2017.10.23
9月に観た映画から。
監督の名前だけで足を運ぶ作品ってありますよね。
「エイリアン コヴェナント」。
凄かった。
圧倒されました。
監督リドリー・スコットの世界観と映像美にひたすら酔いしれました。
変な言い方ですが、エイリアンはあくまでも添え物で、登場するアンドロイドと人間とが織り成す感情の錯綜や、両者の価値観の決定的な差異こそが、リドリー・スコットが描きたかったこの映画の本質とさえ思ってしまいました。
ちなみにこの映画、時系列的には「プロメテウス」と「エイリアン」の間に位置付けられています。
そしてオープニングは、アンドロイドのデヴィッドが誕生する「プロメテウス」のさらに前日騨から始まりますが、平和で静かに展開するこのシーンは極めて重要です。
ここからはネタバレになります。
ワーグナーが流れる宇宙船内で、平穏の中に訪れる驚愕のラストシーン。
エイリアンとの戦いに生き残った2人が目的の星に着くまで冷凍睡眠につく中、アンドロイドのデヴィッドが、自らが創造したエイリアンの幼子をいとおしむように生命維持装置に格納して、映画は静寂とともに終わります。
血なまぐささや残虐さを越えた、この作品の戦慄のクライマックスです。
「エイリアン コヴェナント」。
数ある「エイリアン」シリーズの中でも、「エイリアン」「エイリアン2」に並ぶ傑作です。
ただし前作「プロメテウス」を観ていないとストーリーが理解できないのでご注意を。