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ハヤカワミステリの愉悦

2012.08.13

私の住む上田市には大型書店がないので、しばしば長野市まで本の買い出しに行きます。
昨日も大きなバッグを持って長野駅前の書店に足を運んだところ、思わぬ掘り出し物が・・・。
これまでずっと探していたスティーブ・ハミルトンの「解錠師」をはじめとして、歴代のハヤカワミステリの名作がズラリと並んでいるではありませんか。
早速、持っていない本を片っ端から抱えて、一気に大人買いしてしまいました。
財布は軽くなったけれど心まで軽くなった嬉しいひとときを噛み締めたくて、同じ書店の中にある喫茶店に入り、戦利品を眺めながらひとりほくそ笑んだ私でした。

小説といえば、このブログにたびたび登場する私の友人で女流官能小説家の深志美由紀(みゆき・みゆき)。
いよいよ活躍の場を広げ、7月1日から日刊スポーツで連載を開始しました。
タイトルはズバリ「深夜に濡らして」。
とやまみーなさんのイラストと併せて、女性の視点から官能を描く深志美由紀ワールドが炸裂しています。
皆様、男女を問わずぜひご一読を。

ところで先日の夜、妻と一緒に「おおかみこどもの雨と雪」を観てきました(上田にできたTOHOシネマズは遅くまで上映しているので本当に助かります)。
細田守監督の傑作「サマーウォーズ」は上田市が舞台で、上映から2年経った今も上田市は「サマーウォーズ」熱が冷めやらずにいるのですが、そんな細田監督の新作、正直言いますと題材が題材なだけにあまり期待していなかったのですが、いやはや、予想以上の出来栄えに大感動、思わず涙してしまいました。
妻も泣いたとの事ですが、面白いのは私と妻の涙した場面が違うこと。
まだ観ていない方のために詳しくは申し上げませんが、私は主人公の雪が同級生の草平とふたりっきりの教室で告白する場面で涙したのに対し、妻はもうひとりの主人公の雨が山の頂で遠吠えするシーンで泣いてしまったとの事。
いずれにしても、親と子の葛藤や成長を見事に謳い上げた傑作でありました。

アニメ映画といえば、「グスコーブドリの伝記」もぜひ観てみたい一作です。
同じ杉井ギサブロー監督の「銀河鉄道の夜」が私は大好きでして、あの映画の猫の擬人化(加えて見事としか言いようのない細野晴臣の音楽)が表現する独特の杉井ワールドに何度も酔いしれたものですが、今回「銀河鉄道の夜」で観たあの猫たちが同じ宮沢賢治原作の本作のポスターや宣伝で描かれているのを見て、居ても立ってもいられない思いに駆られております。