あけましておめでとうございます。
無理のない範囲で肩の力を抜いて始めたこの「雑記帳」ですが、思わぬ方面から「読んでるよ」コールを頂いたりして、緊張すると共に励みにもなっている今日この頃です。
これからも時間を見つけてアップしていきますので、よろしくお願い致します。
さて、今日の話題。
お酒を扱っていて、ここのところしみじみありがたいと思うのは、お酒には色がついていて当たり前という認識が広がってきたこと。
そう、お酒にはもともと色があるのです。
そして、お酒を熟成させればさせるほど、色も少しずつ増してきます。
一方で、お酒の製成過程には「活性炭ろ過」というものがあります。
これは、搾ったあと、炭素の粉末の表面に空いた大小さまざまな多数の孔(あな)に、お酒の着色物質や雑味・雑臭成分を吸着させて除去し、品質をきれいにし安定させる技術です。
ただし、ここで活性炭を使い過ぎると、お酒の良い香りや味わいまで失われてしまうどころか、お酒の個性そのものが奪われ平坦な酒質になってしまう、いわば「活性炭ろ過」は両刃のつるぎなのです。
ですので、最近はこの「活性炭ろ過」は極力抑える方向にあります。
そこには、搾った時の状態にできるだけ手を加えたくないという思いがあります。
ちなみに、最近よく見られる「無ろ過」というお酒は、この「活性炭ろ過」をしていない、という意味です。
正直言うと10年ほど前は、お酒に少しでも色があると、お客様から直接苦情が来たなんて経験もしました。
でも今は、お酒に色があるのは自然なこと、そう思って頂けるので、こちらとしても胸を張って出荷できます。
そしてそれは蔵元だけでなく、このような知識を少しずつお客様に伝えて頂いた酒販店さんのお力が大きいと感謝しています。