚れているのです。

今をときめく羽生喜治が若かりし頃、「将棋は人間性を反映しない」と言い切ったことがありますが、それは違う、というより、そうあって欲しくないという思いでいっぱいでした(今の羽生将棋はまさしく羽生先生の生きざまを存分に反映していると思っていますが)。

例えば大好きな加藤一二三。
大食漢で対局日は昼夜とも食事が同じメニュー、常に股下までの長いネクタイ、好調を意識すると止まらぬ咳払いなど様々なエピソードを持ち、愚直なまでに一本気な加藤は、当時の中原名人にどれだけ負け続けても同じ戦法を貫き通し、最後は念願の名人位をもぎ取りました。

例えば米長邦雄。
米長は南芳一とのタイトル戦の際、「横歩も取れない男に負けてはご先祖様に申し訳ない」と言い放ち、挑発に乗って横歩を取った南を執念で押さえ込みました。
また米長の「自分にとっては消化試合であっても相手が重要な対局の時こそ全力で相手を負かさなければならない」という米長イズムは、今や将棋界の常識となっています。

余談ですが、以前上田市民会館で米長先生が講演会を開いた時、妻と一緒に楽屋にアポなしで訪問した際に頂いた「化粧よりほほえみ」と書かれた色紙は今でも大切な宝物です。

最近で記憶に新しいところでは、アマチュアからプロ棋士に転進を遂げた瀬川晶司。
プロ棋士の登竜門である将励会を規定の25歳までに抜け出せず一度は挫折したものの、アマチュアとしてプロ棋士に勝ちまくっていた成績が評価され、前代未聞のプロ昇格試験でプロ棋士6人に合格ラインの3勝を挙げて見事プロ棋士の座を勝ち取った時の棋譜とニュースは、将棋界を超えて社会現象にまでなりました。

そして私の大好きな谷川浩司。
21歳で史上最年少の名人となったこの将棋界のプリンスは、50歳を目前にとした今もなお凛としたオーラを発し続け、その清楚な立ち振る舞いと輝きは彼の将棋にもそのまま反映されて、多くのファンを魅了しています。
ここのところしばらく停滞しておりますが、ぜひまたタイトル戦に登場してファンの心を鷲づかみにしてほしいものです。

そうそう、思い出しました。
結婚前、まだ将棋の「し」の字も知らない妻に何とかプロ棋士の美しさを見せたいと思い、玉砕覚悟で千駄ヶ谷にある日本将棋連盟に観戦希望の手紙をしたためたところ、何とOKの返事が来てびっくり。
指定の日時に訪れた将棋連盟の特別対局室で、たった5分ではありますが王将線の決勝リーグ、「米長邦雄ー森けい二」を観戦できたことは大切な思い出です。

最後に。
「名人」と並ぶ将棋界の最高タイトル「竜王」。
この「竜王」になると賞金はいくらもらえるかご存知ですか?
答えは何と4200万円。
びっくりでしょう?
この「竜王」を弱冠27歳の渡辺明が7連覇中で、今まさに8連覇を賭けて元名人の丸山忠久と7番勝負の真っ最中です。

ページ移動