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信州カンパイFES2014

2014.09.13

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「信州の地酒で同日同時刻にカンパイしよう!」

毎年恒例の「カンパイFES」が今年も開催されました。

9月12日午後6時30分。
NTTの時報に合わせて、長野県内一斉にカンパイ!

今年は信州地酒に加えて、成長著しい信州産ワインでのカンパイもOKとなりました。

その時私は、公募によって今年の本部会場に選ばれた上田市菅平高原「四季の宿まさき」さんにおりました。

ここには主催の「長野県小売酒販連合会青年協議会」の宮島国彦会長はじめスタッフの酒販店の皆さん、そしてこれまで数年にわたり「カンパイFES」運営に関わってきた蔵元の皆さんが集まりました。

カンパイ直後、すぐさま事前登録頂いた飲食店さんから、次々にカンパイして頂いた人数が入ってきます。

午後8時。
集計結果発表。
2,912人!
これだけの方が一斉に信州地酒を飲んで下さいました。
感謝です。

集計作業が一段落したあとは、改めて全員でお祝いのカンパイ!
夜が更けるのも忘れて、ひたすら飲み楽しく語り合った一晩でした。

宮島会長はじめ会員の皆さんのご尽力で、この「カンパイFES」は他県にも広がりつつあります。

ビールもいいけど、今宵は地酒でカンパイ!

山同敦子さん講演会

2014.09.05

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長野県酒造組合青年部に当たる「若葉会」総会が開催され、その中で日本酒ジャーナリストの山同(さんどう)敦子さんの講演会がありました。

山同さんは日本酒に関わる多くの著書を執筆され、また食の雑誌「Dancyu」でも長年日本酒の特集記事に携わられるなど、お酒の分野で幅広いご活躍をされています。
また、長野県独自の「原産地呼称管理制度」では、日本酒と焼酎の官能審査委員を務められるなど、長野県とは大変結び付きが強い方です。

講演会に先立って、山同さんから各蔵にアンケートが送られてきたのですが、これが悩む設問ばかり。

ピックアップしてみます。

・長野の日本酒イメージを色で表すと?
・長野の日本酒の特徴を手短かに表現すると?
・他府県の日本酒に、これだけは負けないという長野のセールスポイントは?逆にウイークポイントは?
・ライバルとして意識する県とその理由
・目標とする県とその理由
・長野県の日本酒の課題と展望を自由に記述してください。
・原料米について考えること。
・長野県の中で、そして全国で、一番意識する蔵とその理由。
・日本酒業界の現在・未来について自由に記述してください。
 etc・・・

思わず真剣に取り組んでしまい、回答を書き終えた時はゆうに1時間を越えておりました。

そして昨日。
山同さんが作成したアンケート結果とそれに対するご自身の分析とを元に、講演が始まりました。

まず、長野県の日本酒のイメージカラー。
山々や清冽な水をイメージした「緑」や「水色」が過半数を占めました。
私が書いた「旨みがたっぷり乗って輝いている黄金色」は2名だけ。

続いて「長野県人ってどんな性格?」では、

・理屈っぽくて議論好きだが、意見はまとまらず、行動に移さない。
・職人気質で、地元愛に溢れ、生真面目に仕事をするが、内弁慶で商売っ気がない。

との事で、当たっているだけに苦笑です。

山同さんのエピソードが面白かった。
曰く、他の県の蔵元は、訪問すると必ずその晩や翌日に酒宴を設営してくれるのだが、長野県はそれが一切ない。
私は嫌われているのかと悩みましたが、アンケートを見て、それが控え目で照れ性の県民性から来ることが分かりホッとしました(笑)。

その他にも「県内のライバル蔵」「全国で感動・刺激を受けた蔵」が次々に列挙され、それぞれの蔵に対する山同さんの愛情に満ちた丁寧な説明が添えられます。

終わってみれば山同さんの、長野県の全蔵元への思い溢れるエールともいうべき講演会となっており、誰もが心地よく前向きな思いで席を立ったのでした。

さて、そのあとの懇親会に続いて、二次会もいよいよお開き。

お店の外で、それまで山同さんご本人にお近付きできなかった事もあり、この時初めて名刺交換。

遅れてのご挨拶を詫びる気持ちで「私ごときが名刺交換なぞおこがましくて」と言った途端、「それが内弁慶で長野県人だって言うのよ!」と豪快に笑う山同さん。

一本取られました。

「落語力」

2014.08.30

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本関連の話題が続きます。

素敵な一冊が発刊されました。

立川談慶「落語力」。

ひとこと、めっぽう面白いです。

立川談慶は信州上田に生まれました。
慶応義塾大学卒業後、女性下着で有名なワコールに就職しましたが、落語家の夢断ちがたく立川談志に入門。
ちなみに前座時代の名前は「立川ワコール」でした。

立川談志の愛情と理不尽さにもまれながら真打へと登りつめていく様子は、前作「大事なことはすべて立川談志に教わった」に詳しく書かれていますが、こちらは涙に濡れそぼった一冊でした。

打って変わって今回の「落語力」は、談慶がワコール就職~前座・二つ目の下積み時代を振り返りながら、無駄と思うことこそが実は大事なんだという切なる思いを、落語のネタにシンクロさせながら綴った、勇気と元気とをもらえる一冊です。

とはいってもそこは立川流の面目躍如。
文章のそこここで爆笑の嵐となること請け合いです。

事実私は読んでいたスターバックスで、本当にアイスコーヒーを吹き出してしまいました。

理不尽さに苦しみもがいた前座時代があるから今の自分がある、前座時代を経験しない者は信用しない、そう公言する談慶が腹の底から搾り出す言葉だからこそ、大きな説得力を持って読む者の心を揺さぶります。

一気読み間違いなしの本書、お薦めです。

熊野大学

2014.08.22

夏というと「熊野大学」を思い出します。

今まだ「熊野大学」は続いているのだろうかと検索してみたところ、ちゃんとホームページがあるのですね。
そして今年もしっかりと開講されていることを知って嬉しく思いました。

「熊野大学」ホームページから抜粋します。


「熊野大学」は和歌山県新宮市出身の芥川賞作家・故中上健次氏によって1990年に設立されました。

「試験もない、校舎もない、校則もない」「だれでもいつでも入学でき、卒業は死ぬとき」という、そこに集うひとりひとりの志(こころざし)によって成り立つという全く尊い学校なのです。

中上氏は、氏の構想した「熊野学」の拠点とすべく「熊野大学」を設立されたのですが、惜しくも1992年夏46歳の若さで他界され、その後は氏の遺志を受け継いだ有志が中心となって活動を続けて現在に至っています。

毎年恒例の夏期特別セミナーは、渡部直己氏や高澤秀次氏にコーディネートいただき、 柄谷行人氏や浅田彰氏をはじめとする著名な評論家、作家、文化人等を ゲストに招いて開催されています。

(以上、ホームページより)


学生時代、この「熊野大学」に参加するためにどれだけ真夏の紀伊半島の新宮へ行きたかったことか。

そしてその数年後、中上の逝去の知らせを受けて、どれだけ悲しかったことか。

しかし中上健次の遺志は30年以上経った今も熊野の地でしっかりと受け継がれていました。

ちなみに今年8月8日~10日に開講された「熊野大学」は、同じく新宮が生んだ文学者「佐藤春夫没後50周年記念事業」と銘打って、「文学と女性性 ~佐藤春夫と中上健次をめぐって~」 というテーマで開催されました。

講師も以下の通り、そうそうたる面々です。(ホームページより抜粋)

大林宣彦、辻本雄一、松浦理英子、斎藤環、藤野可織、村田沙耶香、和賀正樹、中上紀、黒田征太郎(特別参加)、中村達也(特別参加)

上田から鉄道を使って最短でも約7時間の紀伊半島、新宮市。
遠いです。
でも、いつかまた中上健次の息吹をじかに感じるために、この地を訪問できる日を心待ちにしている自分がいます。

「美食の報酬」

2014.08.15

お盆前の怒涛の忙しさが一段落して、弊社は本日15日~17日までお休みを頂いております。
そんな静かな会社の事務所でこの文章を打っています。

このブログにもたびたび登場する私の友人、官能小説家の深志美由紀(みゆき・みゆき)がこのたび新刊を出しました。

「美食の報酬」(講談社文庫)。

数日前のアマゾンでは、何と売り上げが講談社文庫内でいきなり75位。
はっきり言って売れてます。

早速今日、上田の書店に買いに行きました。
が、置いてありませんでした。
近々東京へ行った折に書店で買い求めようと思います。

私は毎月かなり本は買うほうですが、基本的に本は今でもネットではなく書店で購入します。
これまでにネットで本を買ったのは数えるほどです。

思い出深いのは、学生時代に買って読んでは捨てを繰り返し、結局手元に残らなかった中上健次の「破壊せよとアイラーは言った」。
文庫ですが、探し続けてネットの古本屋さんでようやく見つけた時の嬉しさといったら。
定価の3倍ほどしましたが、それでも送料と併せて2,000円ほど。
安い買い物です。

私があえて書店で本を買う理由はふたつ。

ひとつは書店の空間が大好きだから。
たくさんの本に囲まれながら目的の1冊を探すひとときは至福の時間です。

そしてもうひとつは少しでも書店に儲けてもらいたいから。
古本リサイクルショップで本を買っても、作者に印税は1円も入らないそうです。
そしてネット社会で書店がどんどん駆逐されていく今、書店ひいては作家を守りたいのです。
カッコ良過ぎますかね。

さて、深志美由紀。

デビュー作で団鬼六優秀賞受賞作の「花鳥籠」は昨年秋映画化され、テレビではエンタメ~テレ「女の秘蜜 妄想ノススメ」でレギュラー出演し、本業の執筆でも脂が乗り切っている彼女。
新作ではどのような深志美由紀ワールドが展開されるのか、今から待ち遠しくて仕方ありません。

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