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幻のタオル

2012.08.01

もうすぐお盆ですね。
それにちなんだ話題をひとつ。

しばらく前のことですが、娘にせがまれてX-JAPANのhideのお墓参りに行きました。
場所は神奈川県横須賀市の三浦霊園。

ちなみに私は以前にもひとりでhideのお墓参りに行ったことがあり、あの時は霊園に辿り着くまでも大変でしたが、それ以上に広大な霊園の中でhideのお墓を探し出すのに一苦労、疲れ果ててベンチに座りうしろを見たらそこが何と目指すhideのお墓で、思わず脱力した事が思い出されます(ちなみに係員に聞けばすぐに教えてくれるそうです、はい)。

さて、この日も娘と一緒に品川から京浜急行で揺られること1時間半で三浦海岸駅に到着。
駅前で花を買って、前回ひとりの時はバスでしたが今回はタクシーに揺られて、三浦海岸の絶景を見ながら目指す三浦霊園に着きました。

我々がhideのお墓に着くと、ひとりで来ていたファンの女性がちょうど帰るところで、いつもは多くのファンでいっぱいであろうお墓も、この時は我々ふたりだけ。
亡くなってから10年以上経つというのに、hideのお墓はファンからの献花であふれ、今もどれだけ彼が愛されているのかを目の当たりにして、改めて胸がきつく締めつけられる思いでした。
上田から持ってきた和田龍のカップ酒と駅前で買ったお花を供え、hideの墓前に手を合わせ、あとはしばらくの間、娘とふたりで何をするともなくhideのお墓をぼんやりと眺めていました。

そしてお墓をあとにしようとした時のこと。
ちょうどhideのお墓の掃除に来られた中年の女性とすれ違いました。
その方は立ち止まって我々を振り返り、笑顔で「どうもありがとう」と言葉を掛けて下さいます。
我々も頭を下げながら「こちらこそ、ありがとうございました」と言葉を返すと、「これを使ってね」とビニール袋を2つ、我々に差し出しました。
それはワインレッド色のhideのタオルでした。

翌日、娘が驚愕しながら教えてくれた事実。
そのタオルはhideのお母さんだけが持っている品物とのことでした。

松本空港の朝

2012.07.03

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松本空港は長野県唯一の空港です。
そして飛んでいるのは1日2便、FDA(フジドリームエアラインズ)の札幌便と福岡便のみです。
でも今日はそんな松本空港から飛行機に乗りました、という話ではありません。

先日、朝の松本市郊外を車を走らせていると、急にお腹の調子がおかしくなりました。
できるだけ清潔で落ち着けるトイレに駆け込みたい、そう考えた時パッと閃いたのが、すぐ隣に滑走路が見える、ここから車で数分の松本空港。

時間はまだ8時前、最初のフライトは12時過ぎだからまだ誰もいないはずでゆっくり用を足せる、そう考えた私は、もう空港が開いているかどうかも考えずに車を空港へ向けました。

無料駐車場に車を突っ込み、空港内へ駆け込むと・・・私は賭けに勝ちました。
まだチケットカウンターも売店も閉まったままの無人の空港内は、トイレの案内板だけが煌々と灯っていて、嬉しいことに使用可能、私は無事目的を遂げることが出来ました。

そのあと、せっかく空港に来たのだからと屋上の送迎デッキに通じる階段を上がってみると、何とドアが開いていて外に出られるではないですか。
周囲を北アルプスに囲まれた人っ子ひとりいない朝の松本空港からの景色を、私は存分に堪能したのでした。

そして帰り道、再び松本空港の隣を通ったのがお昼前。
今度はちょうど福岡からの飛行機が到着して、30分後に札幌へ向けて飛び立つ時間です。
私は朝の感傷も手伝い、今度は飛行機の離着陸を見ようと、再度松本空港の入口をくぐりました。

朝と同じように屋上の送迎デッキでしばらく待っていると、爆音と共に曇り空の彼方から飛行機のライトが見え、あっという間に80人乗りの小さなジェット機は無事到着を果たしました。
出発までのわずかな時間を惜しむように滑走路を動き回る職員の方々を目にしながら、私は空港をあとにしました。

ちょっとした非日常を味わった気がした小さな出来事です。

聖飢魔Ⅱ TRIBUTE to JAPAN

2012.06.27

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昨年開催され、私も足を運んだ「聖飢魔Ⅱ TRIBUTE to JAPAN 両国国技館2DAYS」。
このたびDVDとCDが同時発売され、思わず両方とも衝動買いしてしまいました。

このコンサートは東日本大震災の復興のために聖飢魔Ⅱがプロデュースし、2日間に渡って聖飢魔Ⅱはじめ7つのロックバンドが出演した大掛かりなイベントでした。

ちなみに私が行った初日はNOKKOが(「人魚」「フレンズ」・・・どれも素晴らしかった)、2日目はロンブーの淳率いる「Jealkb」と、そして「氣志団」が登場、聖飢魔Ⅱとの予想外のマッチングに話題を呼びました(ちなみにNOKKOは以前、聖飢魔Ⅱの楽曲に参加しています)。

そして当日トリとして登場した聖飢魔Ⅱ、相変わらず素晴らしい!
デーモン閣下はじめ5人のメンバーのテクニックの素晴らしさ、バンドとしてのクオリティの高さに酔いしれました。

初日のサプライズは聖飢魔Ⅱのライブの後半。
「それでは懐かしいナンバーを1曲!」と閣下が叫んで流れてきたのはレベッカの「Raspberry Dream」のイントロでした。
そして再度登場したNOKKOとデーモン閣下のデュエット、中でもサビの部分の高音のハモリはあまりのスゴさに全身に鳥肌が立つほどでした。

そんな様々な光景を思い出させてくれた今回のDVDとCD、両方買った人が応募できる特典がフルっています。
「TRIBUTE to JAPAN」の趣旨を鑑み、「制作費用が極力掛からない物体なき特典」ということで、当選者には聖飢魔Ⅱのメンバーがあなたの名前を叫びそれをメールで届ける「声の詔」だそうです。
私も早速「和田龍!」と叫んでもらうべく応募致しました。

そうそう、この時のコンサートには余談があります。
翌日私が仕事でトラックを運転しながらラジオを聞いていたところ「フレンズ」が流れ、番組のパーソナリティのふたりが「いや~、懐かしいですね。いつ聞いてもこの曲はいいですね。NOKKOさん、今でも歌っていらしゃるんですかねぇ。久々に聴いてみたいですね」
いや、私は昨日ナマで聴いたんだってば!

「テルニエ・ロマエ」

2012.06.04

昨日、入っていた予定が急遽キャンセルになり久々に空いた日曜日の夕方、たまには映画でも観ようかと近くのシネコンに足を運びました。
何の映画でも良かったのですが、たまたま時間がぴったりだった「テルニエ・ロマエ」を選びました。

観終わってひとこと。
面白かった!
いやはや、予想外の面白さでした。

事前の知識として知っていたのは、公衆浴場がテーマで、主人公が古代ローマと現代日本を行ったり来たりする映画、そのくらいでした。
しかも公開初日の早朝のワイドショーでは、ローマ人のようなホリの深い顔の俳優たちが熱演、とか繰り返していて、見た目だけでキャストを選んだ映画なんて観る気がしないとさえ思っていました。

ところがところが、期待していなかっただけにその反動の大きさといったら。
とにかく笑い、時にホロリとし、そして何より観終った時に幸せな気分に浸っていた、そんな素敵な映画でした。

いつも大好きな快楽亭ブラック師匠のブログを読んでいたらこの映画に触れていて、「あっしが愛して止まない北温泉と河津の大滝温泉でロケをしているのだ」と書かれていたので早速アクセスしてみると、おお、映画そのままの浴場が載っていて、そのレトロ感も相まって思わずすぐにでも飛んで行きたくなってしまいました。

ちなみに私は「映画は映画館で」派です。
その一番の理由は、千数百円という入場料を払って、すなわち対価として自分の懐を痛めて初めて、その映画と対等に向かい合える気がするからです。
そういった意味では、映画評論家が無料の試写で映画を観て評論を書くという行為も個人的にはあまり認めたくありません。
頭が固すぎますかね。

いずれにしても「テルニエ・ロマエ」、映画館に足を運んで良かったなぁとしみじみ思えるハッピーな映画でした。

大友克洋GENGA展

2012.05.14

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東京末広町の「3331Arts Chiyoda」で開催中の「大友克洋GENGA展」に行って参りました(写真上)。

我々の世代にとって、大友克洋はまさにマンガ界のカリスマ。
18歳の時、初めて読んだ彼の作品「気分はもう戦争」で、そのあまりにも緻密かつ繊細な筆致とオリジナリティ溢れるアダルトな物語構成に、一発で虜になってしまいました。

大友克洋を知らない方でも、「AKIRA」をご存知の方は多いのではないでしょうか。
当時一大ブームを巻き起こし、大友自身の監督によりアニメ映画化されました。

さて、そんな彼の初の原画展は、大友克洋が宮城県出身でもあることから、東日本大地震の被災地支援の意味合いが込められており、入場料の一部とチャリティオークションの落札金額は寄付されます。
プログラムの文章が素敵なので抜粋します。

 私は漫画家なのだから、
 自分の力でできることは原画を出すことしかない。
 現在の私自身が最高と思えるものを提示する-
 それこそが、今の私に出来る漫画家としての最大の仕事であり、
 私なりの復興支援になる。
 
 大友 克洋 漫画家・映画監督
 
チケットは日時指定の予約制。
16:00の回を予約した私が10分ほど前に会場に到着すると、ちょうど入場の整列が始まったところでした。

心ときめかして並ぶことしばし、いよいよ開場です。
一歩室内に足を踏み入れると、そこには圧巻!!感動!!の大友ワールドが繰り広げられていました。

「気分はもう戦争」、「童夢」、「ハイウェイスター」、「さよならにっぽん」・・・見慣れたあの表紙、あのシーンの原画がところ狭しと展示され、体が打ち震えるような興奮で、1枚1枚の原画の前でただただ立ち尽くすばかりです。

そして別室には今回の最大の目玉、「AKIRA」の全原稿が一挙に展示されています。
しかも3部屋ぶち抜きです。
冒頭のネオ東京の一枚から始まって全6巻分、これを涙なくしてどう観ることができるでしょう。
どれだけ観ても観飽きることがなく、最後は後ろ髪を引かれる思いで部屋をあとにしました。

しかしこれで終わりかと思っていたら、もうひとつ、サプライズの部屋がありました。

室内に飾ってあったのは、「AKIRA」の主人公鉄男のバイクを再現した実物(写真中)。
そして「童夢」のクライマックスで、超能力を持つ老人チョウさんが超能力少女エッちゃんに叩き付けられたあの名シーンの壁の穴(写真下)でした。
しかも鉄男のバイクは、彼が来ていたのと同じジャケットを着て撮影可能でしたし、壁の穴もファンの皆さんがマンガ同様に壁に大の字に貼り付いて次々に撮影していました。

「大友克洋GENGA展」、5月30日まで開催しています。
私ももう一度行きたい!

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