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座右の書

2015.04.04

作家西村賢太。
彼の日々の生活を綴った「一私小説書きの日常」シリーズを読んでいると、彼が敬愛する藤澤清造や横溝正史の作品を繰り返しひも解く場面に出くわします。

何度読んでも読み飽きない、自分にとって片時も離せない一冊というのは確かにあります。

私にとってはそれが中上健次の「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」3部作や「ゴッドファーザー」だったりします。

中上健次は破壊衝動にむせ返る「十九歳の地図」「灰色のコカコーラ」といった初期の作品から、それが濃密に昇華された当該3部作、そしてより円熟味を増した後期の作品まで、どれを取っても珠玉の一冊だと思っています。

中でも、学生の頃に激しく読み込んで衝撃を受けた「岬」「枯木灘」「地の果て至上の時」のいわゆる竹原秋幸3部作は、今も常に携帯する一冊になっています。
文庫版はそれぞれが茶褐色に変色してぼろぼろですが、それがまた愛しく感じられます。

そういえば中上の故郷、和歌山県新宮市にある中上健次資料収集室を訪ねた際、館長さんとお話しする中で館長さんの一冊をお伺いしたところ、「奇蹟」との回答が帰ってきました。
それからは「奇蹟」も手放せない一冊です。

ところで西村賢太。
冒頭の随筆によると、ほぼ毎日、まずは夜の入りしなに外食にて、時には主食2品を超えて平らげ、それから執筆。
「夜更」(西村賢太)のあと明け方に寝る直前に、これまた何人前もの酒肴と宝焼酎・黄桜辛口一献を嗜み、さらに締めの淡水化物を堪能して満腹で睡眠、この繰り返しです。
それを正直に語る私小説家ならではの彼の姿勢も含め、このシリーズは驚嘆の連続です。
それと、憧れのビートたけしと初めて会ったその日に思いも掛けず酒席をともにする、夢のひとときを綴った一文は必読です。

上田城 千本桜まつり

2015.03.28

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東京ではもう桜が開花しているとか。
信州はひと足遅れて4月に桜の季節が訪れます。

真田幸村公のお膝元、我が上田城跡公園も長野県屈指の桜の名所。
今年も「上田城千本桜まつり」が4月8日(水)~19日(日)で開催されます。

この期間、見渡す限りの桜に囲まれて、公園内ではさまざまなイベントが行なわれます。
そして地元の特産品も数多く出店し、もちろん上田酒造協会も全蔵元が試飲販売しております。

もしお時間があれば、上田城跡公園から歩いて10分ほどの弊社でも試飲は大歓迎なのでお立ち寄り下さい。

そして今月、弊社のすぐ近くに、私が上田で最も好きな蕎麦屋さんのひとつが移転オープン致しました。

「くろつぼ」(写真2枚目~4枚目)。

蕎麦が美味しいのはもちろんですが、ここは酒肴も極めて秀逸な一軒です。
もちろん地酒のメニューも豊富です。

私は移転オープン2日目に飛び込んだのですが、以前は電車かタクシーで通っていたこの味が徒歩数分で楽しめると思うと嬉しい限りです。

3月は昼だけの営業ですが、夜営業も少しずつ増やされていくとの事です。
楽しみ~。

「山田錦」発売開始

2015.03.23

「和田龍登水(とすい)」第二弾、「山田錦」の発売を開始します。

先に発売した「ひとごこち」と同様に、目指したテーマは「ふくらみと透明感とキレ」。

芳醇な旨みが口の中でふわりと踊り、清涼感とともにスッと喉を通ります。

こちらも搾ったあと一切手を加えずに瓶詰めした「無濾過生原酒」です。

販売店様については遠慮なくお問い合わせ下さい。

日本酒三昧

2015.03.18

昨夜はお世話になっている蔵元3名、地酒専門店のご主人1名、そして私の計5名で、「これからも日本酒を盛り上げていこう!」と銘打っての宴会でした。

豊富な日本酒のメニューから、5人がそれぞれ好きな銘柄を片っ端から注文。
それに伴い食事のメニューも次々に追加。
和食から洋食へと、とどまることを知りません。

ちなみに日本酒って洋食や中華、エスニックにも合うんです。
日本酒と料理の相性の許容範囲は驚くほど広くて、この日も締めはみんなでスパケッティに芳醇な純米吟醸無濾過生原酒。
お酒が持つ旨みと酸の力強いコラボがサーモンのクリームソースの濃厚さとマッチして、お腹いっぱいのはずなのに次のひと口へと誘(いざな)います。

飲んで食べて語っての数時間。
しかしこれでは終わらない。

2次会は地元の酒関係者御用達の、地酒も豊富なスナックへ。
みんな十八番のカラオケを絶唱しながら(ただし私以外。私は聞き専門です)、ここでも長野の地酒のフルボトルがあっという間にカラになりました。

久々の午前様で時計を見たら午前1時過ぎ。
でもどれだけ飲んでも美味しい日本酒は悪酔いしません。
夜更けの上田の繁華街を千鳥足で帰った、暖かな春の夜でした。

「ひとごこち」発売開始

2015.03.12

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「和田龍登水(とすい)」今年の第一弾、新商品「ひとごこち純米」の発売を開始しました。

「ひとごこち」とは長野県発祥の酒造好適米です。
今回のお酒はこの「ひとごこち」を100%使用し、搾ってから一切手を加えずにそのまま瓶詰めした、いわゆる「無濾過生原酒」です。

「和田龍登水」の一貫したテーマは「ふくらみと透明感とキレ」。
新登場の「ひとこごち」もこの味わいをしっかり表現できたと思っています。

さて、話は変わって。

先日の日曜の夜、東京都内の飲食店、上田市周辺の農産物や味噌や肉の生産者、そして蔵元と酒販店が一同に会し、交流会が開催されました。

発起人は東京の日本酒酒場「日がさ雨がさ」の宮沢さんと、協力を仰がれた上田市の地酒専門店「宮島酒店」の宮島さん。
会場は、やはり地元の食材と地酒をこよなく愛する「四季の宿 まさき」。

約30名が参加したこの交流会は、それぞれが各々の食材やお酒を持ち寄り、まずは自己紹介から宴会開始。
それから先は「まさき」さんのとびっきりの料理に舌鼓を打ちながら、一次会から二次会へと、夜が更けるまで垣根を越えた楽しい語らいが延々と続いたのでした。

明日への活力をまたひとつ頂いた貴重なひとときでした。

写真上 乾杯直後の自己紹介
写真下 参加した蔵元と酒販店一同

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