自宅で晩酌する時は、基本的に他社の日本酒を並べて飲んでいます。
「勉強する」と言えば聞こえはいいのですが、要は楽しいんですよね、こういう飲み方が。
その時揃っている各地の地酒を、テーブルにずらりと並べて飲み比べています。
そんな中には、本当に面白いお酒にも出くわします。
最近では、まず徳島県の三芳菊酒造「三芳菊・岡山雄町純米吟醸雫取り」。
この味わい、ひとことで言ってしまえばオレンジリキュールです。
香りからして、むせ返るようなパイナップル香、思わず茨城県の須藤本家「花薫光」を思い出しました。
そしてひと口含むと、オレンジを思わせる濃厚なフルーツの甘味が口いっぱいに広がり、その果実味たるやとても日本酒とは思えません。
いやはや、驚愕のひとこと。
お酒の概念を変えること請け合いで、日本酒ファンの間口を広げる一品と言えるでしょう。
そしてもうひとつは、奈良県は油長酒造「風の森・純米雄町22BY」。
このお酒、何と精米歩合が80%なのです。
つまり極めて低精米。
今の時代、普通酒でも精米歩合は70~65%ですから、まさに逆転の発想といえます。
それで、このお酒がとてもおいしいのですよ。
香りもフルーティで、何より味わいのバランスが見事です。
普通ならばこれだけ低精米だと雑味も出てしまいがちなのですが、このお酒にはそれが全くありません。
旨み・甘味・酸味が見事に調和して飲み飽きせず、料理と合わせるとぐいぐい杯が進みます。
コストパフォーマンスも含めて、脱帽の1本です。
我が家のテーブルを飾る数々のお酒は、基本的にはお世話になっている酒販店さんにお伺いした時に購入しています。
ただ、時には我が家のお酒の在庫が切れることも。
そんな時にはあえてコンビニやスーパーでカップ酒やパック酒を買うこともあります。
先日もそうでした。
近所のコンビニで馴染みのカップ酒を大人買いして、帰宅するなりグビリ。
うん、うまい!
普通酒には普通酒のおいしさと醍醐味とがあることを再認識しながら、その直後には2本目の封を開けている自分がそこにいました。
さあ、今宵もエンドレスです。