今、上田のTOHOシネマズで「エイリアン」と「エイリアン2」のデジタル・リマスター版が上映されています。
観に行きたくて仕方がないのですが、夜1回だけの上映という事もあって、なかなか時間が取れません。
そんな大好きな「エイリアン」を初めて観たのは中学生の時でした。
観た映画館は、東京京橋の今はなき「テアトル東京」。
親友とふたりで、映画をハシゴするためだけにわざわざ東京まで出向いた時のお目当ての1本でした。
「テアトル東京」といえば知る人ぞ知る「シネラマ」の聖地でした。
3台の映写機から同時に、湾曲した超特大のスクリーンに映し出される映像のその立体感たるやすごく、「エイリアン」でも70mmフイルムから流れるその圧倒的な迫力にひたすら興奮したあの瞬間は今でも忘れません。
テアトル東京といえば、映画館に指定席を導入した先駆けでもありました。
当時の映画館の入場料は確か大人が1300円、そしてテアトル東京の指定席はS席が2500円、A席が2200円と、かなり高かった事を記憶しています。
ただし抜け技がありました。
初回の上映だけは指定席も全席自由席として開放されたのです。
その時座ったS席に当たる2階の最前列は、椅子に上品なブルーのカバーが掛かっており、しかも驚くことにリクライニングまで利いて、何ともいえない優越感に浸ったものです。
ちなみに「スターウォーズ」を初めて観たのもこの「テアトル東京」でした。
観たくて観たくて、でもここで観ようと我慢してようやくたどり着いた「テアトル東京」。
ここまで来た努力は身を結び、上映中ひたすら狂喜乱舞したあの2時間は、私も後に「スターウォーズ」フリークの一員となる第一歩となったのでした。
そういえば初めて「テアトル東京」に足を運んだ時、その時は「世界が燃えつきる日」というSF映画を観たのですが(超駄作でした)、本編の前にニュースが上映されて驚いたものです。
あとから聞いたら、このニュース上映が当時の「テアトル東京」の名物のひとつとの事でした。
ちなみに、ここでパンフレットを買うと表紙に「テアトル東京」の文字が入っており、これらのパンフレットは今も大切にしまってあります。
そんなテアトル東京も、私が高校生の時、マイケル・チミノ監督「天国の門」で多くの映画ファンに惜しまれながらその歴史に幕を閉じました。
今あえてシネラマを再開したら受けると思うんですけど。
どこかがやってくれないかなぁ。