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酒は人なり

2012.08.20

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今私が自宅で飲んでいるお酒の1本です。
長野県は小布施町にある高沢酒造「豊賀」。
私が尊敬する若き蔵元、高沢さんご夫妻が醸す渾身のお酒です。

香り、旨み、キレ、すべてのバランスが見事で、芳醇かつ飲み飽きしない、見事な味わいです。
高沢さんご夫妻と接していると、まさにこのおふたりの「和」が生み出した逸品である事をその都度実感します。

以前、関東の日本酒専門居酒屋で一杯のお酒をブラインドで出され、その香りと味わいの深みに感銘を受け正体を聞いたところ、それが高沢さんのお酒だった事もあります。

酒は造り手を体現する、そんな素晴らしい1本です。

ハヤカワミステリの愉悦

2012.08.13

私の住む上田市には大型書店がないので、しばしば長野市まで本の買い出しに行きます。
昨日も大きなバッグを持って長野駅前の書店に足を運んだところ、思わぬ掘り出し物が・・・。
これまでずっと探していたスティーブ・ハミルトンの「解錠師」をはじめとして、歴代のハヤカワミステリの名作がズラリと並んでいるではありませんか。
早速、持っていない本を片っ端から抱えて、一気に大人買いしてしまいました。
財布は軽くなったけれど心まで軽くなった嬉しいひとときを噛み締めたくて、同じ書店の中にある喫茶店に入り、戦利品を眺めながらひとりほくそ笑んだ私でした。

小説といえば、このブログにたびたび登場する私の友人で女流官能小説家の深志美由紀(みゆき・みゆき)。
いよいよ活躍の場を広げ、7月1日から日刊スポーツで連載を開始しました。
タイトルはズバリ「深夜に濡らして」。
とやまみーなさんのイラストと併せて、女性の視点から官能を描く深志美由紀ワールドが炸裂しています。
皆様、男女を問わずぜひご一読を。

ところで先日の夜、妻と一緒に「おおかみこどもの雨と雪」を観てきました(上田にできたTOHOシネマズは遅くまで上映しているので本当に助かります)。
細田守監督の傑作「サマーウォーズ」は上田市が舞台で、上映から2年経った今も上田市は「サマーウォーズ」熱が冷めやらずにいるのですが、そんな細田監督の新作、正直言いますと題材が題材なだけにあまり期待していなかったのですが、いやはや、予想以上の出来栄えに大感動、思わず涙してしまいました。
妻も泣いたとの事ですが、面白いのは私と妻の涙した場面が違うこと。
まだ観ていない方のために詳しくは申し上げませんが、私は主人公の雪が同級生の草平とふたりっきりの教室で告白する場面で涙したのに対し、妻はもうひとりの主人公の雨が山の頂で遠吠えするシーンで泣いてしまったとの事。
いずれにしても、親と子の葛藤や成長を見事に謳い上げた傑作でありました。

アニメ映画といえば、「グスコーブドリの伝記」もぜひ観てみたい一作です。
同じ杉井ギサブロー監督の「銀河鉄道の夜」が私は大好きでして、あの映画の猫の擬人化(加えて見事としか言いようのない細野晴臣の音楽)が表現する独特の杉井ワールドに何度も酔いしれたものですが、今回「銀河鉄道の夜」で観たあの猫たちが同じ宮沢賢治原作の本作のポスターや宣伝で描かれているのを見て、居ても立ってもいられない思いに駆られております。

幻のタオル

2012.08.01

もうすぐお盆ですね。
それにちなんだ話題をひとつ。

しばらく前のことですが、娘にせがまれてX-JAPANのhideのお墓参りに行きました。
場所は神奈川県横須賀市の三浦霊園。

ちなみに私は以前にもひとりでhideのお墓参りに行ったことがあり、あの時は霊園に辿り着くまでも大変でしたが、それ以上に広大な霊園の中でhideのお墓を探し出すのに一苦労、疲れ果ててベンチに座りうしろを見たらそこが何と目指すhideのお墓で、思わず脱力した事が思い出されます(ちなみに係員に聞けばすぐに教えてくれるそうです、はい)。

さて、この日も娘と一緒に品川から京浜急行で揺られること1時間半で三浦海岸駅に到着。
駅前で花を買って、前回ひとりの時はバスでしたが今回はタクシーに揺られて、三浦海岸の絶景を見ながら目指す三浦霊園に着きました。

我々がhideのお墓に着くと、ひとりで来ていたファンの女性がちょうど帰るところで、いつもは多くのファンでいっぱいであろうお墓も、この時は我々ふたりだけ。
亡くなってから10年以上経つというのに、hideのお墓はファンからの献花であふれ、今もどれだけ彼が愛されているのかを目の当たりにして、改めて胸がきつく締めつけられる思いでした。
上田から持ってきた和田龍のカップ酒と駅前で買ったお花を供え、hideの墓前に手を合わせ、あとはしばらくの間、娘とふたりで何をするともなくhideのお墓をぼんやりと眺めていました。

そしてお墓をあとにしようとした時のこと。
ちょうどhideのお墓の掃除に来られた中年の女性とすれ違いました。
その方は立ち止まって我々を振り返り、笑顔で「どうもありがとう」と言葉を掛けて下さいます。
我々も頭を下げながら「こちらこそ、ありがとうございました」と言葉を返すと、「これを使ってね」とビニール袋を2つ、我々に差し出しました。
それはワインレッド色のhideのタオルでした。

翌日、娘が驚愕しながら教えてくれた事実。
そのタオルはhideのお母さんだけが持っている品物とのことでした。

松本空港の朝

2012.07.03

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松本空港は長野県唯一の空港です。
そして飛んでいるのは1日2便、FDA(フジドリームエアラインズ)の札幌便と福岡便のみです。
でも今日はそんな松本空港から飛行機に乗りました、という話ではありません。

先日、朝の松本市郊外を車を走らせていると、急にお腹の調子がおかしくなりました。
できるだけ清潔で落ち着けるトイレに駆け込みたい、そう考えた時パッと閃いたのが、すぐ隣に滑走路が見える、ここから車で数分の松本空港。

時間はまだ8時前、最初のフライトは12時過ぎだからまだ誰もいないはずでゆっくり用を足せる、そう考えた私は、もう空港が開いているかどうかも考えずに車を空港へ向けました。

無料駐車場に車を突っ込み、空港内へ駆け込むと・・・私は賭けに勝ちました。
まだチケットカウンターも売店も閉まったままの無人の空港内は、トイレの案内板だけが煌々と灯っていて、嬉しいことに使用可能、私は無事目的を遂げることが出来ました。

そのあと、せっかく空港に来たのだからと屋上の送迎デッキに通じる階段を上がってみると、何とドアが開いていて外に出られるではないですか。
周囲を北アルプスに囲まれた人っ子ひとりいない朝の松本空港からの景色を、私は存分に堪能したのでした。

そして帰り道、再び松本空港の隣を通ったのがお昼前。
今度はちょうど福岡からの飛行機が到着して、30分後に札幌へ向けて飛び立つ時間です。
私は朝の感傷も手伝い、今度は飛行機の離着陸を見ようと、再度松本空港の入口をくぐりました。

朝と同じように屋上の送迎デッキでしばらく待っていると、爆音と共に曇り空の彼方から飛行機のライトが見え、あっという間に80人乗りの小さなジェット機は無事到着を果たしました。
出発までのわずかな時間を惜しむように滑走路を動き回る職員の方々を目にしながら、私は空港をあとにしました。

ちょっとした非日常を味わった気がした小さな出来事です。

聖飢魔Ⅱ TRIBUTE to JAPAN

2012.06.27

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昨年開催され、私も足を運んだ「聖飢魔Ⅱ TRIBUTE to JAPAN 両国国技館2DAYS」。
このたびDVDとCDが同時発売され、思わず両方とも衝動買いしてしまいました。

このコンサートは東日本大震災の復興のために聖飢魔Ⅱがプロデュースし、2日間に渡って聖飢魔Ⅱはじめ7つのロックバンドが出演した大掛かりなイベントでした。

ちなみに私が行った初日はNOKKOが(「人魚」「フレンズ」・・・どれも素晴らしかった)、2日目はロンブーの淳率いる「Jealkb」と、そして「氣志団」が登場、聖飢魔Ⅱとの予想外のマッチングに話題を呼びました(ちなみにNOKKOは以前、聖飢魔Ⅱの楽曲に参加しています)。

そして当日トリとして登場した聖飢魔Ⅱ、相変わらず素晴らしい!
デーモン閣下はじめ5人のメンバーのテクニックの素晴らしさ、バンドとしてのクオリティの高さに酔いしれました。

初日のサプライズは聖飢魔Ⅱのライブの後半。
「それでは懐かしいナンバーを1曲!」と閣下が叫んで流れてきたのはレベッカの「Raspberry Dream」のイントロでした。
そして再度登場したNOKKOとデーモン閣下のデュエット、中でもサビの部分の高音のハモリはあまりのスゴさに全身に鳥肌が立つほどでした。

そんな様々な光景を思い出させてくれた今回のDVDとCD、両方買った人が応募できる特典がフルっています。
「TRIBUTE to JAPAN」の趣旨を鑑み、「制作費用が極力掛からない物体なき特典」ということで、当選者には聖飢魔Ⅱのメンバーがあなたの名前を叫びそれをメールで届ける「声の詔」だそうです。
私も早速「和田龍!」と叫んでもらうべく応募致しました。

そうそう、この時のコンサートには余談があります。
翌日私が仕事でトラックを運転しながらラジオを聞いていたところ「フレンズ」が流れ、番組のパーソナリティのふたりが「いや~、懐かしいですね。いつ聞いてもこの曲はいいですね。NOKKOさん、今でも歌っていらしゃるんですかねぇ。久々に聴いてみたいですね」
いや、私は昨日ナマで聴いたんだってば!

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