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長野の酒メツセ2012

2012.10.20

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オープン直前の場内


毎年恒例の「長野の酒メツセ」、今年も長野県内約70の蔵元が参加して、大盛況のうちに開催されました。
当日の入場者は2600名。
おかげさまで過去最高の数字となりました。

そして弊社のブースでもたくさんの出会いと感動がありました。

開場早々、最初のお客様として掛け付けて下さったのは、わざわざ名古屋からいらっしゃった酒販店のMさん、そしてこの稚拙なブログを毎回ご愛読頂いて訪ねてきて下さった女性のTさんでした。
おふたりとも初対面でしたがお気持ちが本当に嬉しく、今年の「酒メツセ」開始に当たっての最初のパワーを頂戴しました。

それからあとも、お世話になっている皆様が続々とお見えになりました。

日頃からお酒をお取り扱い頂き、そして折に触れたくさんのアドバイスを頂く酒販店の皆様。

以前はよくつるんで飲んでいたのに、いつの間に偉くなっていった(笑)卸問屋の皆様。

仕事という立場を越えて、お伺いするたびに人と料理とお店の魅力に酔わせて頂く飲食店の皆様。

いつも弊社のお酒をご愛飲頂いている、顔馴染みのお客様の皆様。
そしてたまたま弊社をご訪問頂いたことがきっかけで、今回もわざわざ県外も含めてご遠方からお越し頂いた皆様。

さらには今回初めて弊社のお酒を飲んで何がしかを感じて下さり、慌ただしい中にもじっくりとお話しする時間を頂いた多くの皆様。
中にはお話をしたあとで実はこの道のプロと身分を明かされる方もいらっしゃり、偉そうな事を言ってしまったと思わず赤面する場面も何度かありました。

その他にも、えっ、この方もわざわざ足を運んで頂いたんだと感激するお客様がそれはそれは大勢いらっしゃって、今年は例年以上に密度の濃い、そして感謝の思いに包まれた6時間となりました。

朝の長野駅前でのビラ配りから始まって片付けが一段落するまで実に12時間超、でも「酒メツセ」終了時の疲れは毎回とても心地良いのです。
この日も上田へ戻って居酒屋のカウンターで杯を傾けながら、今日1日の出会いに改めて酔いしれたのでした。

お越し頂いた皆様、本当にありがとうございました。

映画館でのマナー

2012.10.17

数日前、映画館へ「中島みゆき「歌姫」劇場版」を観に行った時の事です(妻が大ファンなので)。
座席指定の席に腰掛けてふと数列前を見ると、そこには驚くほど大柄な女性が。
でもそれは仕方がないとして。
アキれたのは、そんな彼女の頭の上に、さらにマッシュルームのように背が高い帽子が映画が終わるまでチョコンと乗っていた事です。
幸い私の席は数列うしろで座席も段差があったので、彼女の帽子がスクリーンを邪魔する事はなかったのですが、可哀相だったのが彼女の真後ろに座った中年の男性。
こんなに空いている場内で、よりによって何でこんな席を取ってしまったんだろうとさぞかし後悔したことでしょうね。
映画に限らずライブでも「お願いだから帽子は脱いで」と心の中で叫んだことが何度かあります。

続いてはしばらく前「ヘルタースケルター」を観に行った時に出会った女子高生の2人組。
私の数席向こうで、映画が始まってからずっとお菓子を食べているのですが、お菓子のビニールの包みを取る時のガサガサという音の耳障りな事といったら。
よっぽど注意しようかと思ったのですが、いかにも映画館慣れしていなさそうな彼女たちに水を差すのがいたたまれず、私が席を移動しました。
ちなみに映画の出来は今イチでしたが、正直、沢尻エリカは大いに見直しました。

さらに先月「プロメテウス」を観た時の事。
チケットを買って、さあ入場しようとしたその時、映画が終わってちょうど場内から出てきた若い男性2人連れが、何と大声で映画のラストシーンを喋っている。
思わず耳を疑いました。
結局彼らが話していたのは私が観た映画の結末ではなかったのですが(私が観た「TOHOシネマズ上田」には8つの映画館が入っています)、いくら他意はなかったとはいえ、もし彼らと同じ映画を観ようとした人がそれを聞いてしまっていたらと考えると、何だか憤懣やる方ない思いに駆られた一瞬でした。

でも私が今まで映画館で遭遇した非常識ナンバーワンは、数年前に新宿で「ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト」を観た時に遭遇した数名の若者です。
同映画はストーンズのライブ風景を巨匠マーティン・スコセッシが撮影したドキュメンタリーで、ストーンズの魅力を余す事なく引き出した名作として高く評価されました。
私が観た時も場内はほぼ満席で、「タクシードライバー」以来大好きなスコセッシの映像と数々の名曲とに酔っていたのですが、映画も終盤に差しかかる頃に何気なく場内を見渡すと、はるか向こうの席で何と若者が数名、体を前後左右に激しく揺らしながら踊り狂っているのです。
おいおいっ、これはライブビューイングではなくて、れっきとしたライブ映画なんだぞ!勘違いするな!思わずそう叫びたくなりました。
それにしても彼らの周囲の観客はどれだけ迷惑だった事か、想像に難くありません。
余談ですが、ストーンズのライブ映画では、ハル・アシュビー監督の「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」が私は同じくらい好きです。
学生の時、何回映画館へ通ったことか・・・。

ちょっぴりつらいひと言

2012.10.11

毎年恒例の「長野の酒メッセ」が今年も開催されます。
今年で実に18回目。
長野県のほぼ全蔵元が一同に会し、各蔵自慢のお酒をお客様に振る舞います。

日 時:10月18日(木)14:00~20:00
場 所:ホテル メトロポリタン長野(長野駅前)
入場料:1,500円(割引券で500円引き。当社にもあり)

ちなみに弊社も、悩んだ末に選んだラインナップを携えて皆様をお待ちしております。

さて、そんな「長野の酒メッセ」ですが、当日イベントも大詰めに差し掛かり、お客様の中にもかなりお酒が回り始めた頃、ブースに来られたお客様が発するお言葉で実はちょっとつらいひと言があります。

「何でもいいからちょうだい!」

これ、結構ヘコむんです。
大抵はかなり酩酊されたお客様がおっしゃるお言葉ではあるのですが。

もちろんお客様に他意はありませんし、歩くのも困難な程に混み合った会場で一杯でも多く飲みたいというお気持ちもよく分かります。

でも我々蔵元の立場で言わせて頂くと、自社のお酒ひいては日本酒の素晴らしさを分かって頂こうと、お注ぎする一杯一杯が真剣勝負です。
目の前のそれぞれのお酒の個性を楽しんで頂きたくて、全身全霊を傾けてお客様にご説明し、楽しんで頂いております。
そしてお客様から頂いたご感想やご指摘や、時には厳しいご意見も併せて、それが我々の血となり肉となっています。

そんな中で「何でもいいからちょうだい!」というリクエストは、裏を返せば、別にお前のところの酒でなくてもいいんだぞと言われている気がして、ちょっとだけ心が折れるのです。

すみません、今日はあえて僭越な事を言わせて頂きました。
だからって気負わないで下さいね。
フラリとブースに立ち寄って頂いて「これ下さい」と言って頂ければ、心を込めてお酒をお注ぎ致しますので。

ちなみにこの日の特別セミナー(13:00~)は、居酒屋ライターでお馴染みの太田和彦氏。
私もこっそり抜けて聴きたいくらいです。

喫茶店天国

2012.10.04

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飛騨高山へ妻と行って参りました。
我々にとって高山は初めての訪問です。

私は知らない街をブラブラと散策するのが大好きなので、この日もホテルに荷物を置くやいなや部屋を飛び出し、小雨がそぼ降る高山の街をふたりで当てもなく歩き回りました。

それにしても高山は素晴らしいところですね。
古い町並みがしっかりと残されていて、そしてその良き景観と雰囲気とを残そうとする地元の方の気概がしっかりと伝わってきます。
入る店もすべて個性があり、買い物下手な私がついつい長居をしてしまうほどの居心地のよさでした。

そしてもうひとつ、特筆すべきは高山の街の喫茶店の多さです。
喫茶店フェチの私としては、これはもう感動モノでした。
まさに「道を歩けば喫茶店に当たる」状態。

そんな中で私と妻が選んだ1軒が写真の「レンガ」。
その趣(おもむき)のある外観は、お店に入ってもそのままでした。

入口のカウンターの奥にはレトロ感漂う小洒落たテーブルセットが並び、そして片隅にはさり気なく置かれた一時代前のコーヒーミル。
古き良き喫茶店の形がそのまま残っており、許可を頂いて写真を撮りまくってしまいました。

飲み物を頼んだあとは、オーナーの妙齢の女性としばし歓談。
彼女がこのお店をオープンしてから今日に至るまでの変遷を楽しい口調で語ってくれて、思わず時が経つのを忘れてしまうほどでした。

ちなみに翌朝、有名な朝市に出掛けてみたのですが、道中どの喫茶店も朝の7時から店を開けていて、思わず片っ端から入りたい衝動に駆られました。
まさに喫茶店天国。

夜の飛騨牛での夕食も含め、高山を満喫した初秋の訪問でした。

あ、うんの呼吸

2012.09.29

先日、馴染みの海鮮処で一杯飲もうとひとり暖簾をくぐったところ、カウンターの数席を除いて店内は満席で大賑わい。
2階のお座敷も大入りの様子で、8時半過ぎだというのに宴席のお客様が次から次へと入ってきます。

私はとりあえずカウンターの片隅に腰を落ち着けてお燗を注文しました(私は夏でもお燗大好きなのです)。

さて、肴は何を頼もうかとメニューを見ている間にも、他のお客様からのオーダーが引っ切りなしに入り、団体のお客様の料理とも重なって、つけ場に立つご主人も厨房の中もまさに戦争状態。
私は一旦メニューを置いて、ご主人の慌ただしさが一段落するまでお酒をちびちびやりながら、ゆっくり待つ事にしました。

それでも慌ただしさは一向に収まりません。
今日はこの徳利を一本飲んだら帰ろう、それが私がご主人に対して出来る気遣いだから、そう思っているところに、唐突に頼んでいない「子持ち鮎の塩焼き」が運ばれてきました。
思わずご主人を見ると、笑顔で「食べて」とだけ告げて、また黙々と包丁とまな板に目を戻します。

小一時間経ち、ようやく店内が落ち着いてきたところで、私はお寿司をつまんで大満足、お支払いを済ませようとしたところ、ご主人がつけ場から出てきました。
「子持ち鮎は私から。いい鮎が入ってさ。それに和田さん、俺の手が空くのを待っていてくれるの分かってたからさ、これは何が何でも食べてもらわなきゃと思って」

ああ、やっぱり分かっていて下さったんだなと、思わず嬉しさが込み上げてきました。
こんな「あ、うん」の呼吸も馴染みのお店ならではの醍醐味と、帰り道ひとり噛み締めた、そんな心地よい夜でした。

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