いつも一家でお付き合いさせて頂いているご近所のKさんファミリー。
お嬢様のAさんが息子と同じ高校の1年生です。
そのAさんが大の本好き。
読書量と速度は大人顔負け、驚くべきものがあります。
しばらく前には、私が読了したばかりの古典ミステリーの傑作、サラ・ウォーターズの「半身」を渡したところ瞬時にして読み終えてくれたり、私が薦めた開高健をすぐに図書館で探し当ててくれたりと、本を通じての楽しいキャッチボールを楽しむ毎回です。
そんなAさんが小さい頃から思い入れのある一冊として挙げたのが「哲ねこ七つの冒険」(飯野真澄著)でした。
早速彼女から借り受け、児童文学としては異例の400ページ超というぶ厚い一冊を読み始めました。
主人公の女の子とお母さんが旅先の黒姫高原で迷い込んだ不思議なねこたちの世界。
そこでは哲学を語るねこ、すなわち哲ねこたちが、ふたりを素敵な哲学の冒険の世界に誘います。
いやあ、面白かったです。
児童文学という枠を越えて、女の子とお母さんが成長していく姿に胸躍らせ、最後は思わずホロリとしてしまいました。
七つの冒険で出てくる哲学者のパロディも秀逸で、アリストテレスから始まって、途中ハイデガーまで登場した時は驚きで思わずのけぞってしまいました(笑)。
昨夜その本をAさんに返却したのですが、その際せっかくだから私からも何か本をプレゼントしようと、悩むことしばし。
同好の士へ贈り物を選ぶ時間は、まさに至福のひとときです。
迷った末に選んだのは「武士道シックスティーン」「武士道セブンテイーン」「武士道エイティーン」(誉田哲也著)の3部作。
刑事小説を専門にしていた筆者が初めて手掛けた青春小説で、最後のページを閉じた瞬間、不覚にも私は泣いてしまいました。
映画化された時も真っ先に観に行きましたし、私の大のお気に入りのシリーズです。
Aさんにも気に入って頂けると嬉しいな。