先々週、研修旅行で赴いた愛知県に敬意を表して、夜の晩酌用に愛知の酒が並んでいます。
列挙すると
・義侠 純米原酒70% 山田錦100%
・義侠 純米原酒60% 山田錦100% 生酒
・蓬莱泉 純米吟醸 和(わ)
・蓬莱泉 山廃純米 碌(ろく)
・醸し人九平次 純吟雄町 精米歩合50%
これらがずらりと並んで食卓を飾っています。
普段から、夜の晩酌はできるだけいろいろな蔵元さんの酒を飲むようにしています。
そうすると楽しいですし勉強にもなりますし、刺激もたくさん頂きます。
信州上田 ほろ酔い社長がつづる日々の記録
先々週、研修旅行で赴いた愛知県に敬意を表して、夜の晩酌用に愛知の酒が並んでいます。
列挙すると
・義侠 純米原酒70% 山田錦100%
・義侠 純米原酒60% 山田錦100% 生酒
・蓬莱泉 純米吟醸 和(わ)
・蓬莱泉 山廃純米 碌(ろく)
・醸し人九平次 純吟雄町 精米歩合50%
これらがずらりと並んで食卓を飾っています。
普段から、夜の晩酌はできるだけいろいろな蔵元さんの酒を飲むようにしています。
そうすると楽しいですし勉強にもなりますし、刺激もたくさん頂きます。
昨夜、上田市内のバー「D」へ行き、大好きなアイレイモルト・ウイスキーを頼みました。
普段は「アードベッグ」「ラフロイグ」「ボウモア」といった、どちらかといえば有名銘柄にかたよって注文しているので、この日は「ちょっと変わったものを」とリクエストしたところ、「素晴らしいものが入ったんですよ」とオーナーが持ってきてくれたのが写真の1本、その名も「キルホーマン ニュースピリット」です。
もちろん私も初めて聞く銘柄でした。
以下はオーナーの受け売りです。
キルホーマン蒸留所は2005年6月にアイレイ島西部にオープンしたばかりの、出来立てほやほやのディスティラリーです。
オープン当初から大変な人気を博し、この「ニュースピリット」も、ボトリングされて出荷されるや否や瞬く間に完売してしまい、今日出されたのはその中の貴重な1本との事でした。
ちなみに「ニュースピリット」とは、ウイスキーを蒸留したあと、樽に寝かせることなくすぐに瓶詰めしたもので、樽熟していないので色はもちろん無色透明です。
ラベルの表示を見ると、「蒸留年月日 07.12.20/瓶詰め年月日 08.02.07」となっていましたから、まさに蒸留し立てをボトリングした事が分かります。
まずストレートで香りを嗅ぐと、アイレイの特徴である、海草を思わせるヨード臭がガツンと鼻腔を突いて、しかもこれがかなり強烈です。
このヨード臭と、ニュースピリットならではのピーティで荒々しい香りとが2本立てになって鼻を刺激します。
この香りにハマると、アイレイウイスキーの虜になってしまうんですよね。
味わいながらオーナーに伺うと、アイレイで最もクセのあると言われる「アードベッグ」よりも更にクセがあるとの事・・・うーん、分かる気がします。
続いてグラスに水を数滴垂らして味わうと、今度は先程のヨード臭や荒々しさがまろやかになって優しく口中にまとわり付きます。
個人的には、ストレートもいいですが、こちらの飲み方のほうが、よりこのニュースピリットの真価が味わえる気がしました。
最後は、空になったグラスに鼻を突っ込み、香りの名残りまでしっかりと楽しみました。
遠くスコットランドの地で、この時代にあえて新しい蒸留所を立ち上げたオーナーに対して敬意を表しながら、新しいブランドとの出会いと味わいを堪能したひとときでした。
長野県酒造組合青年部(若葉会)の研修旅行へ1泊2日で行って参りました。
毎年この時期、全国各地の蔵元を訪問して勉強させて頂くのですが、今回目指したのは愛知県。
お伺いしたのは「義侠」の山忠本家酒造、そして「蓬莱泉」の関谷醸造株式会社、どちらも今大変勢いのある蔵元です。
蔵内の設備等も大変勉強になりましたが、それ以上に学ぶ事が多かったのがやはり経営方針や今後の方向性といった蔵元の考え方です。
ふたつの蔵元の考え方はある意味対極に位置していました。
しかし、風潮に流されずに我が道をしっかりと進み、結果として多くのファンを獲得し、そしてしっかりと日本酒を売っている姿勢はどちらも同じで、大いに勉強になり何よりたくさんの刺激をもらいました。
不況だ何だと言っているうちに他にやる事は山ほどあるだろう、改めてそんな事を痛感した2日間でした。
(写真は山忠本家酒造)
ゴールデンウイークの真っ只中、東京の日本酒専門酒場の若旦那とお母様が長野市へお見えになり、夜の食事にお誘いを頂きました。
この若旦那は以前2007.12.13のこのコラムにも書かせて頂いた方で、日本酒の啓蒙に全身全霊を傾けており、お店はいつも日本酒を愛するお客様で超満員で、そんな若旦那を私も常日頃から敬愛しております。
このお店、初めて訪問した時から衝撃の連続でした。
まず驚いたのは、お酒の酒類の多さと、その徹底した貯蔵及び提供温度の管理。
今でこそそんな事当たり前と言われそうですが、今から十数年以上前からそれをしっかりと実践していたことはやはり凄い事です。
常時数百本の在庫はそのお酒に合ったベストの状態で保管され、例えば「しぼりたて生原酒」をあえて1年寝かせぬる燗で提供する、そんな、若旦那が最もそのお酒が活きるという思いから生み出されるサプライズもざらです。
そして、とにかくお酒が安い!
銘柄に関係なく、どのお酒も驚くべき値段で提供されます。
正一合、きっちり入れられたお酒は、そのコストパフォーマンスの素晴らしさに、おいしさも倍増します。
これも、お酒の素晴らしさを伝えたいという若旦那の信念からくるものです。
さらにさらに、お母さんが作り出す料理がこれまた感動のおいしさ!
実はこれらのお皿の数々は、レシピも含めて何冊かの本になっている程です。
定番メニューはもちろんの事、その季節によって手を変え品を変え出される料理は、それをお目当てに来るお客様でいつも売り切れ必死です。
そして、それらをひっくるめて、このお店を訪れた誰もが感じるのが、若旦那とお母さんのホスピタリティーの高さです。
日本酒を飲みたいお客様なら、おふたりは心から胸襟(きょうきん)を開いて歓迎して下さいます。
知識は関係ありません。
こんな味のお酒が飲みたい、そんな好みを伝えれば、若旦那はベストの一本を選んで勧めてくれます。
お客様もそんなお店の姿勢をよく分かっていて、お互いに気持ちよく相席は当たり前、そして隣席の見知らぬ客と知らず知らずのうちに打ち解けて、日本酒が媒介する素敵な一夜が過ぎていくのです。
お客様として、全国の蔵元も数多く来店されます。
でもそれは営業とかではなく、ひとえにこのお店が好きで、そして日本酒の魅力を余すことなく伝えてくれるこのお店に最高の敬意を表して、ただ単にひとりの客としてお酒と料理を楽しむために訪問するのです。
僕もそのひとりです。
そして、蔵元の知り合いは全国に数え切れないほどいるにも関わらず、若旦那はその蔵元のお酒を蔵から直接購入することは一切ありません。
必ず酒屋さんを通して購入されています。
その事が日本酒業界が少しでも潤うためになる事を、若旦那はよく分かっているのです。
余談ですが、夏の猛暑でも、1日に出るビール(エビスの小瓶を置いています)はいつも数本とのこと。
他はすべて日本酒、日本酒比率は実に99%超、凄いのひとことです。
さて、肝心のお店の名前と所在地ですが、ごめんなさい、実は公表する事ができません。
このお店、これまでにも匿名で名前を伏せて数多くの書面や紙面を飾り、また幾多のお酒のマンガのモデルにもなっています。
でも若旦那とお母さんは、いつも来て下さるお客様をまず大切にしたい、そんな信念から店名と所在地を一切明らかにされていません。
しかしまた、それがこのお店が輝いて見える理由のひとつなのだと思います。
ヒントだけ。
12/13の本欄で取り上げた「うまい日本酒はどこにある?」(増田晶文著)からの抜粋です。
「さて、肝心の名前と場所なのだが、割愛させて頂きたい。私がいくら頼んでもこれだけは譲ってくれなかった。住所は東京・目黒区にあるビルの一階、東急田園都市線の渋谷駅に近い駅で下車する、というのが最大の譲歩だという。」
先日の「登水(とすい)・吟醸酒」に引き続きまして、週明け4月28日(月)から「登水・純米酒」を発売します。
本年度は酵母がなかなか言う事を聞いてくれなくて、もろみをなだめになだめ、予定を大幅に越えてもろみ日数50日!、でも目指す数値まで無事育ってくれました。
原酒のアルコール度数が16.4と低めなので、そのままの状態を味わって頂きたいと思い、加水せずに原酒のまま瓶詰めしました。
ひと口含むと、まず純米酒ならではのフワリとした柔らかさが口いっぱいに広がります。
続いて、きれいな酸(今年は特にこのフレッシュな「酸」が特徴です)がオーケストラの弦楽器のようにシャープに舌の上で踊り始めます。
柔らかさと酸との調和、今年の「登水・純米酒」はこのバランスが昨年以上に個性を放って感じられると思います。
成分等は以下の通りです。
・使用米:美山錦
・精米歩合:49%
・使用酵母:アルプス酵母
・アルコール度数:16.4
・日本酒度:+3
・酸 度:2.6
・アミノ酸度:1.8
価格はこれまでと同じです。
・720ml:1365円(税込み)
・1.8L :2625円
諸物価高騰の折、本当は少しでも値上げしたいのが本音ですが、でもこのお酒は、売って下さっている酒販店様とお買い求め頂いたお客様に私自身を育てて頂いているお酒ですので、感謝の思いを込めて変更なしで臨みます。
弊社HP内「登水」のページに掲載の酒販店様からお買い求め下さい。