このたび1月1日付けで代表取締役社長に就任致しました。
それに伴いブログのタイトルも2文字だけ変更致しました。
これからも頑張ってブログを更新していく所存ですので、今まで同様ご愛読の程よろしくお願い致します。
記事一覧
ご報告
低アル酒の可能性
写真は今日現在の「登水・山田錦純米酒」の酒母です。
順調に育っており、この酒母をもとに、もうすぐもろみの仕込みに入ります。
3月には正式に製品として発売のご紹介できると思います。
本年度の「登水」にも乞うご期待下さい。
そして年末すべり込みセーフで発売を開始した「純米しぼりたて生原酒」。
おかげ様でご好評を頂き、12月末までの数日間で発売予定本数の半分以上を出荷することが出来ました。
ご購入頂いた皆様に心より感謝申し上げると共に、まだお試し頂いていない皆様にはぜひ旬の味わいをお楽しみ頂きたく存じます。
もし取扱酒販店さん等が分からない場合は遠慮なくご一報下さい。
さて、今日の話題です。
最近、低アルコール酒がおいしい、という話です。
以前も書いた通り、私は夜の晩酌の際には他の蔵元のお酒をズラリと並べて味わうのが常です。
そんな中、ここのところアルコール度数13度台で、驚くほどおいしいお酒が続々と出ていることに感動と驚きとを覚えています。
最近では数日前に東京駅地下の「はせがわ酒店GraSta店」で購入した、「醸し人九平次<rue Gauche>純米吟醸」と「雨後の月 特別純米山田錦」。
どちらもひと口含んだ瞬間、13度台とは思えないボディの厚さとふくよかな旨みに圧倒され、思わず「うまいっ!」と声を上げてしまいました。
これまではどちらかと言うと、低アルコール酒=アルコールに弱い方向けの飲みやすい、言い方を変えれば少し薄いお酒のイメージがありましたが、「低アル酒」という分野の新しい可能性を身を持って知らされ、私も大いに刺激を受けました。
日本酒の楽しさ、面白さは無限大、まだまだ広がります。
初しぼり
待ちに待った「純米しぼりたて生原酒」が完成しました。
何とか年内に発売したいと切望してはいたものの、そこは生き物との勝負。
こちらが思うような酒質に仕上がるまで、じっと我慢の日々でした。
その甲斐あって、今年の初しぼりとなった今回のタンク、素晴らしい出来上がりです。
マスカットのようなフルーティな芳香。
旨味がたっぷり詰まった透明感ある味わい。
12月28日発売、季節限定の逸品です。
ぜひ味わってみて下さい。
そして「登水(とすい)」もいよいよ酒母(もろみの元になるもの)が立ちました。
今年の「登水」、2種類あるうち、従来の「吟醸酒」が変わります。
昨年度までの「全量山田錦/精米歩合59%」というスペックは変わりませんが、大きな違いはアルコール添加を止めてオール「純米酒」仕様となる事です。
ですので今年の「登水」は
・「山田錦/精米歩合59%純米酒」
・「美山錦/精米歩合49%純米酒」(こちらは従来通り)
以上の2種類となります。
これから2月に掛けて、「登水」もゆっくりゆっくり育っていきます。
出来上がりを乞うご期待ください。
写真上:「登水」の原料米「山田錦」
写真下:蒸し上がった山田錦に種麹をふっているところ
清酒製造の原理 入門編
冬も本番となり、いよいよ仕込みの最盛期を迎えています。
当社の「純米しぼりたて生原酒」も年内の発売を目指して、もろみが順調に育っているところです。
そんな中、今日は日本酒ができる原理を簡単に説明したいと思います。
今人気の池上彰さんの「そこからですか?」(週刊文春)ではありませんが、初めての方にも理解できるようにお話し致します。
そもそも日本酒に限らず、お酒のアルコールはどうやってできるのでしょうか?
これは分かり易く言うと、「糖分(ブドウ糖)」を、微生物である「酵母」が食べて、「アルコール」と「炭酸ガス」というウンチに変える、そう考えて下さい。
これを「アルコール発酵」と呼びます。
<アルコール発酵とは>
糖分(ブドウ糖)→ アルコール/炭酸ガス
↑
酵母
さて、続けます。
日本酒の原料はお米です。
ではお米の中に、アルコール発酵に必要な「糖分」は存在しているでしょうか?
お米をかじっても甘味がない事からも分かるように、お米そのものには糖分はありません。
つまり、糖分がない状態のままではアルコール発酵は不可能という事になります。
それではどうやってお米から糖分を発生させるのでしょう?
ここで大切な役割を担うのが「麹菌」です。
お米の主要な成分として「デンプン」があります。
このデンプン、実はブドウ糖がいくつも鎖状に繋がった物質です。
すなわち、ブドウ糖がいくつも連なったデンプンの、その鎖を断ち切ってしまえば、一個一個のブドウ糖に分解されるのです。
この「デンプンをブドウ糖に分解する」のが、麹菌が生成する「糖化酵素」と呼ばれる物質です。
このように、お米の主成分であるデンプンをブドウ糖に分解する働きを「糖化」といいます。
<糖化とは>
米中のデンプン → 糖分(ブドウ糖)に分解
↑
麹菌が生成する糖化酵素「アミラーゼ」
以上でお分かりの通り、日本酒は「糖化 → アルコール発酵」という二段階を踏むことにより、原料のお米からアルコールの生成が可能になるのです。
もう少し掘り下げます。
日本酒の仕込み中、タンクには以下のものが投入されています。
・麹米
・掛米(ただ蒸しただけのお米)
・水
・酵母
同じタンクに麹米(=麹)と酵母が両方入っていますので、「糖化」と「アルコール発酵」が同時に進行します。
これを「並行複発酵」といい、日本酒製造の大きな特徴のひとつとなっています。
日本酒の「並行覆発酵」は、同じタンクの中でまず「糖化」が進むため、初期の頃は甘さが先行します。
「糖化」によりブドウ糖が多量に生成されると、今度は「アルコール発酵」がどんどん進行するので甘さが減少し、それに比例してアルコール度数が上がり始めます。
そして目指す甘辛度(=日本酒度)やアルコール度数、さらには酸度やアミノ酸度等、もろもろの要素を総合的に判断した上で、最終的に搾る時期を決めるのです。
街角のお店、雑記
今日のお昼に「すき家」の牛丼を食べましたが、あまりの安さに改めて驚きました。
だって、牛丼の並盛りにサラダと味噌汁を付けて、しかもキャンペーン中だったので30円安くて、お会計は350円!
これでしっかり利益が出ているのですから大したものです。
そういえば数日前、出張先での事です。
あれこれあって一段落したのが午後11時。
早速一杯飲みたくて、いつものように居酒屋を探して辺りを徘徊したのですがもうどこも閉まっていて、目に入ったのは「吉野家」の看板のみ。
仕方なく空腹を満たすために入店したところ、メニューの下にちっちゃく「日本酒」の文字を発見して早速注文。
コールスローサラダと牛キムチクッパを肴に(凄い取り合わせですけど)出てきた1合びんのお酒を飲みました。
驚いたのは、その日本酒がどこの物とも分からない安酒ではなくて、ちゃんとした新潟の本醸造生貯蔵酒だったこと。
へぇー、吉野家でもこういうところにこだわる時代になったんだと、妙に感動して味わいました。
ただグラスが臭かったのには閉口しましたけど。
そしてお勘定は、クッパ280円、コールスロー90円、お酒330円で、しめて700円!
こちらも安い。
これはこれで何だか新鮮な驚きでした。
思えば最近は、チェーンの居酒屋でもそれなりの日本酒の品揃えをしているお店が増えましたよね。
この前もお客様から、上田駅近くの全国チェーンに弊社の銘柄が置いてあったと聞いて驚きました。
納品している酒販店さんが勧めて下さったのでしょうね。
お酒の間口が広がる嬉しさも含めて感激しました。
逆に数年前の悲しくて笑える話。
蔵元数名と軽井沢に行った時のことです。
昼食を取ろうと、目に付いたラーメン屋に入りました。
せっかくだからラーメンを食べる前に一杯飲もうということになってつまみと一緒に頼んだお酒、これがはっきり言っておいしくない。
おばちゃんに「このお酒、何?」と聞いたところ、カウンターの上にどんっ!と紙パックの三増酒(多量の醸造アルコール、加えて糖類やアミノ酸を添加したお酒)を出してきました。
余計なお世話と思いつつ、「おばちゃん、軽井沢の人間なら、せめて地元のお酒を使ったほうがいいよ」とアドバイスすると「あたしゃ夏だけこのお店を出している横浜の人間だよ」という、洒落ているのか小憎らしいのか分からない答えが返ってきました。
おまけにお会計は、確かにお酒をそこそこ飲んだとはいえ、昼間からひとり5千円!でした。
いったい一杯いくらのお酒だったんだ?
ふざけんな。
もうひとつ。
普段外回りの最中、時間がない時に利用する立ち食いそば屋。
安いしお店のおばちゃんたちの愛想も良く、慌ただしい中にもひと息つけて、いつもおいしくお蕎麦を頂いています。
でもお願いです。
お店を出るときに大声で「毎度!!」は止めてもらえませんか。
恥ずかしいです。