2016.07.16
お世話になっている方から、石川みやげでお酒を2本頂きました。
金沢市の地酒専門店で購入されたこの2本。
店主から「飲む順番を間違えないように」と念を押されたとのことです。
その日の晩酌で早速開封。
指示された順番の通りに飲むと、その理由がよく分かりました。
1番目。
精米歩合38%の大吟醸。
アルコール分17度の原酒。
ヨーグルトを思わせる乳性の穏やかな香りに、柔らかく繊細な甘みが口の中にフワリと広がります。
2番目。
精米歩合70%の山廃純米。
アルコール分19度のこちらも原酒。
一転して、口に含んだ瞬間、シャープな酸と濃厚な旨味が舌の上を踊り、鮮烈な余韻が口の中に残ります。
山廃ならではの味わいです。
確かに順番を間違えると、2番目の重厚さに1番目の繊細さが負けてしまいます。
でも順番通りに飲むと、お互いの個性がお互いの長所を引き立て合うのですね。
それにしても、あえて両極の2本をセレクトして「順番を間違えないように」と念を押されたご店主。
日本酒の深さ、醍醐味をお客様に伝えようとするその思いが存分に伝わってきて心打たれました。