「ザガットサーベイ長野版」がこのたび発売になりました。
この「ザガットサーベイ」、世界的なレストラン&ホテルガイドなのですが、片や「ミシュラン」が専門の調査員によってランキングを決めるのに対して、こちらは一般の利用客がネットを介して投票してランキングを決めるという、庶民に根ざしたガイドです。
今回はこの「ザガット」が、日本では「東京版」「関西版」に次いで、初めての地方版として「長野版」を発売したことに意味があります。
ただ、今回記したかったのはこの事ではありません。
先日、この「ザガット長野版」発売に際して、長野県酒造組合を代表して(といえばカッコいいのですが実は頼まれて)、長野県知事を表敬訪問して参りました。
要は、長野県のレストランやホテルが紹介されるに当たって、ぜひ長野県の日本酒も積極的にPRしてほしいという陳情です。
平日の昼過ぎ、県庁の農政課の方々に付き添われて応接室に入った我々を、テレビや新聞等の多くのメディアが待ち構えていました。
そんな中で長野県知事が入場、我々の代表による要望書が読まれたあと和気藹々と歓談は進み、やがて知事からの挨拶となりました。
その挨拶がよかった。
要約すると知事曰く、私はもともと日本酒が大好きだが、知事職になってからはさらに積極的に長野県の日本酒を飲むようにしている。
特に宴会の時は、ビールではなく必ず日本酒で乾杯するのが私の流儀だ。
県庁の目の前にあるホテル(長野市を代表するシティホテルです)で乾杯をする時は、ホテルスタッフが既に心得ていて、乾杯になると黙っていてもビールではなく日本酒が用意されるようになった。
これからも長野の酒を積極的に飲み、そしてPRしていきたい。
本当はもっともっと長かったのですが、挨拶の概略はこんな感じです。
私は県のトップの知事が、我々酒造メーカーの恒常的なスローガンでもある「日本酒で乾杯!」を、行動として実践して頂いているというその姿勢が何よりも嬉しくそして感動致しました。
ともすれば我々蔵元でさえ、その場の雰囲気でビールで乾杯してしまうことが多い中(ちなみに弊社の社長はいつどこでも頑として「日本酒で乾杯」を貫き通しております)、知事が具体的に日本酒推進に一役買っているというそのお言葉に頭を垂れる思いでした。
ちなみに「おとなの週末」という「食」をテーマにした月刊誌があります。
その中に、料理評論家山本益博の「365日食べ歩きマル秘手帳」なるコーナーがあるのですが、今月号の記事で、長野県知事と山本氏が長野県の食材を使ったフェアで対面し、その時に知事が、山本氏が最初に出したフレンチレストランガイド「グルマン」を「愛読していた」と持参した事に感銘を受けた一文が載っていました。
私自身は、知事と直接対面したのは今回が初めてでしたが、そういった行動力やホスピタリティが極めて豊かな方なんだな、率直にそう感じた次第です。