発酵学の権威、東京農大名誉教授 小泉武夫先生の勉強会に行って参りました。
私は小泉先生の大ファン。
いわゆる「クサい食べ物」が大好きな私としては、世界中の発酵食を食べ歩きながら「発酵」の奥深さを紹介する小泉先生の著書に、ついつい食い入るように読み耽ってしまう毎回です。
この日の勉強会は上田市農政課主催だったこともあり、「発酵」によるまちづくりの成功例を前面に押し出した内容だったのですが、そこは小泉先生の独壇場。
ひとたび発酵を語らせると止まらない小泉ワールドを堪能させて頂いたのでした。
ちなみに私がこれまで食べた発酵食品の中で感動したひとつが、紀伊半島突端の新宮市で何度か食べた「なれずし」。
新宮の「なれずし」はサンマを米とともに乳酸発酵させたものですが、中には30年物なんてものもあって、原型を留めていない液状化した「なれずし」をちょぴっと箸につけて舐めると独特の酸味と臭みが口いっぱいに広がって、これを日本酒と一緒に流し込むとめちゃくちゃ旨いのです。
この「なれずし」、私が訪問した新宮の鮨屋は、どのお店にもメニューに載っていて、この地では庶民の味である事が分かります。
あと私が好きなのは、臭いが強烈なウォッシュチーズをあえて賞味期限が切れたあとまで取っておいて、トロットロになったところを常温に戻してさらにトロトロにした上で、表皮の固い部分を外して中身だけを贅沢にスプーンですくって食べる食べ方。
チーズを食べる醍醐味を堪能できるひとときです。
発酵食で一番試してみたいのは、世界一臭い食品として名高い、スウェーデンの塩漬けニシンの缶詰「シュールストレミング」。
発酵で缶自体が膨らみ、「室内で開けるな」という注意書きまであるこの食べ物。
見たことすらありませんが、ぜひ一度体験してみたいものです。
ただし臭いが付くのが怖いので自宅以外で(笑)。