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レジでの狼狽

2021.05.29

現在スポーツニッポンでも鋭意連載中の、友人の女流官能小説家、深志美由紀(みゆき・みゆき)。

彼女の作品が月刊「新鮮小説」の最新号に掲載されるという事で、ネットで購入しようと思っていたところ、ふらりと立ち寄った馴染みの書店で棚に並んでいるのを発見しました。

買いたいのですが・・・表紙はグラマラスなお姉様のイラストが描かれた、ひと目見ただけで官能小説誌。

こっそりネットで買えよ、いやいや、ここで見つけたんだから恥ずかしがらずに今買っちゃえよ。
心の中で2つの思いが交錯します。

迷った末にグワシと本を手に取ってレジに向かったのはいいのですが・・・よりによって目の前に立っていたのはうら若き女性の店員さん。

焦った末に「あの、ですね、(表紙の「深志美由紀」の名前を指さしながら)彼女が私の友人でして」と必死で正当性を説明する私。

それに対して「そうだったんですね!」と明るく理解を示すリアクションが返ってくると思いきや・・・店員さんは無表情で「はい」と呟くと「袋に入れますか?」と、私の思いなどまるで眼中にない淡々とした対応が続きます。

いたたまれなくなった私は「恥ずかし~」とひと声発したのですが、それすらも無視されて「はい、どうぞ、ありがとうございます」と、冷静に包んだ本を差し出されました。

あとで顛末を妻に伝えると、ひとこと。
「そんなの、店員さんは何とも思っていないんだから、普通に買えばいいんだよ」

でもな~、通い慣れた地元の書店で50過ぎの男性がエッチな本を持ってレジに向かうのって、やっぱり恥ずかしかったのです。

そうまでして購入して読んだ深志美由紀の小説は、いつもに増して濃い味わいが脳裏を刺激しました。

皆さん、深志美由紀を応援してくださいね。
単行本もたくさん出ています。