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「美食の報酬」

2014.08.15

お盆前の怒涛の忙しさが一段落して、弊社は本日15日~17日までお休みを頂いております。
そんな静かな会社の事務所でこの文章を打っています。

このブログにもたびたび登場する私の友人、官能小説家の深志美由紀(みゆき・みゆき)がこのたび新刊を出しました。

「美食の報酬」(講談社文庫)。

数日前のアマゾンでは、何と売り上げが講談社文庫内でいきなり75位。
はっきり言って売れてます。

早速今日、上田の書店に買いに行きました。
が、置いてありませんでした。
近々東京へ行った折に書店で買い求めようと思います。

私は毎月かなり本は買うほうですが、基本的に本は今でもネットではなく書店で購入します。
これまでにネットで本を買ったのは数えるほどです。

思い出深いのは、学生時代に買って読んでは捨てを繰り返し、結局手元に残らなかった中上健次の「破壊せよとアイラーは言った」。
文庫ですが、探し続けてネットの古本屋さんでようやく見つけた時の嬉しさといったら。
定価の3倍ほどしましたが、それでも送料と併せて2,000円ほど。
安い買い物です。

私があえて書店で本を買う理由はふたつ。

ひとつは書店の空間が大好きだから。
たくさんの本に囲まれながら目的の1冊を探すひとときは至福の時間です。

そしてもうひとつは少しでも書店に儲けてもらいたいから。
古本リサイクルショップで本を買っても、作者に印税は1円も入らないそうです。
そしてネット社会で書店がどんどん駆逐されていく今、書店ひいては作家を守りたいのです。
カッコ良過ぎますかね。

さて、深志美由紀。

デビュー作で団鬼六優秀賞受賞作の「花鳥籠」は昨年秋映画化され、テレビではエンタメ~テレ「女の秘蜜 妄想ノススメ」でレギュラー出演し、本業の執筆でも脂が乗り切っている彼女。
新作ではどのような深志美由紀ワールドが展開されるのか、今から待ち遠しくて仕方ありません。

真夏に日本酒

2014.07.26

久々の休日に妻と向かったのは軽井沢の星野リゾート。

この日は昼から「呑む」予定だったので、あえて車ではなく、しなの鉄道(旧信越本線)→中軽井沢駅からシャトルバスという手間の掛かる移動手段で、上田から約1時間で到着しました。

早速向かったのは、蕎麦屋で一杯という訳で、星野リゾート内のショッピングモール、ハルニレテラスの一角にある蕎麦処「川上庵」。
旧軽井沢銀座の入口に本店があり、東京にも何軒か支店を出している老舗です。

和テイスト漂うモダンな店内に腰を落ち着かせると、早速メニューをチェックし、鴨焼き、ニシンと茄子の焼き浸し、本にがりすくい豆腐、そして地元佐久の地酒を注文。

少しして届いた熱々の鴨焼きを頬張りながら、冷酒を喉にすーっと流し込む、そのうまさといったら。

それにしても店内を通り抜ける心地良い風は、今が真夏である事を忘れさせるほどの爽快感です。

次々にテーブルに届く酒肴を楽しみながら、お酒をおかわり。
お皿に添えられた塩や本山葵がこれまた美味しく、これだけでも十分にお酒のアテです。

締めは天せいろ。
蕎麦の風味や味わいはもちろんのこと、どーんと鎮座した2尾の海老の豪快な天ぷらまで、川上庵の真髄を存分に楽しみました。

ほろ酔い気分で午後はリゾート内を散策。
夏の午後を堪能しているうちに、いつの間にか広いベンチで大の字で爆睡・・・(ちなみにこのベンチは「仰向けになってお休み下さい」と書いてあります)。

夕方からは、やはりエリア内にある「村民食堂」。

ここでもまずは日本酒です。
メニューの中から自由に銘柄を選べる「3種飲み比べ」セットを注文。
そして「稚鮎の干物」「きのこと野菜のチーズ焼き」「豚肉と信州サーモンの粕味噌焼き」がこれまたお酒にぴったりで、「飲み比べセット」をおかわりをしているうちにメニューの地酒をすべて制覇していましました。
お酒と料理とそしてお店の空間にすっかり酔った我々でした。

帰りの中軽井沢駅での出来事です。

切符の自動販売機に何度お札を入れても戻ってきてしまいます。
振り返ると、いつの間にか順番待ちの長い行列。
これ以上後ろに迷惑を掛ける訳にはいかないとお札を入れるのを諦め、隣にある窓口に移動しました。

ぴたっと閉じられている小さな受取口の隙間から、中にいる中年の男性駅員に向かって声を掛けました。
「すみません。販売機でうまく切符が買えないのでこちらでお願いできますか」
そうしたら、覇気のない冷たい声でぼそっとたったひと言、
「ここは今やってないので販売機で買ってもらえますか」

驚きました。
百歩譲って何らかの事情で窓口では売る事ができなかったとしても、困っていると言っているのだから、それをフォローしようと思うのがサービス精神ではないのでしょうか。
例えば、買った時の状況を聞くとか、あるいは券売機を見に行くとか、客の立場を案ずる手段が何かあったのではと思います。

普段は上田駅をはじめしなの鉄道各駅で、笑顔とともに気持ちのいい接客に触れている身からすれば、その冷淡さが信じられない思いでした。

仕方なく券売機に戻ったら列は進んでいて、結局は私のボタンを押す手順が間違っていた事が分かりました。
ですから、これに関しては私が悪いです。

しかし、いつも快適な思いをしている地元の第三セクターで、不意打ちのように出会った冷たさに物申すと言って聞かない私を妻がなだめつつホームに向かった夕暮れ時の出来事でした。

宿泊予約の際の出来事

2014.07.20

東京の常宿TPホテルを、いつものようにネットで予約しました。

が、あいにくこの日は禁煙室が既に満室。
仕方なく喫煙室を予約した上で、ホテルへの「メッセージ」欄に「禁煙室が満室だったので喫煙室ですが、タバコの臭いが強い時は脱臭をお願いします」とのコメントを記しました。

ほどなくして宿泊予約担当の女性から返信メールがあったのですが、要約すると以下の通り。

「部屋の消臭について、当ホテルでは、喫煙室は消臭のスプレーをする簡易的な対応をしています。ご理解下さい。
なお禁煙室の希望はリクエストとしてフロントへ伝えておきます」

ガッカリです。
つまり、いつも使っている簡易的な消臭スプレーで臭いが取れない場合は我慢して下さい、そういう事です。
また、禁煙室の希望をフロントに伝えておく、というのも、私は決して希望を出した訳ではありませんし、それが先方なりの厚意だとしても、だとすればあくまでも伝えるだけというニュアンスが伝わってきて、逆にあまりいい感じはしません。

早速私は次のような内容を返信しました。

「ご回答にがっかり致しました。

貴ホテルには定期的に宿泊させて頂いていますが、スタッフの皆様のホスピタリティ溢れるサービスには感動させられる毎回です。
滞在中のちょっとしたリクエストへの対応もいつも見事です。
ここ数年、貴ホテルのサービスの向上は著しいものがあり、その事はいつもスタッフの方々にもダイレクトに伝えています。

だからこそ、今回の、最初から『出来なかった場合』ありきの回答には失望しました。
ひとこと『出来る限りのことを致します』と書いて下されば、それで良かったのにと思います。

貴ホテルの秀逸なサービスをいつも感じているからこその、辛口の意見をお許し下さい」

しばらくすると、再びホテルから返信が来ました。
しかも今度は「宿泊予約リーダー」からのメールです。

まずは、今回の回答に対するお詫びが丁重に記されています。
誠意のこもった文章です。
その上で「禁煙室をご用意させて頂きました」とのひとことがありました。

誤解のないように申し上げますが、私は「何か」が欲しくて苦情のメールを出した訳ではありません。

ただ、いつも快適なサービスに触れたいが為に訪れているホテルの宿泊予約の係から、現場でサービスに携わるスタッフの努力を少しでも無にするような回答が来た事に納得がいかなくて、それを伝えたかっただけです。

しかし間髪を入れず、しかも宿泊予約のトップから、お詫びの言葉と、加えて禁煙ルームを押さえたとの内容の返信があった事はやはり嬉しく、そして見事な対応と思わず唸ってしまいました。

次回の訪問が俄然楽しみになりました。

ただし先ほども述べたように、今回の件で何がしかのアップグレードを望んでいるわけではありません。
チェックインの際に「ご予約頂いた際は失礼しました」という言葉とともに、いつもの笑顔を頂ければそれで満足です。

酒宴の日々

2014.07.05

ここのところ酒席が続く毎日です。

3日前は、月に一度親しい仲間が長野県内外から10名ほど集まり、上田市郊外にあるお決まりの農園レストランで食事とワインを囲む定例の会でした。

振り返ればこの会は20年も続いています。
そんな長い歴史を刻むこの会で、いつもの仲間と時間を共有できるこの日を心待ちにする毎回です。

ちなみに今回はシャンパン特集。
長野県内のスパークリングから始まり、締めはフランスのヴィンテージ・シャンパン、さらにはアンコールとしてボルドーの赤ワインまで、気が付けば10人で9本のボトルが空になっていました。

続いて一昨日は、長野市のホクト文化ホール(長野県民文化会館)で、実に800名が集まった研究集会。
それに引き続いて、長野駅前のホテルメトロポリタン長野での大懇親会。

長野県内のみならず新潟県・富山県・石川県・福井県のいわゆる北信越5県から大勢の参加者が集まっていることもあり、大懇親会での料理の気合いの入り方はハンパではありませんでした。

ジビエの鹿肉、信州味噌、信州サーモン、信州地鶏、信州蕎麦・・・信州をテーマとした料理が次々に登場し、普段の宴会料理とは一線を画したその豪華絢爛なメニューに、思わず目を見張りました。

ただひとつ残念だったのは、しばらく前に全長野県議会議員により「信州の日本酒で乾杯議員連盟」が設立されたにも関わらず、しかも当日は多くの県の関係者が列席していた中、カンパイが日本酒ではなかったこと。
でもビールではなく県内のワイナリーのスパークリングだったので、まあ良しとしましょう。

そのあとは帰りの電車の時間まで、馴染みのレストランバーを訪問。
国内のシングルモルトの逸品と、大好きなスミレのリキュールで束の間の時間を楽しみました。

そして昨日は夕方から日帰りで群馬県伊勢崎市を訪問。
遠いようでいて長野新幹線のおかげで在来線を乗り継いで片道1時間半、本を読んでいるうちにあっという間の到着です。

この日は学生時代の親友からのお誘いで、久々に差しで一杯飲む事になったのです。

親友おすすめの居酒屋のカウンターに腰を落ち着けて、私はといえば充実した日本酒メニューの中からご主人お勧めの一杯を次々に注文。
親友との楽しい会話と、新鮮な魚介類をはじめとした秀逸な酒肴とで、心地よく酔いが回ってきます。

途中からは突然の誘いにも関わらず駆け付けてくれた地元の後輩の女性も同席して酒宴はさらに盛り上がり、そんな中で私は後ろ髪を引かれる思いで上田に帰るべく、お店をあとにしたのでした。

そして今晩も・・・。
ただ今、夕方の6時半、間もなく今宵の酒宴に出発です。

ワイルド7

2014.05.10

ファイル 407-1.jpg

2回前のブログに書いた、神奈川県から来訪してくれた親友。
お酒を飲みながら、お互いに小さい頃から大ファンだった「ワイルド7」の話題で盛り上がりました。

小・中学生の頃、せっかく全48巻揃えたのに、いつの間にかどこかへ消えてしまった「ワイルド7」。
調べると今は絶版との事で、そう思うと後悔の気持ちでいっぱいです。

数日後、その親友から宅配便が届きました。
中から出てきたのは・・・何と上の写真の品々!
そう、「ワイルド7」1巻~18巻。
しかもすべてプレゼントだそうです。

感涙に咽ぶ私。
もったいな過ぎてページがめくれない。
涙、涙で少~しずつ大切に読み進める私でした。

ちなみにワイルド7は、「緑の墓」という物語で、北陸にある刑務所「緑の墓」へ囚人を護送中、国道18号線で上田市内を通過しています。
小学生の頃、すぐ裏の国道18号線をワイルド7が轟音を上げて走り抜けていく姿を思い描いて、心躍らせたものです。

大親友が贈ってくれた事も併せて、宝物がまたひとつ増えました。

ちなみに私はテレビ版「ワイルド7」の主題歌を今でも歌えます。

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