お待たせしております。
「和田龍 純米しぼりたて生原酒」、おかげ様で無事搾れました。
来週早々に発売予定です。
出荷準備が出来次第、改めて詳細をアップ致します。
今しばらくお待ち下さい。
お問い合わせ頂いた皆様、本当にありがとうございます。
記事一覧
「しぼりたて生原酒」ご報告
人という財産
新酒が詰まったら味を利いて頂きたい酒販店さん・料飲店さんを列挙したメモが目の前にあります。
昨日書き記したものです。
それらのお店の名前を眺めていたら、不覚にもこみ上げて来るものがありました。
これらのお店、そして経営者の皆さんは、まさに私の蔵元人生の歴史そのものです。
どん底の時、苦しい時、このメモに書いた皆さんにどれだけ助けられ、そして勇気と元気を頂いたことか。
それも決して甘い誉め言葉とかではなく、あえて厳しい叱咤激励をその都度頂いてきました。
「今の和田からはお酒は取れないよ。でもここから一歩踏み出せたら、たとえそのお酒が100点満点でなくても、その時は必ず取るから頑張れよ」
そうやって背中を押され、歯を食いしばった時もあります。
あるいは厳しい評価を頂いたあと、そこで終わりでなく、自分が知っている事はすべて教えるからと1年間ずっと励まされ、その結果初取引に繋がった方もおひとりではありません。
お伺いするたびにたくさんのヒントを頂き、それをひとつずつ形にしていく事で売れる喜びを教えて頂いた方は「登水」を生み出すきっかけも与えて下さいました。
また、存在は以前から知っていて、どうしてもその方とお知り合いになりたくて私から押し掛け、腹を割って会話を交わしたその日から私を支え続けて下さる方は、今も折に触れ励ましのお言葉を頂きます。
さらには、お前のお酒を取りたいからとご連絡を頂き、直接お目に掛かってお話しする事でむしろ私がその方に惚れ込み、逆に私が日々支えて頂きながら今に至る皆さんがいらっしゃいます。
共通するのは、どの方も厳しさと優しさとを併せ持つ、お酒に関わる同士として、そしてそれ以上に人間として魅力に溢れた方々ばかりだという事です。
そして言うまでもなく、そんな皆さんは私にとって大きな財産です。
これからもお酒を通して、このような素晴らしい方々とひとりでも多く知り合えるべく頑張っていきたいと思います。
新酒の第一弾「和田龍 純米しぼりたて生原酒」、間もなく発売です。
新酒のご報告
新年度の「和田龍 純米しぼりたて生原酒」新酒、順調に行くと12月20日前後には発売を開始できそうです。
詳細が決まりましたらアップ致します。
今しばらくお待ち下さい。
「哲ねこ七つの冒険」
いつも一家でお付き合いさせて頂いているご近所のKさんファミリー。
お嬢様のAさんが息子と同じ高校の1年生です。
そのAさんが大の本好き。
読書量と速度は大人顔負け、驚くべきものがあります。
しばらく前には、私が読了したばかりの古典ミステリーの傑作、サラ・ウォーターズの「半身」を渡したところ瞬時にして読み終えてくれたり、私が薦めた開高健をすぐに図書館で探し当ててくれたりと、本を通じての楽しいキャッチボールを楽しむ毎回です。
そんなAさんが小さい頃から思い入れのある一冊として挙げたのが「哲ねこ七つの冒険」(飯野真澄著)でした。
早速彼女から借り受け、児童文学としては異例の400ページ超というぶ厚い一冊を読み始めました。
主人公の女の子とお母さんが旅先の黒姫高原で迷い込んだ不思議なねこたちの世界。
そこでは哲学を語るねこ、すなわち哲ねこたちが、ふたりを素敵な哲学の冒険の世界に誘います。
いやあ、面白かったです。
児童文学という枠を越えて、女の子とお母さんが成長していく姿に胸躍らせ、最後は思わずホロリとしてしまいました。
七つの冒険で出てくる哲学者のパロディも秀逸で、アリストテレスから始まって、途中ハイデガーまで登場した時は驚きで思わずのけぞってしまいました(笑)。
昨夜その本をAさんに返却したのですが、その際せっかくだから私からも何か本をプレゼントしようと、悩むことしばし。
同好の士へ贈り物を選ぶ時間は、まさに至福のひとときです。
迷った末に選んだのは「武士道シックスティーン」「武士道セブンテイーン」「武士道エイティーン」(誉田哲也著)の3部作。
刑事小説を専門にしていた筆者が初めて手掛けた青春小説で、最後のページを閉じた瞬間、不覚にも私は泣いてしまいました。
映画化された時も真っ先に観に行きましたし、私の大のお気に入りのシリーズです。
Aさんにも気に入って頂けると嬉しいな。
素敵な人と素敵な酒
素敵なお酒を手に入れました。
「郷乃誉 純米吟醸 超辛口 雷神ひやおろし」(須藤本家/茨城県)。
「郷乃誉」はずっと前から大好きで、上田市から車で約1時間ほどの須坂市の丸本酒店さんを訪問しては、敬愛する店主の水本さんからその魅力を語って頂きながら、今もいろいろな種類を購入して飲んでいます。
10年以上前に飲んだ同社の「山川草木」、このお酒は2000年前の古代米を蔵元が再現して仕込んだお酒ですが、当時の価格で20,000円(現在は40,000円!)という破格の値段ではありましたが、仲間7名で共同購入してその魅力を堪能したことを昨日のように思い出します。
そして今回の「雷神ひやおろし」、こちらも極めて入手困難な希少酒ではありますが、このたび縁あってお知り合いになった酒販店の社長さんからご好意で1本お分け頂いたものです。
「郷乃誉」の魅力は何といっても味わいのバランスの見事さ。
この「雷神ひやおろし」もその例に漏れず、熟成からくる柔らかさ、膨らみ、透明感、シャープな酸・・・それらの絶妙なハーモニーを心ゆくまで味わいました。
このお酒をお分け頂いた酒販店の社長さんとは、それまで全く面識がなかったにも係わらず、何度か話すうちにすっかり打ち解けて、今や旧知のごとく大切な存在のおひとりとなっています。
その社長さんが大切に扱われている「雷神ひやおろし」、他にもたくさんのお客様が待っていらっしゃるであろう中であえて1本お譲り頂いた、その社長さんの心意気も噛み締めながら、ゆっくりとそして存分に楽しませて頂きました。
今日もまた酒が人を繋いでいます。
素敵な人、そして素敵な酒との出会いに感謝です。