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まるで水のような・・・。

2016.03.18

3月も半ばに差し掛かり、「和田龍登水(とすい)」をはじめとする新酒のお問い合わせを多く頂きます。

皆様、もう少しお待ちください。
今年は5月上旬から新酒を順次発売する予定です。
お待たせする分、ご納得頂ける品質のお酒をご提供しますので、乞うご期待。

さて、今日の話題です。

先日、所要のあと空腹を満たすため、ふらりと目に付いた寿司屋に入りました。
握り1人前と熱燗を頼み、早速運ばれてきたお銚子からお猪口へ酒を注いでぐいっと飲み干したところ・・・。
ん?
何これ?

もう一度飲み干しても、ほのかに酒の香りはするのですが、どう味わってもただのお湯です。
これまでにない超辛口のお酒が出たのか!などと悠長な事を言っている余裕はありません。
サービスのおばちゃんに「すみません。このお酒なんですけど・・・」と恐る恐る聞いた瞬間、「あらやだ!水でした?」という思いも掛けぬ即答が返ってきました。

「昨日お燗器の中を水洗いしたんですけど、水が抜け切らずにお出ししちゃったんですね。ごめんなさいっ!」と恐縮することしきり。
カウンターの中の板前さんも詫びています。

あまりに率直な反応にこちらも愉快になってきてしまい、本当は入れ直してもらった2本目のお酒も実はまだちょっと水っぽかったのですが、「大丈夫、大丈夫」と言ってそのまま飲み続けました。

板前さんがお詫びの印に山盛りの海老みそを出してくれて、これがまたえらく美味。
それをちびちび舐めながらついつい杯を重ねてしまいました。
ちなみにお寿司もとても美味しかったです。

でもあのお銚子、なまじ微かなお酒の残り香が感じられただけに、「水ですか?」と聞くに聞けずに飲んじゃう人もいたりして。
いや、いないか(笑)。

ワイン展

2016.02.27

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しばらく前ですが、上野の国立科学博物館の「ワイン展~ぶどうから生まれた軌跡~」に行って来ました。

東京の大学に通う息子から「ワイン展、すごく良かった」との感想が届き、それならばと出張の折に足を運んだのでした。

いざ「ワイン展」の特別展示室に入って最初に驚いた事、それは若者の多さ。
ざっと見渡して、全体の7~8割が学生と見られる若い男女です。
お酒に携わる者として新鮮な感動と喜びです。

場内は
ZONE1 ワイナリーに行ってみよう
ZONE2 ワインの歴史
ZONE3 ワインをもっと楽しむ
という3つのコーナーに分かれ、製造から味わい方まで、多角的にワインが学べる形となっています。

内容は初歩的で分かりやすく、それがまたワインを学びたい若者の集客にも繋がっているのでしょう。
2・3枚目の写真は、個人的に興味を持った「ワイン酵母」と「亜硫酸塩」の写真ですが、こういった専門的な展示は例外的でした。
(会場内は基本的に写真OKで、この計らいにも感激でした。)

展示の最後は、毎年違った芸術家がラベルのデザインを手掛けることで有名な「シャトー・ムートン・ロートシルト」の歴代のボトルがズラリ。
抜粋します。

1947年 ジャン・コクトー
1948年 マリー・ローランサン
1958年 サルバドール・ダリ
1964年 ヘンリー・ムーア
1970年 マルク・シャガール
1973年 パブロ・ピカソ
1975年 アンディ・ウォーホール
1979年 堂本尚郎
1985年 ポール・デルヴォー
1988年 キース・へリング(写真4枚目)
1990年 フランシス・ベーコン
1993年 バルテュス

こうやって列記していると改めて凄さを実感します。

質・量ともにボリュームたっぷりの約2時間。
学生の皆さんの熱気も併せて存分に堪能した価値ある時間でした。

ところで、お土産売り場で並んでいた某有名ソムリエのセレクトワイン、こういうのって儲かるんだろうなあ。

良き友、良き酒

2016.02.13

珠玉の友と一緒に、珠玉の店で飲む機会に恵まれました。

その友、敬愛するKちゃんと、いつか一緒に行こうといっていた、こちらも敬愛する日本酒の聖地C。

たった数時間のためにふたりで新幹線に飛び乗り、お店の扉を開けると、そこではいつもの笑顔で店主のTさんが待っていてくれました。

あらかじめ用意された席に着き、あとは店主Tさんに身を委ねるのみ。
コース仕立ての料理1品1品に合わせて、Tさんが厳選した日本酒が江戸切子のグラスに注がれて出てきます。

その美味しさ、見事なマリアージュにまずは感激。
そして店主Tさんが話して下さる、そのお酒の解説や、そこから広がる壮大な日本酒ワールドに、ふたりとも時間を忘れてぐいぐいと引き込まれていきます。

この日のクライマックスはグラスの違いによるお酒の飲み比べ。
トン、とテーブルに置かれた「和田龍登水 美山錦」(Tさんのサプライズ!)の前に、次々と置かれる形状の違う8種類のグラス。
すべて江戸切子で、ワインでいえばシャンパン型、ブルゴーニュ型、ボルドー型・・・。

飲んでみると、同じお酒なのにすべての味わいが違って、まさに目からうろこのひとことです。
Kちゃんが「このお酒の味わいを活かしていると思う順番にグラスを並べて頂けますか?」と聞いた先から、Tさんは8種のグラスを順番に入れ替えていきます。
その手さばきの見事さに見惚れながら、Tさんの説明に聞き惚れるふたり。

その後も話は尽きません。
良き友、良き酒、良き会話は、酔いも最上である事に改めて気付かされます。

そしてあっという間の閉店時間。
Tさんに見送られ東京駅へ向かいながら、今日の濃密な時間に改めて感謝したふたりでした。
やっぱり日本酒って素晴らしい!

ニューヨークよりご来訪

2016.01.22

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上田市の地酒専門店「宮島酒店」店主、宮島さんからのお誘いで、ニューヨークで日本酒のみを販売する、その名も「SAKAYA」のオーナーご夫妻と一献を傾ける機会に恵まれました。

日本酒の魅力に取り付かれた事がきっかけでニューヨーク唯一の専門店をオープンしたと語るオーナーのリックさんと女将の裕子さん(日本の方です)。

年中無休のお店を休んで日本の蔵元を回るのが楽しみと語るおふたりは、この日も長野県内の2蔵を見学。
そんなリックさんと裕子さんに、この日集まった酒販店3名と蔵元3名は立て続けに質問を浴びせたのでした。

ちなみにおふたりからのお土産として乾杯したのが、アメリカで栽培した山田錦で仕込んでアメリカで販売している某大手メーカーの純米大吟醸(精米歩合45%)。
これが美味。
程よいフルーティな香り。
柔らかく繊細な甘みと旨み。
心地よいキレ。
あっという間に1本が空になりました。

ビンの裏を見ると適温表示が。

Chilled:Excellent
Room Temperature:Good

なるほどね。

「乾杯条例」可決

2016.01.15

先月長野県議会で、信州の日本酒やワインでのカンパイを促す「信州の地酒普及促進・乾杯条例」が全会一致で可決されました。

カンパイといえば、何はともあれビールの栓を開ける横から「ぜひ日本酒で」という声が届きにくかった昨今。
そんな中で今回の決定は力強い後押しを頂いた思いです。

このような「乾杯条例」がある自治体は、第1号の京都市をはじめとして7県あります。
それに続いて、地域振興のために英断を下して頂いた長野県議会そして県知事にはありがたい思いでいっぱいです。

ちなみに我が上田市では上田商工会議所がかなり早くから地酒の振興に取り組んでいます。
今年も新年の賀詞交換会では上田の7蔵の酒樽が並ぶ中で盛大な鏡開きが行なわれ、もちろんカンパイは日本酒。
壁には各社のお酒の紹介が大きく貼られ、テーブルに所狭しと置かれた四合瓶が次から次へとカラになっていきました。

皆さん、地域の酒文化の活性化のためにも、できましたらカンパイは地元の日本酒・ワイン・ビールでよろしくお願い致します。

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