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人という財産

2012.12.08

新酒が詰まったら味を利いて頂きたい酒販店さん・料飲店さんを列挙したメモが目の前にあります。
昨日書き記したものです。
それらのお店の名前を眺めていたら、不覚にもこみ上げて来るものがありました。

これらのお店、そして経営者の皆さんは、まさに私の蔵元人生の歴史そのものです。
どん底の時、苦しい時、このメモに書いた皆さんにどれだけ助けられ、そして勇気と元気を頂いたことか。
それも決して甘い誉め言葉とかではなく、あえて厳しい叱咤激励をその都度頂いてきました。

「今の和田からはお酒は取れないよ。でもここから一歩踏み出せたら、たとえそのお酒が100点満点でなくても、その時は必ず取るから頑張れよ」
そうやって背中を押され、歯を食いしばった時もあります。

あるいは厳しい評価を頂いたあと、そこで終わりでなく、自分が知っている事はすべて教えるからと1年間ずっと励まされ、その結果初取引に繋がった方もおひとりではありません。

お伺いするたびにたくさんのヒントを頂き、それをひとつずつ形にしていく事で売れる喜びを教えて頂いた方は「登水」を生み出すきっかけも与えて下さいました。

また、存在は以前から知っていて、どうしてもその方とお知り合いになりたくて私から押し掛け、腹を割って会話を交わしたその日から私を支え続けて下さる方は、今も折に触れ励ましのお言葉を頂きます。

さらには、お前のお酒を取りたいからとご連絡を頂き、直接お目に掛かってお話しする事でむしろ私がその方に惚れ込み、逆に私が日々支えて頂きながら今に至る皆さんがいらっしゃいます。

共通するのは、どの方も厳しさと優しさとを併せ持つ、お酒に関わる同士として、そしてそれ以上に人間として魅力に溢れた方々ばかりだという事です。
そして言うまでもなく、そんな皆さんは私にとって大きな財産です。

これからもお酒を通して、このような素晴らしい方々とひとりでも多く知り合えるべく頑張っていきたいと思います。
新酒の第一弾「和田龍 純米しぼりたて生原酒」、間もなく発売です。