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将棋界の大事件2

2022.12.24

将棋界でまた珍事が起きました。

舞台は、1年間の棋士のランキングと基本給が決まる極めて重要な「順位戦」。
その上から2番目のクラス「B級1組」で事件は起きました。

近藤誠也七段 vs 千田翔太七段。
どちらも若手の実力者です。

順位戦は事前に先手・後手が決まっています。
が対局開始と同時に、何と後手番の千田七段が先に着手してしまったのです。
この瞬間、千田七段の反則負けが決まりました。

リアルタイムで実況をしていた順位戦の公式サイトの説明は以下の通りです。


▲近藤誠-△千田戦の状況を説明します。
対局は定刻通りに10時に開始されました。近藤誠七段が気息を整えていたところ、対局開始から数十秒ほどで千田七段が着手したようです。近藤誠七段はびっくりして声が出ず、記録係から千田七段に指摘がありました。「え!」と千田七段。自分が先手だとずっと勘違いしていたようです。
対局立会人の土佐浩司八段が対局規定を確認し、両対局者に千田七段の反則負けを告げます。千田七段は返事をしてから駒を片付けたあと、近藤誠七段に「先手だと勘違いしておりました。本当に申し訳ありませんでした」と何度も頭を下げていました。両対局者はなかなか席を立てず、呆然としていたのがうかがえます。
(「名人戦棋譜速報公式サイト」 12月22日分より)


千田七段としては、悔しさと同時に、大切な対局で棋譜を汚してしまった申し訳なさと後悔とでいっぱいだったのではないでしょうか。

先日の佐藤天彦九段の一件といい、将棋界で驚くべき事件が続いています。

将棋界の大事件

2022.11.19

プロの将棋界で前代未聞の出来事が勃発しました。

トップ棋士10名が最高位「名人」の挑戦権を賭けて争う「A級順位戦」において、マスクを30分ほど外していた佐藤天彦九段が、対戦相手の永瀬拓矢王座の指摘を受けて、何と反則負けとなりました。
将棋連盟が定めた「マスク着用の規定違反」との理由です。

佐藤九段は翌日早速、日本将棋連盟に対して、反則負けの取り消しと再対局を要望した「不服申し立て」を起こしました。

私も対局のライブをYouTubeで観ましたが、異様な光景でした。

深夜0時頃、突然、常務理事の鈴木大介九段が対局場に入ってきて対局を止めさせ、両対局者と3人で別室に移り、しばらくして先に戻ってきた佐藤九段がそそくさと自分の持ち物を片付けて対局室を去りました。
しばらくして永瀬王座も戻り、すぐに対局室をあとにしました。
対局終了後、勝者が丁寧に片付けるはずの駒は、無造作に差し掛けられた局面のままでした。

今回、これだけの騒動になった伏線はいくつもあります。

・「マスク不着用を反則負けとする」という決まりは、コロナ禍において故意にマスクをしない棋士が複数現れたために出来た、時限的な規定であるが、佐藤九段の主張は「対極に没頭するあまり、無意識に外してしまった結果であり、決して故意ではなかった」というものであること。

・にもかかわらず、佐藤九段が一度の注意・警告を受けることもなく、いきなり一発レッドとなってしまったのは極めて不本意であること(囲碁界では、まずは「注意する」というイエローカードが存在します)。

・対戦相手の永瀬王座は、佐藤九段に直接注意するのではなく、席を何度も外してはバックヤードで「反則負け」を訴えていたこと(YouTubeの動画でもそれは窺がえます)。

・当日、対局が行われていた東京将棋会館には、いわゆるレフェリー役である「立会人」の棋士が不在であり、連盟トップの2人が連絡を受けて急遽結論を下した、いわゆる場当たり的な感が否めない判定であったこと。

・この対局「A級順位戦」が、棋士の地位や年俸を大きく左右する、極めて重要な1局であったこと。

・対局におけるマスクの着脱の如何(いかん)が、我々が考える以上に、棋士の思考力に大きな影響を与えること。

等々です。

弁護士らの専門家は、決定はまず覆らないだろうとの意見が大勢です。

また、裏に回って告げ口のような行為をした永瀬王座への批判も少なからずあります。
言うならこそこそせずに、佐藤九段本人に直接言えという訳です。

個人的な考えを言えば、まず私は永瀬王座に非はないと思います。
仮にどんなに仲がよくても、対局中に相手に直接注意をするという行為は、基本的にあり得ません。
そして永瀬王座は、終盤の最も大切な局面で、相手がマスクを外すという優位性を保っていることに、かなり苦しんだのではないでしょうか。
それが結果的に、会館内の第三者に直訴するという手段に出てしまったことを、私は非難できません。

では連盟の対応はどうだったのか。
ここが一番の問題です。

常務理事の鈴木九段は、別室での佐藤九段の「まずは注意喚起があるべきでは?」という訴えを「その必要はない」と却下したそうです。
確かに規則ですからその通りです。

それでも私は、まずは注意喚起はあるべきだったという立場です。
初めての、あまりにイレギュラーな出来事だったからこそ、そこは慎重に、両対局者が納得の行く形を取って(佐藤九段に謝罪をさせて)、対局を再開すべきだったと思っています。

鈴木九段の立場もよく理解できます。
突如湧き上がった案件を即断即決しなければならなかった、その焦りはいかほどであったか、想像に難くありません。

ちなみに日本将棋連盟は、今後の対策として、すべての対局日に「立会人」を付けることを決定しました。

そんな中で佐藤九段は、直後の対局で羽生九段を破るなど、表向きは今回の影響を感じさせない活躍を続けているのが救いです。

間もなく、佐藤九段の「不服申し立て」に対する連盟の回答が出ますが、遺恨の出ない結論となることを願っています。

映画を語ろう。

2022.10.28

何回目いや何十回目になるか分からない「羊たちの沈黙」「ハンニバル」を読了しました。
いやあ、いつ読んでも、何度読んでも面白い。

これでまたブルーレイで映画の「羊たちの沈黙」「ハンニバル」を観返すことになるのでしょう。

「羊たちの沈黙」シリーズと「ゴッドファーザー」シリーズは、いつもこれの繰り返しです。
小説を読めば映画が観たくなり、映画を観ると小説が読みたくなります。

「羊たちの沈黙」の作者トマス・ハリスの作品に「ブラックサンデー」があります。

私が中学生の時に映画化され、大々的に宣伝もされて公開を待ちわびていたのですが、上映中止を求める脅迫状が届いたため、公開は取り止めになりました。
主役のロバート・ショーと大型の飛行船が大きく載ったポスターが印象的で、ぜひ観たいと思っていただけに、上映中止はそれはそれは残念でした。

それから30年後、まさかの「ブラックサンデー」のDVDの発売が決定し、すぐさま購入したのは言うまでもありません。

ちなみに「ブラックサンデー」の上映が予定されていた、今は無き日比谷の「有楽座」も思い出深い映画館です。

東宝洋画系劇場のフラッグシップでもあった有楽座ですぐに思い出すのは、全席指定席で公開された「地獄の黙示録」(ラストが違う特別版)です。
S席2500円、A席2000円で、お金が無い当時中学生の私はもちろん2階後方のA席でしたが、作品のその迫力たるや凄まじく、あの難解なラストシーンは全く理解できなかったにも関わらずこの映画の虜になり、その後「特別完全版」も含めて、何回観たか数えきれません。

そうそう。
大学時代、たまたま有楽座の前を通りかかったら、大好きな「未知との遭遇」がリバイバル上映されていました。
迷うことなく飛び込んで、大スクリーンで観てこそ意味がある壮大なラスト30分に大満足して映画館を出たところ、映画館の前が何か喧騒に満ちています。
聞いたら、何とシルベスター・スタローンが映画のプロモーションでつい先ほどまでここにいて、今しがた引き上げたとの事でした。
その時のショックといったら。
ナマのスタローン、見たかった!
でも、有楽座で「未知との遭遇」が観られたからいいもん、と自分を慰める私がいました。

実際にナマで見たことがあるのは、「スタートレック」でスポックを演じたレナード・ニモイ。
新宿の紀伊国屋書店を訪れたところ、「スタートレック カーンの逆襲」のプロモで来日していて、この時も大興奮。
普段は負け続けているジャンケンをこの日は勝ち抜けて、レナード・ニモイと対面しながら本にサインをしてもらったのでした。

「スタートレック」のレナード・ニモイはもちろんですが、私は「刑事コロンボ」の「溶ける糸」で、犯人の医者役で出演したレナード・ニモイも大好きです。
「スター・トレック」と「刑事コロンボ」といえば、カーク艦長役のウイリアム・シャトナーも2回、犯人役で登場して大いに感動したものでした。
ちなみに「刑事コロンボ」は、ブルーレイのコンプリート版を持っています。

銚電ワールド

2022.10.21

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上:会場にて。千葉県の形をしているチーバくんと私
中:銚子電鉄の出店
下:袖山里穂さんのサイン入り名刺


「法人会全国大会」に出席するため、千葉の幕張メッセに行ってきました。

毎年開催地を変えながら開かれるこの大会、会場にはご当地の物産店が立ち並ぶのが恒例です。
今年は千葉ということで、落花生関連の商品が多く見受けられました。
千葉の地酒コーナーも充実していました。

そして、そんな中で見つけたのが、何と「銚子電気鉄道」のお店。

鉄道の大赤字を埋めるべく、多くのアイディアあふれた食品や鉄道グッズを販売し、ついには「電車を止めるな!」という映画まで作ってしまった、全長わずか6.4kmの、しかし今や全国に名を馳せるローカル線です。

以下は私が2020年10月にアップした当ブログです。

https://www.wadaryu.com/blog/archives/747.html

そして銚子電鉄のもうひとつの名物が、車掌の袖山里穂さん。

銚子電鉄のHPやYouTubeに袖山さんがアップされるたびに、飾らない人柄と愛らしさが受けて、写真集まで発売された、まさに銚電のアイドルです。

そんな訳で、銚子電鉄大ファンの私がこのお店にハマったのは言うまでもありません。

販売員のおふたりと熱い銚子電鉄愛を語りながら、何気なく「袖山里穂さんも素敵てすよね」と呟いたところ、定員のおひとりが
「袖山ファンですか?!」
「ええ、もちろんです」
「実はですね、今日は袖山がサインした名刺を3枚持ってきてまして。1枚差し上げますね」
「え~っ、本当ですか!ものすごく嬉しいです!」

そんなやり取りがあって頂いたのが、写真の名刺です。
マジックがかすれていますが、そんなの問題ありません。
かえって味があって嬉しいです。

でも実はまだ乗ったことがない銚子電鉄。
いつか名物社長と袖山車掌に会いがてら、銚電ワールドを味わいに出掛けたいです。

銚子電気鉄道 https://www.choshi-dentetsu.jp/

場内アナウンス

2022.10.15

先日、親しい友人がクラシック・コンサートに出演するという事で、日曜日の午後、とあるコンサートホールに足を運びました。

そのホールはオープンから95年が経過しており、約600席の館内は、歴史の重みを感じさせる重厚な風格に満ちていました。

来場されたお客様も、そんなホールに敬意を表してでしょう、気品のあるフォーマルなドレスコードの方が多く、開演前から「クラシックを楽しむ」という雰囲気に溢れていました。

開演のブザーが鳴り客席が静まり始めると、定番の注意事項のアナウンスが始まりました。
「携帯電話の電源はお切りください。マナーモードではなく、電源をオフにするようにお願い致します」

感動したのはその次のアナウンスです。

「帽子をかぶられている方は帽子をお取りください」

そうなんです。
帽子って、前の座席でかぶられていると、その分視界が遮られて、実はものすごく迷惑な事が多いんですよね。
私も実際、映画館で前の方が帽子着用のままで、「脱いでくれよ」と思ったことが何度もありました。

しかもそのホールは古いだけあって、客席がフラットで、段差がなありません。
だから、ただでさえ前の方の頭で舞台が隠れるんです。
そんな事にも配慮した「痒いところに手が届く」アナウンスに、思わず心打たれた一瞬でした。

コンサートは「フランス」をテーマに、オペラあり、ミュージカルあり、シャンソンありの、それはそれは素晴らしいものでした。
加えて、音響設備を最新にしたばかりという「音」そのものが実にきれいで、このホールがとれだけ大切に活かされているかを実感しました。
アンコールの「オー・シャンゼリゼ」では客席から自然と拍手が鳴り響き、音楽を心から堪能した2時間でした。

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