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チェックインのひととき その2

2011.06.24

3/10の本ブログで「チェックインのひととき」と題して登場した品川区のTPホテル、その快適な滞在の様子を記しましたが、その正体はグランドプリンスホテル高輪です。
今日はその後日談を記します。

実はこのグランドプリンスホテル高輪、東北大震災の影響でその後しばらく休業しておりました。
6月上旬から営業を再開したのですが、その間に一度、私は仕方なく代替で、隣接するグランドプリンスホテル新高輪に宿泊致しました。

同じプリンスホテルで、ましてや同じ敷地内にあるのだからどちらでもいいではないかと思われるかもしれませんが、そこはそれ、やはりいつも慣れ親しんだ空間とスタッフの皆さんに触れ合えない寂しさが募ります。

そんな思いと共に予約した新高輪に、その日チェックインしたのは深夜0時を回った頃でした。
閑散としたフロントで手続きを終えると、とても好感の持てる中国名の女性スタッフから一通の手紙を渡されました。
部屋に入って早速封を開けると、それは高輪でお世話になっているフロントリーダーからの直筆の手紙でした。

これも以前ブログで書いたように、私は直筆の手紙に弱いのですね。
お忙しい中、自分に宛ててペンを走らせて頂いたその方のお気持ちを思うと、それだけで胸に熱いものが流れます。

その手紙には、高輪が休業している事のお詫びと、そしてスタッフ一同再開に向けて頑張っている様子とが丁寧な文字で綴られていました。
そして便箋の一番下には、グランドプリンスホテル高輪自慢のきれいな庭園の写真が貼られていました。
この手紙を読んだだけで、今回あえて新高輪に泊まった価値があったという思いでいっぱいでした。

思いには思いで返そうと、翌朝ホテル備え付けの便箋で、私もそのフロントリーダーへの手紙を直筆でしたためました。
それを持ってチェックアウトの列に並ぶと、昨夜チェックインを担当してくれた女性が目の前でお客様の手続きに追われています。
私は順番を後続に譲り、あえて彼女の前に進み出て、昨夜の心地よい対応のお礼を述べました。
笑顔で言葉を返してくれる彼女に、これをフロントリーダーに渡して欲しいと手紙を差し出すと彼女はハッとした様子で「少々お待ち下さい」とバックヤードに引っ込み、入れ替わりですぐにそのフロントリーダーが姿を見せました。

改めて彼の気持ちにお礼を言い、しばし会話に花を咲かせ、営業再開の際にはお伺いする事を約束してホテルをあとにしました。

そして先日。
約束通り、宿泊のためグランドプリンスホテル高輪を訪ねました。

品川駅からいつもの坂道を登り、途中に庭園内を突っ切る近道はあるのですが、滞在の始まりは正面からといういつもの思いで坂道を登り切り、入口への道のりを歩いていると・・・。

タクシー乗り場前のデスクに立っていた旧知のドアマンの女性が笑顔で私の名前を呼び、「お帰りなさいませ!」という掛け声とともに小走りで駆け寄ってきてくれました。
そして私に先立って入口の自動ドアをくぐり、「和田様ご到着です!」とフロントに引き継ぎます。
フロントの女性も「お帰りなさいませ」と笑顔で応え、その温かな受け答えに私の気持ちも弾みます。

さあ、今日も待ちに待った、心躍る楽しい滞在が始まります。

サイコベアー&イエローハート

2011.05.09

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写真のケーキ、これ何だか分かりますか?(分かった方は相当なマニアです。)

答えはゴールデンウイーク期間限定で発売された、X-JAPANのhideコラボスイーツ。

左が「サイコベアー」。
右が「イエローハート」。
今は亡きhideの代名詞ともなっているキャラクターとシンボルデザイン、それがそのままケーキになりました。

場所は新宿マルイワン1階。
そこにhideのアンテナショップ「LEMONED SHOP新宿店」があるのですが、その斜め向かいのスイーツ・ショップ「パテスリー・スワローテイル」で売ってました。

ゴールデンウイークに所要で上京した際、娘のリクエストに答えて購入したのですが、特にサイコベアー、大きな鼻が何とも可愛いですよね。

ただでさえ混んでいるゴールデンウイークの真っ只中、形を崩さずに東京から上田まで帰るのに、本当にひと苦労でした。

ちなみにおまけで付いていたhideの限定カード、プレミアムはつくかな?

手書きのぬくもり

2011.05.04

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3月に渋谷区のCTホテルに泊まった時の、ささやかですが嬉しい出来事です。

このホテルもまた私がお気に入りの一軒で、特にフロントレセプションチーフのTさんとお知り合いになってからは、その暖かなお心遣いも含めて、利用する楽しみが倍増しています。

さて、この日は東北大地震の直後ということもあって出張そのものを取り止めようかと悩んだのですが、こういう時こそ元気を出して出歩かねばと心にカツを入れ上京し、夕方ホテルにチェックインしました。

いつもそうですが、チェックインの数分間というのは、ホテルを利用するに当たって最も楽しみで、そして心躍るひとときです(それなのにひどい対応に当たって、がっかりしてしまうことが往々にしてあるのですよね)。

そんな訳で今回のチェックインは当たりかハズレか、どきどきわくわくしながらロビーに足を踏み入れ、係に案内されてフロントでひと通りの手続きをしていると、伝達がしっかり出来ているのでしょう、バックヤードから馴染みのTさんがにこやかな笑顔で出て来られました。
これだけでまずは嬉しい出だしです。

お互いに挨拶を交わし、「このような時にようこそお越し下さいました」というTさんの言葉を受けて、「悩みましたが、このような時だからこそしっかりと出歩いて、そしてこのホテルもキャンセルせずに泊まることにしました」と答えました。

その後、いつもリクエストしている新聞もこちらから言い出す前に手渡して頂き(これまた嬉しい瞬間です)、Tさんの「ごゆっくりお過ごし下さい」という言葉を背に部屋へ向かいました。

さて、部屋に入ると、窓のそばのサイドテーブルに何やら小さな箱が置いてあります。
手にとってみると、それはウエルカムデザートのダロワイヨのクッキーでした。
そしてそこに一通の手紙が添えられています。

「和田様」と書かれたその封筒を開けると、中から今回の滞在のお礼の言葉を述べたカードが出てきました。

何より嬉しかったのは、それがTさんの手書きだったという事です。
たったひと言ではありますが、その数行にはTさんが多忙の中を縫ってわざわざ書き記してくれた思いが伝わってきて、クッキーはもちろんですが、それ以上に私にとっては嬉しいサプライズでした。

その手紙の行間には、これまでにも、チェックインの時に挨拶できなかったといってわざわざ朝食会場まで出向いて声を掛けて頂いた事や、ちょっとした記念日に利用した旨をチェックアウトの際に伝えたところ、早く言って頂ければお部屋をアップグレードできましたのにと残念そうに言葉を添えて下さった、そんなTさんの暖かさが滲み出ていました。

そして早速フロントへ電話をしTさんを呼び出して、クッキーのお礼と、そしてそれ以上に手書きの手紙が嬉しかった気持ちを直接伝えました。

本当のサービス、本物のホスピタリティとは、決して物に頼らなくても、その人の気持ちの持ち方ひとつでいかようにも伝わることを改めて学んだ、貴重な時間でした。

惜別の映画館

2011.04.26

4月21日、上田市の中心地に長野県内最大級のショッピングモール「アリオ上田」がオープンしました。

イトーヨーカドーを中核として66の専門店からなるこのショッピングセンターには、8スクリーンからなるシネコン「TOHOシネマズ」も併設されています。
上田市近郊に住む映画ファンには嬉しいニュースです。

しかしその陰で、私が幼い頃から慣れしんできた映画館が3館、その長い歴史に幕を閉じます。
その3つは系列館ですが、どの小屋(あえてそう呼ばせて頂きます)も私の心に残るたくさんの名画をこれまで上映してきました。

ここで初めて観た映画は小学校5年生の時の「タワーリング・インフェルノ」。
同じく今でも大好きな「ポセイドン・アドベンチャー」に続くパニック・スペクタクル映画として父にせがんで連れて行ってもらい、2時間45分の間、大興奮したことを覚えています。

そして高校を卒業して東京へ行くまで、そして20代後半で上田に帰ってきてからも、古くからの味わいを持つこれらの映画館が大好きで、時間が空くと通い詰めました。

子供たちと観に行ったジブリの名作の数々。
あまりの衝撃にしばし席から立てなかった「セブン」。
真冬に暖房が弱くてガタガタ震えながらも心はポカポカと暖かかった竹中直人の「東京日和」。
ゴールデンウイークの真っ只中、たったひとりの観客だった「ロッキー・ザ・ファイナル」・・・。
数えればキリがありません。

そして私がこれらの小屋で最後に観た1本、それは若松孝二監督の「キャタピラー」でした。
奇しくもこの日も観客は私ひとりだけで、この秀作がひっそりと上映されている不幸をひとり嘆いたものでした。

ちなみにこの3館の中で一番大きな映画館(とはいってもわずか300席程ですが)は、200円追加で払うと2階で観ることができました。
ここはいつも貸切状態で、その最前列に座ってノビノビと映画を観るのが常でした。

中学や高校の頃は映画館の前で、上映中のポスターと少ない財布の中身とを見比べながら、意を決して窓口に向かったものでした。
そして身を削った代金と引き換えに、初めてその映画と対等に向かい合える気になりました。
極めて個人的な意見ですが、映画でも本でも、私は身銭を切る事が大切だと思っています。

ちなみに私は今の映画館の、全席指定というシステムが苦手です。
自分が好きなポジションがありますし、館内を見渡しながらうろうろと自分の席を見つけることも映画を楽しむ大切な導入部だと、今でも思っているからです。

余談ですが、若い頃初めて「全席指定」に座ったのは、東京の有楽座での「地獄の黙示録」でした。
S席が2500円、A席が2200円だったと思います。
お金がなかった私はもちろんA席で、そこは2階後方の席でした。

監督のコッポラが「この作品はフイルムオペラである」という考えから、この有楽座で上映されるフイルムだけクレジットなし、しかも結末が違うというスペシャルバージョンでロングランされました。
正直、ラストシーンは難解すぎて当時はさっぱり理解できませんでしたが、それから何度も観返し、今は私のベストテンに入る1本となっています。

閑話休題。
そんな古くからの面影を残す上田の映画館が3つ、間もなく姿を消します。
そして惜別の思いと共に振り返る時、私は「映画を観る」という行為と同じくらい「映画館に通う」という行為が好きだということに、改めて気付かされるのです。

上田映劇、そして上田デンキ館1・2、たくさんの思い出を今までありがとう。

上田城千本桜まつり

2011.04.14

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桜の名所として知られる上田城跡公園は今「上田城千本桜まつり」の真っ只中です。

今年は例年に比べ開花が遅く、おまつりの関係者を冷や冷やさせましたが、数日前からようやく蕾が開いてきて、今日はシダレザクラは満開、ソメイヨシノも5分咲きと、いよいよ見頃を迎えて参りました。

そんな中で私は午前中、公園内の「上田酒造協会」の売店当番を終え、つい今しがた帰ってきたところです。
今日は暖かな陽気も味方して観光客の出足も好調、お土産のお酒もおかげさまで結構売れました。

とはいっても震災の影響で、例年に比べるとお客様の数はまだまだ何分の一か。
市役所観光課がまとめた観光バスの数も激減です。
いつもなら週末ともなれば100台を越える観光バスが全国から訪れるのですが。
自粛ムードの中、23日の日曜日に予定されていた武者行列をはじめとする数々のイベントや幻想的なライトアップもほぼ中止です。

それでも桜は桜です。
上田城跡公園を埋め尽くすように咲く桜の花は見る者の心を和ませ、春の到来を感じさせます。
上田の桜はいよいよ来週ピークを迎えます。

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