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九州へ

2012.05.21

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写真上から
・五町田酒造(東一)
・富久千代酒造(鍋島)
・三和酒類(いいちこ)
・湯布院 玉の湯


長野県酒造組合青年部にあたる「若葉会」の研修旅行へ2泊3日で行って参りました。

今年の行き先は佐賀と大分。
私は今年も、万年旅行幹事も兼ねての参加です。
でも九州という遠方にも関わらず多くの蔵元が参加して下さったことで、私のテンションも俄然上がります。

早朝羽田を出発し、福岡経由で佐賀に到着して最初の見学先は、嬉野市にある「東一(あずまいち)」の五町田酒造です。
田園風景の中にバスが到着すると、遠方に見える建物から社長自らが走ってお出迎え下さり、その社長のご案内で早速蔵を見学です。

蔵の中は、製造数量の多さに反比例して、設備も在庫も極めて繊細かつ丁寧な管理がされていました。
毎年社員が総出で柿シブを塗り替えるという壁や柱の輝きや、より一層素晴らしい酒を醸すために手を加えられたあちらこちらの蔵独自の工夫には、蔵元だけでなく社員一丸となった情熱が垣間見える思いでした。

次に向かったのはすぐ隣の鹿島市にある、今や「鍋島」で全国区となった富久千代酒造です。

まず驚いたのは、酒蔵がある浜町の町並みの美しさ。
昔ながらの趣きを残した素晴らしい景観と建物、その小さな町の中に蔵元が6軒もあると聞いてまたまた驚きです。

富久千代酒造でも社長自らが蔵の中をご案内頂きました。
なちみに私は「鍋島」の、柔らかく膨らみのある味わいが大好きです。
年々生産量を増やしても瞬く間に完売してしまう「鍋島」がここから誕生するのかと思うと、原料処理から貯蔵に至るまで、すべての設備を見逃すまいと思わず力が入りました。

そして夜は佐賀市内で、富久千代酒造の飯森社長はじめ佐賀県酒造組合青年部(「佐醸会」)の皆さんも参加されての懇親会。
佐賀の蔵元の志の高さに大いに刺激を受け、そして大いに酔っ払ったひとときでした。

ちなみにそのあと、ひとりでふらりと訪問した繁華街の一角にある「バー山崎」。
店の空気、客層、そしてゆっくりと堪能した3杯のモルトウイスキー、どれも素敵で、マスターとの会話を楽しみながら佐賀の夜を堪能致しました。

翌朝は佐賀から一気に大分県宇佐市に移動。
目指すは「いいちこ」の三和酒類です。

えっ、何でわざわざ「いいちこ」へ?と思われるかもしれませんが、そもそも三和酒類の出発は日本酒醸造であった事と、もうひとつ、この日は事前にアポを取って、こちらもご多忙の中社長自らがご対応頂けることになっているのです。
酒類業界の最前線を走る「いいちこ」の社長のお話を聞けるのは間違いなく意義ある事と、佐賀から大分まで車を走らせた次第です。

さてその三和酒類、到着するやいなや社長と製造部長のおふたりがお出迎え下さり、その足で広大な製造場を端から橋までご案内頂きました。
その後は会議室に場所を移し、経営理念や今日に至るまでのご苦労等、我々の矢継ぎ早の質疑応答にも丁重にご回答下さいました。

さて、その晩は、湯布院の中でも最も有名な旅館のひとつ「玉の湯」に宿泊致しました。
とはいっても単なる物見遊山で泊まったわけではなく、せっかくの機会なのでその業界の最高峰を経験しようという事がひとつと、そしてこちらの宿でも、今や時の人となっている女性社長と懇談できる時間を頂けた事が大きな理由です。

その晩はみんなで至福の空間、温泉、そして料理を満喫。
翌朝、図書室を貸切にして頂いて、桑野和泉社長と歓談させて頂きました。
湯布院を愛し、そして湯布院と共生する中でオンリーワンの旅館を確立していった社長の思いは、異業種の壁を越えて私の胸を強く打ち続けました。