長年愛用していた携帯電話がついにダメになり、機種変更をしようと某携帯電話の営業店へ出向いた時のことです。
休日ということもあり店内は大混雑する中、スタッフの皆さんはそれはそれは懇切丁寧に、私のあまりにも初歩的な質問にも嫌な顔ひとつせず答えてくれ、その心地よい対応はデスクに移ってからも変わることなく、私は接客の素晴らしさに満足したままお店をあとにしました。
さて、その日はその営業店のすぐ隣の道路で、町内の夏祭りが開催されていました。
駐車場からもその様子がよく見えます。
私は、普段はいない、この日に限って立っていた駐車場整理の男性社員に「今、機種変更を終えてきたのですが、ちょっとだけ隣のお祭りを見てきたいので、車をもう少し置かせて頂けますか?」と頼みました。
「もちろんどうぞ」という言葉が当然返ってくると思っていた私に彼が発した言葉は「今日は混雑していますので、すみませんが終わったのでしたら車を移動して下さい」という冷たい物言いの心無いひとことでした。
ちなみに私が彼の立場だったらこう言います。
「もろちん大丈夫です。ただし今日はお店が混雑していますので、大変申し訳ありませんが少し早めに帰ってきて頂ければありがたいです」
しかし、不満の思いをあらわにする私に対して、駐車場整理の彼は次のように追い討ちを掛けます。
「駐車スペースが満杯なもので」
「いや、でもまだ何台も空いてるじゃない?」
ここまでで来ると私も意地です。
「それじゃ、どこか近所で停められるところを教えて」
もはや敬語さえ使う気になれない私に彼が最後に放った言葉がこれです。
「私は関知していません」
私だったらお客様にためにどこかないか考えるよ。
もはや言い争う気も失せて、私はお店をあとにしました。
それにしても彼の傲慢不遜な態度が、店内のスタッフのサービスをすべて台無しにしている事に、彼や会社は気が付かないのでしょうか。
そう考えてみると、この日駐車場係が出ていたのは、お店に訪問するお客様の車を整理するためではなく、お祭りに来た方の無断駐車を取り締まるためだったのでしょうね。
店内の対応が素晴らしかっただけに、その落差に心底がっかりした、サービスの在り方を考えさせられる一場面でした。