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春の軽井沢

2012.03.20

いよいよ春の気配満開の今日この頃。
そんな3月下旬のこの季節が大好きです。

今でこそ電車の窓は開けられなくなりましたが、高校生の頃まではこの時期になると各駅停車の窓を全開にして、顔いっぱいに春の風を浴びるのがこの季節の恒例でした。

長野新幹線が開通してからは私もスピード優先になってしまいがちですが、たまの息抜きで大好きな軽井沢へ行く時はあえて車や新幹線を利用せず、在来線のしなの鉄道(旧信越本線)に揺られていく事が少なくありません。

お気に入りの車窓があるんですよね。
小諸駅から軽井沢駅までの雄大な自然が広がる区間。
左手には目の前に浅間山がそびえ立ち、右手は新緑の木々が延々と続きます。
特に御代田駅と信濃追分駅の間の、線路がきれいなS字カーブに差し掛かるあたりはまさに絶景で、これまでどれだけその景色を目にして楽しんできたか、でもいまだに飽きる事はありません。

しなの鉄道の終点となる軽井沢駅に降り立つと、向かって右側には軽井沢プリンスのアウトレットモールが広がりますが、そこには目をくれずにスルー。
左側のロータリーに降り立ち、旧軽通りに通じる数キロの直線をテクテクと歩いていくのが私の定番です。

同じ道を歩いていても四季おりおりで街の空気や匂いが違っていて、そんな風景を楽しみながら、そしていろいろなお店をチェックしながら最終的に辿り着くのは、旧軽通りの一番奥にある「茜屋珈琲店」。
そこのカウンターで店主の大谷さんと語りながら一杯のコーヒーを味わう瞬間は至福のひとときです。

帰りは旧軽通りで人気を二分するベーカリー「浅野屋」か「フランスベーカリー」でパンをどっさり買い求め、さらに時によっては鶏肉専門店「鳥勝」で目の前で焼かれる「若鶏の丸焼き」を購入。
そして、これは夏限定ですが、このブログにも登場する吉祥寺の「JAP工房」の軽井沢店にあたる「SIN/GUILD UNIT」に顔を出し、店長のYukiさんとしゃべりながら商品をチェックするのもこれまた楽しみのひとつです。

今年私は忙しくてまだ全然行けてないけれど、GWを前にまだまだ人通りが少ない春の軽井沢の街並散策、絶対お薦めです。

YMOにぞっこん

2012.02.14

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何を隠そう、私は小さい頃から熱狂的なYMOファンです。
先日片付けをしていたら、段ボールの片隅からYMOグッズが2点出てきました(写真)。

上の写真はYMOが1983年に「散開」(「解散」ではない)した際、CDのプロモで付いてきたバッジです。
この時の散開ライブは、個人的には後世のテクノ史に名を残す名ライブだと今も思っています。
「散開」ツアーの最終日にあたる日本武道館公演は、何と全員が招待ということで、浪人の身でありながら100枚を超す応募ハガキを発送したのを今でも覚えています(ハズれましたが・・・涙)。

そして下の写真はYMO「散開」から10年後、突如として「再生」(再結成)をした際のキャップです。
当時の「ぴあ」に「YMO再生」のライブ広告を見つけた時はあまりの衝撃でしばし言葉が出ませんでした。
この時の東京ドーム公演はアリーナ前方の良席で見ることができたのですが、相変わらず客に媚びる事のない選曲と演奏に往年のYMOらしさを感じ入りながら、3人のサウンドに心を奪われ続けた1時間半でした。

話はそれますが、以前フジテレビで「カルトQ」というクイズ番組がありました。
その日のテーマに沿った極めてカルトな問題を、これまたカルトな一般解答者が答えていくというものですが、ある日解答者募集のテーマのひとつに「YMO」がありました。
すぐさま応募のハガキを出した私に突然フジテレビから電話が掛かってきたのは、とある平日のグデングデンに酔って帰った夜11時近くでした。

「フジテレビですが、カルトQの予選を行いますので明日フジテレビまで来れますか?」
「は?明日ですか・・・」
酔った頭をフル回転して考えましたが、あまりにも急でどう考えても無理です。
悔しさを押し殺して丁重にお断りをしたのですが、なぜよりによっていきなり明日・・・?
しばらく考えて分かりました。
つまり予習をさせないためなんですね。

出場の機会を逃したあまりの悔しさで、放映の際は私も解答者のつもりで一緒になって答えていたのですが、確か90点だった気が・・・まだまだ勉強不足ですね(それでもこの点数ならマニア度としては高いと密かに自負しておりますが)。
ちなみにこの時の優勝は、元電気グループの砂原良徳がさらっていきました。

そんな訳でYMO、私の中ではまだまだ現役です。
今日も車のカーオーディオではアルバム「BGM」と「テクノデリック」(「京城音楽」のカッコよさといったら)、そして散開ライブアルバム「AFTER SERVICE」が鳴り響いているのでした。

ワイルド7

2011.12.29

発売したばかりの「純米しぼりたて生原酒」、おかげ様で大変ご好評を頂いております。
あとくちにまだ若干固さが残るかもしれませんが、これもまた新酒の醍醐味です。
この固さは日が経つにつれて目に見えるように柔らかくなっていきますので、そんな変化もお楽しみ頂ければと思います。
お正月、おせち料理は総じて強めの味付けですので、この「生原酒」のフレッシュ感、力強さとピッタリ合うこと請け合いです。

さて話は変わって先日の夜、無理やり時間を作って映画を観てきました。
「ワイルド7」。
まさか今になってこの作品が映画で観られるとは思わなかった!
初めてコマーシャルを見た時は驚きと感動とでしばし画面に釘付けになったほどでした。

この「ワイルド7」、原作は私が小中学生時代に「少年キング」で連載していた漫画で、私の歴代の漫画ランキングでベスト3に入る、まさに大・大・大好きな一作なのです。
当時はテレビドラマ化されて、その主題歌は今でも空で口ずさめます。

世の中の凶悪犯罪に立ち向かうために警察が極秘裏に組織した「ワイルド7」の7名。
そんな彼らも実は過去様々な犯罪に手を染めた極悪犯で、通常の警察では対応しきれない様々な事件の犯人を、「目には目を」とばかりに銃とバイクを駆って「処刑」していく、そんなアクション作品です。

いや~、それにしてもカッコよかった!
漫画の映画化は往々にして失敗作となることが多いのですが、この作品はお見事でした。
ファンの期待を裏切らない展開とツボを押さえた痛快さ。
オープニングでトレーラーから7台のバイクが飛び出してくるシーンからして背筋に電流が走りました。
そしてバイクと銃がスクリーン狭しと飛び交う圧巻のクライマックスまで、まさに手に汗握りながら「ワイルド7」ワールドを心ゆくまで堪能致しました。

主人公のワイルド7リーダー飛葉大陸(ひば・だいろく)を演じる瑛太、彼の演技は初めて観ましたが、しっかり飛葉ちゃんにハマっていましたし、それ以上にカッコよかったのがワイルド7を指揮する草波勝役の中井貴一。
私は正直、彼の演技はあまり好きではなかったのですが、この1本で見方を変えました。
それくらい、クールで一匹狼の草波のイメージにピッタリとハマっていました。
余談ですが、昨年公開された北野武監督「アウトレイジ」で、三浦友和ってこんなに素晴らしい役者だったんだと痛感させられた、あの時の感覚に通じるものがありました。

それにしても日曜の夜で観客4人は少なすぎるぞ。

「悦」

2011.12.10

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8月31日の当ブログにも掲載の、私の友人で第1回団鬼六賞優秀賞を受賞した女性官能小説家、深志美由紀(みゆき・みゆき)がこの冬立て続けに作品を発表しています。

季刊誌「悦」(写真)にて「はつ恋」。
月刊誌「特選小説」にて「憧れの庭」。

どちらも女性の視点からの官能が描かれていて、男性作家とはひと味違った繊細かつ鮮烈な文章表現が存分に楽しめます。
小説を書くことを渇望し続けその場を手に入れた深志美由紀、これからもどんどん成長していくことと思います。
皆さん、応援をよろしくお願いします。

さて、「官能的」という意味ではお酒も同じです。
毎年恒例の新酒「純米しぼりたて生原酒」が12月下旬発売予定です。
フレッシュで力強く甘美な味わいは、飲む人の五感を酔わせてくれること請け合いです。
今もその日を待ちわびて、お酒がタンクの中ですくすくと育っています。
発売までもうしばらくお待ち下さい。

中上健次 「奇蹟」

2011.11.25

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写真は敬愛する中上健次の小説「奇蹟」の冒頭です。

上は直筆原稿のコピー。
下は同じ箇所が活字になったものです。

この2枚はフォトフレームに入って、私の書架の机の上に飾ってあります。

中上健次は自らの小説を「喫茶店文学」と呼び、喫茶店の片隅で集計用紙に万年筆でびっしりと書き込んでいく、まさにこの原稿通りの執筆スタイルを終生貫き通しました。
そしてこの「奇蹟」は、そんな中上の中期の傑作とされています。

机に座ってこの2枚を眺めるたびに、今は亡き中上健次の小説の息吹が蘇ってくるような気がして、私自身の心の中にも活力が沸いて来るのです。

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