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恥はかき捨て

2017.10.28

とんぼ返りで大阪へ出張してきました。

久々の大阪で感動&困惑したのは、今回もやはりエスカレーターでした。

そう、ご存知の通り、関西のエスカレーターは、追い越しは左側なんですよね。
分かっていながらいつものように左側に立って進路を塞いでしまい、前の人を見て慌てて右側に寄る始末。

ところで私、25歳の時に約半年間、お酒の勉強で大阪の吹田に住んだ事があります。
その時にまず驚いたのは、関西人が「あなた」の事を「自分」と呼ぶこと。

初めての人に「自分、出身どこ?」とか聞かれて、「自分の事が何で分からないの?」とか思ってました。

あの頃は、休みの日はいつもひとり京都へ遊びに行っていて、「おおきに」という言い方に憧れて、食堂とかでお店を出る時に京都人のフリをして「おおきに」とか言ってみたんだけれど、今思えば県外人バレバレだったんだろうなあ。
思い出すと恥ずかしいっ!

ちなみに上田からJRで大阪に行くには3ルートあります。

①上田→長野→(特急しなの)→名古屋→新大阪
②上田→東京→新大阪
③上田→(北陸新幹線)→金沢→(特急サンダーバード)→大阪

調べた結果、一番早いのは③、一番安いのは①でした。
②は新幹線を乗り継ぐので高いです。

「エイリアン コヴェナント」

2017.10.23

9月に観た映画から。

監督の名前だけで足を運ぶ作品ってありますよね。
「エイリアン コヴェナント」。

凄かった。
圧倒されました。
監督リドリー・スコットの世界観と映像美にひたすら酔いしれました。

変な言い方ですが、エイリアンはあくまでも添え物で、登場するアンドロイドと人間とが織り成す感情の錯綜や、両者の価値観の決定的な差異こそが、リドリー・スコットが描きたかったこの映画の本質とさえ思ってしまいました。

ちなみにこの映画、時系列的には「プロメテウス」と「エイリアン」の間に位置付けられています。

そしてオープニングは、アンドロイドのデヴィッドが誕生する「プロメテウス」のさらに前日騨から始まりますが、平和で静かに展開するこのシーンは極めて重要です。

ここからはネタバレになります。

ワーグナーが流れる宇宙船内で、平穏の中に訪れる驚愕のラストシーン。

エイリアンとの戦いに生き残った2人が目的の星に着くまで冷凍睡眠につく中、アンドロイドのデヴィッドが、自らが創造したエイリアンの幼子をいとおしむように生命維持装置に格納して、映画は静寂とともに終わります。
血なまぐささや残虐さを越えた、この作品の戦慄のクライマックスです。

「エイリアン コヴェナント」。
数ある「エイリアン」シリーズの中でも、「エイリアン」「エイリアン2」に並ぶ傑作です。
ただし前作「プロメテウス」を観ていないとストーリーが理解できないのでご注意を。

福井にて

2017.10.14

ファイル 588-1.jpg

上の写真。
私が行ったのはゲケゲの鬼太郎で有名な堺港市でも水木しげる記念館でもありません。

法人会全国大会福井大会。
会場の福井県産業会館での1枚です。

ではなぜ福井に鬼太郎とねずみ男と猫娘が?
これは来年の全国大会が開催される鳥取のPRのひとコマなのです。

開会前に、福井のお土産エリアで鳥取県のパンフレットを配る3人(3体?)を見つけた瞬間、大大大の鬼太郎ファンの私は居ても立ってもいられなくなり、その場に駆け寄って写真をお願いしたのでした。

さて、大会も無事終了して、夜は福井市内の割烹で、上田から参加した5名で、せいこ蟹・のどくろはじめ名物料理に舌鼓を打ちました。

地酒も豊富なこの店で盃を重ねる中、みんなで気も大きくなって注文したのが、お店の方が1本しかないという「梵」の「長期氷温熟成 純米大吟醸」の、しかも720mlフルボトル。

注がれたお酒は、フルーティで繊細で、確かに抜群に美味しかったです。
ただ「特A山田錦 精米歩合20%(!)」という表示を見て、さあ、気になるのはお値段です。
あとで仲居さんに通常売価とお店で出した価格を聞いて、うんうん、それくらいはするだろうなあと、肝を据えておいて良かったと、一瞬冷静になった頭で思ったのでした。

誠意ある回答

2017.10.07

しばらく前の出来事です。

懇意にしている関東の酒販店さんから、今日届くはずのお酒が届いていないとの連絡がありました。
すぐさま業者へ連絡をして調べてもらったところ、中継地点の長野市で積み忘れたとの事。

普通でしたらここで怒るところですが、そうしなかったのは対応した係の方の姿勢が素晴らしかったからです。

ちなみに時刻は夕方5時過ぎ。
そのWさん(私と同じ名字です)は、まずはお詫びを述べたあと、何か対策を考えますと言って一度電話を切りました。

せいぜい「明日できるだけ早くお届けします」と答えるのが精一杯だろうと思っていた私は、すぐに掛かってきたWさんの回答に驚きます。

「これから新幹線に乗せてお酒をお届けします」

その気持ちだけで十分と思った私は、ご迷惑を掛けた先方にこの経緯を伝えご了解を頂いた上で、明日先方の希望時間通りの到着をお願いしました。
ついでに、お酒の品質保持のため常温をチルドに変えてもらえないか頼んだところ、Wさんはどちらも快諾してくれて、実際その時間ぴったりにお酒は冷蔵で届いたそうです。

この件を思い出したのは、今日、あの日以来となるWさんと話をしたから。
とある件をお願いした私に対して「きちんと調べてお返事します」と答えてくれたWさんの言葉には、今回も誠意がしっかり感じられました。

「枯木灘」

2017.09.23

もう何度目になるのか数え切れない中上健次の「枯木灘」を読了しました。

圧倒的な筆致。
むせ返るような濃密な文章。

30歳を越えたばかりでこのような小説を書き上げた中上の才能には、読み返すたびにただただ感嘆するしかありません。

被差別部落を「路地」と呼ぶ、その呼び方も中上によって完全に定着しました。

そんな紀伊半島新宮市の「路地」で生まれ、極めて複雑な家系のもとで育った中上の出自そのものを描いた「岬」「枯木灘」「血の果て至上の時」の3部作は、中上が作品に込めた思いを受け止める覚悟を持って対峙しないと読み進めない迫力に満ち満ちています。

ちなみに「枯木灘」を含む3部作の複雑な家族関係は、文庫版「枯木灘」にのみ載っている家系図を何度も開かないと理解できないほどです。
私はコピーを取って他の作品のページの間にも挟んでいます。

中上が生まれ育ち、数々の小説の舞台となった新宮を2度訪れました。
中上原作で映画にもなった新宮の「火まつり」にも行きました。

高校時代たまたま読んだ中上健次の虜となり、今なお中上の作品を取り出して読むたびに、その文章と筆致にひたすら魅せられる毎回です。

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