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連チャンの長野市

2014.06.07

今週は2日続けて長野市へ飲みに出掛けました。

私が住む上田駅から長野駅までは長野新幹線で13分、在来線のしなの鉄道(旧信越本線)で45分。
近いようでいて、いざ行こうと思うとなかなか重い腰が上がらない、微妙な距離です。
それでもこの2日間は素敵な仲間とお気に入りのお店で飲めるという事で、以前から心待ちにしていました。

まず初日。

この日は、折に触れ酒席を囲む、上田市の小児科医のM先生(私の主治医でもあります)と、社会保険労務士のY先生の3人で、馴染みのレストランバー「リビアーモ」へ参上です(このブログでもたびたび登場の1軒です)。

この3人で長野市で飲む時は、いつもならこのお店は締めの1杯で立ち寄るのですが、今日はしっかりとフルコースを予約した上での訪問です。
オーナーの坂田氏も気合十分で、最初のスープから締めの和牛に至るまで、すべての皿で存分に期待に応えてくれています。

そして我々が、というよりはY先生がメインに選んだフルボトルは、ブルゴーニュの赤ワイン、コント・ジョルジュ・ヴォギエの「シャンボール・ミュジニー2002」。
最初に香りを嗅いだ瞬間から思わず陶然とする、それはそれは見事な味わいの1本を、時間を掛けて料理ともどもゆっくりと楽しみました。

そして翌日。

私がこの業界に入ってから今日まで公私にわたりずっとお世話になり続けている大恩人、長野市「酒のかすが」店主の春日康男さんと共に、これまた行きつけでこのブログにも何度も登場の居酒屋「べじた坊」へ。
日本酒をこよなく愛する若林さん・石垣さんのおふたりで切り盛りする野菜料理がメインのお店です。

ひとりで杯を傾けるのも好きですが、出会ってから25年、常に叱咤激励を頂き続けている春日さんと飲むお酒はこれまた格別です。

この日も春日さんのお気遣いで「和田龍登水(とすい)」で乾杯したあとは、いつものようにサービスの石垣さんが会話の空気を絶妙に読んで、何も言わなくても「あ、うん」の呼吸で次々に全国の銘酒を提供して下さいます。
そして若林さんの手によるお任せの料理の数々のおいしさよ。

最後はこのお店の恒例で、カウンターで同席した初めてのお客様も巻き込んで、楽しい時間に花を咲かせたのでした。

素敵な仲間と素敵なお酒、まさに至福のひとときです。

常連への一歩

2014.06.02

酒場に限らず、友人・知人の常連のお店に連れて行ってもらった時、必ず心掛けている事があります。
若い頃に私がお世話になっている方に言われた教えです。

「紹介者に連れていってもらったお店に、次にその方抜きで行く場合、最初の3回は必ずその方にひとこと許可をとること」。

至言です。
以来、私は必ずそうしています。

常連とは、その方がお店と長い時間を掛けて培ってきた信頼関係の成果です。
ですから、たった一度同行しただけの自分が、その方と同じだけの人間関係をお店と築けたと勘違いしては、その方への敬意も含めて断じていけないと思うのです。

その方には随分といろいろなお店に連れて行って頂きました。
若い頃の自分には身分不相応なお店ぱかりです。

中でも銀座の「MORI BAR」、恵比寿の蕎麦懐石「翁」は、今も憧れの名店です。

オーナーバーテンダー毛利さんのドライマティーニを飲みに来る客があとを絶たない銀座「MORI BAR」。
そんな毛利さんと親しく話すその方を見て、いつか私もああなりたいと羨望に包まれた夜を何度も過ごさせて頂きました。

ご一緒した時、メニューにないその方だけの料理の数々をお相伴に預かった恵比寿「翁」。
お勘定の時、払うと言って聞かない私に、「今日は私が払います。でもそこまで言うなら、いくら掛かったかだけ、社会勉強のために見せてあげましょう」と言って見せて下さったその値段の凄さに思わず仰け反り、「払わなくて良かった」と胸を撫で下ろした私。
でもそのお店の料理と空間が好きで、その後何回か行かせて頂きました(ただし通常のコース料理で、ですが)。

私は5千円払って初めてのお店に行くよりも、1万円払って馴染みのお店に行く派です。
何らかのきっかけでお気に入りのお店が出来れば、そこにとことん通い詰めています。

要は、じっくりと時間を掛けて、お店と自分とが価値観を共有し合える1軒に出会えることが、即ち人生の幅にも繋がると思いつつ、今日も夜の街に繰り出しています。

沙良庵 1日限定オープン

2014.05.26

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写真上:1日限定「沙良庵」の店内
写真下:会社の事務所に飾ってあるサラさんのイラスト


昨日は東京の日本酒専門居酒屋「酒徒庵」を、ご常連のイラストレーター、サラさんが1日ジャックして「沙良庵」がオープン。
そこにご招待を頂いて、急遽掛け付けました。

まだ日の高い午後1時開店。
店内に入れば、参加者30名のうち蔵元が8名と、何とも贅沢かつ濃密な空間の中で酒宴が始まりました。

いつもはオーナーとしてお店を仕切っている竹口さんですが、この日ばかりはサラさんが店長。
そんなサラさんの元で、竹口さんはお酒や料理の提供で店内を駆け回っています(笑)。

そしてこの日はお客様と蔵元との敷居は一切なし。
全員が同じテーブルを囲んで、各蔵の銘酒、そして酒徒庵(いや、沙良庵)の美味なる酒肴を存分に味わい、時間を忘れて大いに語り合いました。

ところでサラさんってどんな人?
男性?女性?
若いの?お年を召しているの?
名前だけでは分かりませんよね。

でもあえて秘密にします。
都内のどこかの銘酒酒場で、上の写真のようなお酒とパンダのイラストが置いてあれば、そこはサラさんの行きつけです。
いつかの私のように、カウンターの隣を振り向いたらそこにサラさんがいた、なんて事があるかもしれません。

午後5時、「沙良庵」閉店の時間です。
初めて出会うお客様そして蔵元が、いつの間にか親しい仲間同士になっています。
話は尽きず皆が名残り惜しむ中で、お客様がお土産で飲みかけの一升瓶を抱えて帰途に付かれます。

「沙良庵」・・・こういう遊び心っていいなあとしばし感慨に耽ったひとときでした。

そしてそのあと、サラさん、竹口さんはじめ数名の蔵元で場所を移動して打ち上げ。
あとで考えてみたら帰りの新幹線の時間まで7時間日本酒を飲み続けた、何とも贅沢な1日でした。

おこがましい話

2014.05.19

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いつも公私にわたりお世話になっている長野県南佐久郡小海町の「酒舗 清水屋」さん。
そこの若き店主、小山英浩さんの男気あふれる人間性にいつも私はぞっこんです。

実は小山さんと面識が出来る前から酒舗清水屋さんの凄さは至るところで耳にしていました。
そんな小山さんに一度会いたいと思っていた矢先、某イベントで偶然ご本人が弊社のブースに立ち寄られました。

この機会を逃してなるものかと、私が半ば強引にお誘いして、数日後わざわざご来社頂いてじっくりと語り合ったあの日以来、小山さんとはかれこれ10年来のお付き合いになります。
そして時が経てば経つほど男小山に惚れ込む自分がいます。

そして昨年、小山さんは満を持して新幹線佐久平駅前に2号店を出店されました。
こんなご時勢だからこそ酒屋としての意気込みを示したい、その熱意に大いに感動したものでした。

そんな小山さんから思いも掛けない要請が来たのは先々月の夜でした。

新店舗の佐久平店の一角に、期間限定で「和田澄夫コーナー」を設けたい(ちなみに私のことです)。

えっ・・・。
頭から汗が吹き出てくるのが分かります。
私ごとき者があまりにおこがましい。
しかし小山さんからの依頼であれば、受けなければ男がすたる。
という訳で、その場で即答で了承している自分がおりました。

そして昨日、恐る恐る清水屋佐久平店を訪れました。
緊張しながら足を踏み入れた店内は相変わらず清潔でモダンで、凛とした空気が流れています。

そしてその真ん中に私のコーナーがありました。

ありがとうございます。
ただそのひと言です。

多くのお客様で賑わう店内で写真を撮らせて頂き、そして小山さんはご不在だったので、スタッフの依田さん、嶋崎さんとあれこれお話をさせて頂いて、いつも通りお酒を何本か購入しました(これが毎回の楽しみのひとつです)。

ちなみにこの日購入したお酒ですが、まずは宮城県の「墨廻江」から1本。
実は明日からあさってに掛けて、長野県酒造組合青年部にあたる「若葉会」の研修旅行で見学させて頂く蔵元なのです(その他に「浦霞」の佐浦様と「日高見」の平考酒造様も訪問します)。

次に長野県内からは、日頃から尊敬する蔵元の一社、高沢酒造「豊賀」より2本。
「火入れ」と「生酒」を買いましたので、それぞれの良さをじっくり堪能したいと思います。

続いて、清水屋さんは焼酎の品揃えに関しても豊富なので、鹿児島県の芋焼酎から最もハードな味わいと最もライトな味わいをそれぞれ選んで頂いて各1本。

そしてワインのコーナーからは、上田市の隣の東御市にワイナリーがあるリュー・ド・ヴァンの「巨峰スパークリング」。
「巨峰」と侮ることなかれ。
実はこのスパークリング、昨年私が偶然口にして、そのおいしさに大感激した1本なのです。
しかし醸造元ではとっくに完売で、ここ清水屋さんで新酒が並んでいるのを見て、速攻で購入しました。

そんな訳で、酒舗清水屋さんは小山英浩氏の夢とロマンとがぎっしり詰まった一軒です。
そんな小山さんから頂いた今回のお話、大変意気に感じて、恥ずかしながら掲載した次第です。

地酒三昧の夜

2014.05.03

昨日は業界で大変お世話になっている客人がわざわざ東京から上田を来訪。
昼間はじっくり会社で話をして、夕方からは蔵元O君と3人で上田の街に繰り出しました。

まず最初は、信州地酒の品揃え豊富な海鮮居酒屋で1杯。
と思っていたら、1杯どころかメニューの地酒を片っ端から注文し始めて、外はまだ明るいうちから3人とも既にご機嫌状態です。

肴は、新鮮な魚介類と共に、客人が食べた事がないという地元で採れたこしあぶら(山菜です)の天ぷら。
旨い旨いと喜ぶ顔を見て、我々ふたりもご満悦です。

かなり酩酊したところで、せっかく上田に来たのだから、今度は名物の「美味(おい)だれ焼き鳥」を食べてもらおうと店を移動します。

知らない方に説明すると、「美味だれ」とは、すりおろしたにんにくがたっぷり入った醤油味のたれで、お店によっては隠し味でリンゴを入れたりもして、それを焼き鳥にかけて食べます。
上田の名物で、私も小さい頃から当たり前のように食べていましたが、このたれが上田だけのものと知ってびっくり。
今は上田市が商標登録を取って売り出しています。
翌日にんにく臭さで皆に顔を背けられるのが唯一の難点です。

という訳で、次の店では「美味だれ焼き鳥」のメニューを片っ端から頼み、こちらでもメニュー豊富な信州地酒を何種類もぐびぐび。

しかしそこで終わらないのが酔っ払いのいいところです。
ここまで来たら、客人には信州そばを食べてもらわないと帰せないという事で、続いては蕎麦屋に乱入。

これまた信州の地酒とともにお蕎麦を堪能。
ちなみに客人には有無を言わせず「もりそば」の大盛りを注文しましたが、彼はそれをペロリと完食、逆に我々を驚かせました。

時計を見ると、もうかなり夜も更けています。
でも旨い日本酒と楽しい会話は決して悪酔いしないものですね。
この晩も、3人で浴びるほど飲んだにも関わらず気分はほろ酔いで、客人をホテルまで見送って2人帰途に付きました。

家に帰ると、テレビではWOWOWでhideのライブが流れています。

そう、今日はhideの命日。
16年前、最初に新聞でhide逝去を知った時のショックは今でも忘れません。

その後、hide MUSEUMを何度も訪れたり、娘と三浦海岸のhideのお墓参りをしたり。
今でもhideの存在は心の中で決して色褪せません。

今も生きていたら、hideはどんな音楽を我々に聴かせてくれていたのでしょう?

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