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旅チャンネルの愉楽

2013.07.12

夜帰宅すると、妻がテレビでBGM代わりに着けているのはBSの旅チャンネルです。
家事をしながら、見るとはなしに見るには最適なチャンネルなのだそうです。

そして私が食卓に座っていざ晩酌という時に、タイミングよく流れる番組が居酒屋紀行です。

先日も居酒屋評論家の太田和彦が東京の名店を訪ねるというテーマで、その店自慢の酒肴でお酒を飲んでいるシーンが延々と流れているのですからたまりません。
しかもその時の一軒が、いつか私も行ってみたいと思っていた湯島の「シンスケ」。
画面では、太田和彦が鮪のぬたを味わいながら杯を傾けています。
こういう映像を眺めながら飲む酒の何と旨いことか。

私は基本的に夜の晩酌は自社以外のお酒を飲むことにしています。
そしてその時私が飲んでいたのが、四合瓶で4,000円近くする茨城の某蔵元の生酛の純米吟醸酒。
それをチビチビ飲むはずが、テレビ画面の雰囲気につられて、気が付くとあっという間に1本空いておりました。
もったいないけれど至福のひとときです。

そして冷蔵庫からもう1本、次は長野県内の蔵元の純米酒を空けて、ぐびぐび。
目が覚めるとソファの上で大の字で寝ている自分に気付き、いそいそと寝室に向かう、そんな日は先日に限らず毎日です。
懲りません。
そしてテレビの画面は、いつ変えたのか分かりませんが、なぜか将棋チャンネルが流れている事が多い今日この頃です。

hide MUSEUM

2013.07.04

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写真上:横須賀の「hide MUSEUM」のチケットとパンフレット
写真下:hideのショップで限定で売られたケーキ「サイコベアー」と「イエローハート」(もちろん買ってきました)


今は亡きhideが生まれ育った横須賀で2000年~2005年まで開館していた「hide MUSEUM」が、場所を変えてダイバーシティで1ヶ月限定でオープンしています。
行きたくて行きたくて、考えるだけで胸が高鳴る自分がいます。

hideが大好きでした。
彼の歌も、ライブでのパフォーマンスも、そして生き方も、ひとりのロックミュージシャンとして、そしてひとりの男性として憧れていました。

そしてそんな彼の死を新聞で知った15年前の5月2日の朝の、あの時のショックは今も忘れません。

横須賀の「hide MUSEUM」には2度行きました。

特に2度目の、雨のそぼ降る3月に行った時は、天候もたたってか館内はガラガラ。
ライブハウスも兼ねる館内のレストランのテーブルにたったひとりの客としてポツンと座った私は、目の前のスクリーンに流れる「ROCKET DIVE」はじめ数々の名曲のメイキング映像を眺めながら、周りに客がいないことを幸いに、辺りはばかることなく大粒の涙を流し続けたのでした。

以前このブログでも書きましたが、私や妻の影響を受けてhideの大ファンとなった娘とともに(リアルタイムのhideを見せてあげたかった・・・)三浦霊園までhideのお墓参りに行った際、お墓掃除に訪れた中年の女性からもらったワインレッド色のhideのタオル、実はそのタオルはhideのお母さんだけが持っているものだと翌日知って驚愕したものでした。

そして妻や娘は今でもhideの追悼ライブやX-JAPAPNのライブに駆けつけたり(次はいつになるのでしょうか?)、また私も新宿や原宿を訪ねた際にはついついhideのLEMONed SHOPを覗いたりと、今もなおhideを追い掛け続けています。
hideは今も心の中にいます。

深夜のバスマット

2013.06.27

先日東京出張の折、品川のグランドプリンスホテル高輪に泊まりました。
ここ数年サービスの上昇著しい大好きなホテルのひとつです。

夜は親しいお店でしこたま飲んで、ホテルに戻ってきたのは深夜12時過ぎ。
そのままシャワーを浴びて、さて上がろうかという時にふと目に留まったのが足元のバスマット。
未使用なのに、クリーニングしても落ちなかったのでしょう、大きなシミが広範囲に付いています。

いくらクリーニング済みとはいえそこには足を乗せる気にならず、仕方なくタオルで足を拭いて、ちょっと悩んだ末にルーム係に電話をしました。
悩んだというのは、翌朝は早々にチェックアウトするため、ここでバスマットを交換してもらっても結局は使わないかもしれないし、ならば黙っていても良いのではという思いが働いたからです。

でも、近年のこのホテルの優れたホスピタリティに甘えて、あえて電話をし事情を話したところ、すぐに係の男性が交換に訪れてくれました。

驚いたのは翌朝のチェックアウトの時です。
カウンターに向かいフロントの女性とあいさつを交わした時、うしろから声を掛けられたのは馴染みのマネージャーでした。
彼はまっすぐに私の目を見て、「昨夜はバスマットの件で失礼があって申し訳ありませんでした」と真っ先にお詫びを述べました。

その言葉に感激したのももちろんですが、数時間前の深夜の出来事がしっかりとフロントにまで伝わっていたその姿勢に心打たれました。
しかも彼は前々回宿泊した時の小さなミスにも触れ、「重ね重ね本当に申し訳ございません」と再度深々と頭を下げてくれたのです。

思わず私は「今回のバスマットの件は仕方がない事ですし、大切なのはそのミスをどうフォローされるかだと思いますので、今回のご対応は大変感動致しました」と伝えました。

その後もチェックアウトが終わるまでマネージャーは後ろで待機していて、最後まで私を見送って下さいました。
私もいつも以上の思いを込めて「またお伺いします」と声を掛けホテルをあとにした、心地よい朝のひとときでした。

「テアトル東京」の思い出

2013.06.20

今、上田のTOHOシネマズで「エイリアン」と「エイリアン2」のデジタル・リマスター版が上映されています。
観に行きたくて仕方がないのですが、夜1回だけの上映という事もあって、なかなか時間が取れません。

そんな大好きな「エイリアン」を初めて観たのは中学生の時でした。
観た映画館は、東京京橋の今はなき「テアトル東京」。
親友とふたりで、映画をハシゴするためだけにわざわざ東京まで出向いた時のお目当ての1本でした。

「テアトル東京」といえば知る人ぞ知る「シネラマ」の聖地でした。
3台の映写機から同時に、湾曲した超特大のスクリーンに映し出される映像のその立体感たるやすごく、「エイリアン」でも70mmフイルムから流れるその圧倒的な迫力にひたすら興奮したあの瞬間は今でも忘れません。

テアトル東京といえば、映画館に指定席を導入した先駆けでもありました。
当時の映画館の入場料は確か大人が1300円、そしてテアトル東京の指定席はS席が2500円、A席が2200円と、かなり高かった事を記憶しています。

ただし抜け技がありました。
初回の上映だけは指定席も全席自由席として開放されたのです。

その時座ったS席に当たる2階の最前列は、椅子に上品なブルーのカバーが掛かっており、しかも驚くことにリクライニングまで利いて、何ともいえない優越感に浸ったものです。

ちなみに「スターウォーズ」を初めて観たのもこの「テアトル東京」でした。
観たくて観たくて、でもここで観ようと我慢してようやくたどり着いた「テアトル東京」。
ここまで来た努力は身を結び、上映中ひたすら狂喜乱舞したあの2時間は、私も後に「スターウォーズ」フリークの一員となる第一歩となったのでした。

そういえば初めて「テアトル東京」に足を運んだ時、その時は「世界が燃えつきる日」というSF映画を観たのですが(超駄作でした)、本編の前にニュースが上映されて驚いたものです。
あとから聞いたら、このニュース上映が当時の「テアトル東京」の名物のひとつとの事でした。

ちなみに、ここでパンフレットを買うと表紙に「テアトル東京」の文字が入っており、これらのパンフレットは今も大切にしまってあります。

そんなテアトル東京も、私が高校生の時、マイケル・チミノ監督「天国の門」で多くの映画ファンに惜しまれながらその歴史に幕を閉じました。

今あえてシネラマを再開したら受けると思うんですけど。
どこかがやってくれないかなぁ。

岩牡蠣の季節

2013.06.16

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大のお気に入りの日本酒専門居酒屋へ行きました。

お目当ては若旦那お任せの地酒の数々と、このお店名物の牡蠣。
そして牡蠣といえば、これからはいよいよ岩牡蠣の季節。

この日もズラリと並んだ産地別の牡蠣のメニューを眺めていると、「これを食べてみて。絶対お薦め」と若旦那に指を指されたのが、三重県伊勢志摩産の岩牡蠣。

「すごく大きいから。それでもまだ食べられるようだったら次に行って」と言われ、期待に胸膨らませて待つことしばし。
で、出てきたのが、見た瞬間思わず声が出てしまった、写真の特大岩牡蠣でした。

手のひらほどもある、あまりに大ぶりの一品。
大きさが分かるようにレモンスライスを並べてみました。

味は芳醇、そして濃厚。
口の中いっぱいに広がる磯の香りを銘酒「風の森」で洗い流し、そしてたまらずまたもうひと口。
いつもだったらひと口でスルリと食べ切ってしまう牡蠣も、この日ばかりは何回も牡蠣に噛り付く始末。
ようやく食べ切った時は、若旦那がおっしゃる通り、たった一個の牡蠣でいつもの何倍もお腹が膨れておりました。

しかし、やっぱりそれでは終わらない。
この日はたまたま隣に居合わせた、日頃からお世話になっている知人と楽しい会話に花を咲かせながら、追加の焼き牡蠣、そして新玉ねぎや鮎といった季節の酒肴とともに、日本酒の杯を重ねたのでした。

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