写真:コンサート終了後のステージ
ピアノの隣はトーイピアノとエフェクターとして使われたパソコン
ジョン・ケージ作曲。
「4分33秒」。
先日足を運んだ「音と音楽の表現領域コンサート」にて、ピアノで「演奏」された1曲です。
衝撃でした。
曲が始まって終わるまでまったくの無音。
一度も音が奏でられることはありませんでした。
演奏時間、「4分33秒」。
その間、女性ピアニストはひたすら椅子に座ったまま微動だにせず、時折指を鍵盤の上に持っていき弾く真似だけしたり、何度か静かにピアノの蓋を閉じたり開けたり・・・。
館内に響くのは客席からのかすかなざわめきのみ。
そうこうしているうちにピアニストは立ち上がってお辞儀をし、客席の我々は曲が終わったことを知りました。
現代音楽の先駆者、ジョン・ケージやイアニス・クセナキスの名前は、坂本龍一のインタビューで知りました。
しかし初めて聴くジョン・ケージの、この衝撃の1曲。
コンサート会場を出て早速調べてみました。
1952年に作られた「この曲は音楽は音を鳴らすものという常識を覆す、「無音の」音楽である。」(ウィキペディアより)
ちなみに楽譜は
Ⅰ(第1楽章) TACET(休み)
Ⅱ(第2楽章) TACET(休み)
Ⅲ(第3楽章) TACET(休み)
とだけ書かれているとのこと。
「TACET(休み)」とだけ書かれたこの曲で、時にはフルオーケストラ、時にはピアニストは、しっかりと演奏体勢には入るものの無音を貫き、4分33秒が経過すると客席にあいさつをして演奏を終了するのだそうです。
そしてこの「4分33秒」は、音楽の概念を覆した1曲として今も高い評価を得ているとのことです。
ちなみにこのコンサートは、某大学の理工学部表現工学科の公開講座でした。
「この曲の詳細については、学生諸君は次回の講義で詳しく説明します」と、解説をつとめた教授からありました。
聴きたい!
「4分33秒」、よろしければ「YouTube」等でチェックしてみてください。