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1回お休み

2024.11.15

ブログの更新が遅れていてすみません。

慌ただしい毎日でなかなか時間が取れず、今回は更新を1回パスさせて下さい。

近々しっかり更新します。

その分、皆様に美味しい新酒をお届けできるよう、頑張ります。

「箱男」

2024.11.02

監督の名前で必ず観る映画は多くありますが、石井岳龍(石井聰亙)もそのひとりです。

きっかけは、学生時代に新宿で観た「爆裂都市 BURST CITY」でした。

「これは暴動の映画ではない。映画の暴動だ」のキャッチコピーに惹かれて映画館に入った私は、瞬く間にこの映画の虜になりました。

それから何度映画館に通ったか、何度DVDで観たか、今はもう数え切れません。

そのあと確か池袋で観た、石井監督「爆裂都市」の前作「狂い咲きサンダーロード」。

北野武をはじめとしてその熱狂的ファンの存在で(かくいう私もそのひとりです)、日本映画の傑作として燦然とその名を残しています。

石井聰亙はその後、石井岳龍に改名します。

そしてメジャー公開された「パンク侍 切られて候」は、時代設定こそ違えど「爆裂都市」や「狂い咲きサンダーロード」を彷彿させる石井ワールドが炸裂し、興奮が冷めやりませんでした。

そしてこのたび公開された「箱男」です。

安部公房が書いた原作すらも、あまりに難解で読み解けなかった私にとって、結局のところ映画も極めて難解で、1度観た限りでは理解する事が出来ませんでした。

ただ、小説「箱男」が持つ、構成の「ねじれ」の魔力、超現実主義として描かれる物語の破壊力が、映画でも共通している事は十分に感じ取る事が出来ました。

観終わって「理解できなかった事」が、逆説的に「理解できた事」に繋がるのだと、自分勝手な解釈で誤魔化しています。

27年前、ドイツでのクランクイン前日に、資金調達が出来ずに撮影中止になった同作を、その悔しさを糧にして、同じ永瀬正敏主演でついに蘇らせた石井岳龍。

大好きな石井岳龍のその執念に応えるためにも、また映画館で、そしてBlu-rayで、この難解な「箱男」に対峙し直したいと思います。

秩父の龍勢祭

2024.10.24

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1枚目・2枚目 空に向かって見事に打ち上げられた手作りロケット「龍勢」

3枚目 「龍勢」の保管場所(一般立入禁止)にて。緊張した面持ちの和田若連の面々。

4枚目 観客席の目の前を通って「龍勢」を発射台まで運んでいる和田若連。ちなみに旗を持っているのは私です。


今年も秩父市吉田の「龍勢祭」に、和田若連の一員として参加して参りました。

四方を山に囲まれた秩父市吉田(旧吉田町)。

その吉田町の中心、椋(むく)神社に奉納する形で、二十七の流派が、山の中腹の発射台から、手作りロケット(龍勢)を打ち上げます。

見事、ロケットが空に向かって打ち上がり、中に仕掛けられた落下傘が開いて優雅に舞い降りてくれば大成功です。
流派を越えて、満場の観客から拍手喝采となります。

ちなみにこの手作りロケット。

2つに割った松に、それぞれの流派ごとの流儀で、火薬詰め(墨入れ)が行われます。

この火薬詰めは危険が伴うため、秩父市が指定した火薬詰め場で、許可を受けた者しか立ち入る事ができません。

また当日も、打ち上げ台周辺は、流派の人以外は立入禁止で、周囲には消防車が何台も待機しています。

現代の消防法では到底許されないであろうこの「龍勢祭」が、今も実施され続けているのは、ひとえに400年という歴史の重みからくるものでしょう。

私も、流派のひとつ「和田若連」の皆さんと知り合ってから約20年、連の一員に加えて頂き、毎年10月第二日曜日の実施日当日は、早朝から心躍らせて、吉田の町に向かうのです。

時刻表マニアのプチ旅行

2024.07.06

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大の時刻表マニアの私。

とある日曜日、気分転換にほんの数時間で回ってきたルートは、そんな時刻表マニアとして面目躍如の、普通は思い付かないコースだったと自負しています。

ルートを説明します。

まず上田駅から、1日1往復しか走っていない「草津温泉」行きのバスに乗って、上田市の裏側、群馬県嬬恋村にある、JR吾妻線の万座・鹿沢口駅まで向かいます。

このバス路線の利用がポイントです。

上田駅ひいては長野県と、浅間山の裏を走る吾妻線を結ぶ鉄道はありません。

しかし実はこの両者を結ぶ、上田発10:25の路線バスがある事に気が付く事が肝です。

上田駅前で待っていると、到着したのは写真の通り、豪華なハイデッカーバスでした。
聞いたら、終点草津温泉に着いたあとは、そこから横浜行きの高速バスになるとか。

知名度が低いバス路線でもあり、日曜日だというのに、私も含めてたった3人の客を乗せた豪華特急バスは、長野・群馬県境の峠を抜けて約1時間。
JR吾妻線の終点からひと駅前の万座・鹿沢口駅に到着し、私もそこで下車します。

かつてはこの万座・鹿沢口駅始発で上野行きの特急が走っていたのですが、栄華盛衰、今は各駅停車のみが発着する無人駅となっています(2枚目の写真)。

さて、ここからは鉄道に乗り換えです。

その前にまずは腹ごしらえ。

駅前の食堂に入ってカツ丼を注文したところ、とっても感じがいい妙齢の女将さんが運んできてくれたカツ丼には、写真の通りスプーンが付いていました。
何だかかわいくて面白い(笑)。
ちなみに私は箸で、大変美味しく頂きました。

さて、万座・鹿沢口駅に戻ってしばらく待っていると、この駅が終点の各駅停車が入線してきました。
そして折り返し、12:47発の新前橋行きとなって、すぐに出発です。

このまま新前橋に行ってもよかったのですが、私はあえて途中の長野原草津口駅始発の特急「草津・四万2号」上野行きに乗り換えます。

写真はその長野原草津口駅。
左の車両はここまで乗ってきて20分間停車中の各駅停車。
右の車両は私が乗り換えて先に出発する特急「草津・四万」です。

全席指定の特急列車に乗り換えたあとは、快適な揺れに身を任せながら高崎駅へ一直線。
車窓に釘付けになっているうちに、約1時間であっという間に高崎駅に到着です。

そのまま高崎駅から北陸新幹線に乗り換えて約30分、まだ陽が高い15:30に上田駅まで戻ってきました。

上田を出発して上田に戻ってくるまでちょうど5時間。
旅の醍醐味を満喫出来た、そしていろいろと考え事にも没頭できた、価値のある時間でした。


付記:ちなみにこの上田駅-草津温泉を結ぶ特急バス路線は、この6月30日をもって廃止となりました。

「碁盤切り」

2024.06.08

上田市出身の落語家で私も大ファンの立川談慶師匠が初出演し、師匠自らお勧め頂いた映画「碁盤切り」を観て参りました。

古典落語「柳田格之進」をベースにした、草なぎ剛主演の時代劇です。

率直な感想は、予想を超えてはるかに素晴らしかった、このひとことに尽きます。

碁打ちの達人で浪人武士の主人公が敵打ちを遂げようとする、疾走感あふれるリアルな世界と、主人公を取り巻く、江戸の街のユーモアとペーソスにあふれた落語ならではの世界とを、並行してしっかりと描き切ったシナリオと演出には、思わず「上手いなあ」と唸ってしまいました。

そしてもうひとつ、この映画で感心したことがあります。
それは碁打ちが碁を打つ、その打ち方がとても自然だった事です。

私は大の将棋ファンで、プロ将棋を観戦する事も大好きです。
そんな私がこれまで観てきた将棋を舞台とした映画では、ほぼ例外なく、俳優の駒の指し方が「それってあり得ないだろ」というほど上手くなく、それだけで興覚めしてしまう毎回でした。

しかしこの「碁盤切り」では、誰もが皆、石の打ち方が綺麗かつ鮮烈で、それがまたこの映画のリアリティと格とを数段引き上げていた感がありました。

もうひとつ。
オープニングから登場する、立川談慶師匠演じる長屋の大家は、まさに落語の世界の「大家さん」そのもので、映画の流れをほんのりと一変させる、とても微笑ましくインパクトある存在でした。

談慶師匠、素敵な映画をご紹介頂き、ありがとうございました。

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