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初鰹

2008.04.24

昨夜もまた、上田の街の片隅にあるお気に入りの居酒屋でほろ酔い気分でした。
カウンターでうだうだ飲んでいるうち、メニューに見つけて注文したもののひとつが「初鰹の刺身」。
ご主人に聞くと正直に「秋の戻り鰹に比べたら色も淡いし、脂も少ないし、酸味も強い」と教えて下さいました。
だから秋の味わいを期待しないように、という商売を度外視したアドバイスでした。

でも、スーパーなどの刺身やたたきの味に慣れてしまった昨今を思うと、逆にそんな本物の初鰹の味わいをぜひ覚えておきたいと思って注文しました。
しばらくして出された「初鰹の刺身」、確かに色合いはよく見る濃い褐色からは程遠い、ピンクに近い淡い朱色です。
まず、薬味を何も付けずに一切れ頬張ると、なるほど、脂をほとんど感じないさらりとした味わいで、飲み込んだあと酸味が口の中に広がります。
でもこれはこれで十分においしい。
そのあとは一切れずつ、薬味を付けたり山葵を付けたり、あるいは醤油の量を調節したり、その味わいを楽しみながら初鰹の風味をしっかりと頭に叩き込みました。

それにしてもこれが透明感のあるうまくちの熱燗とよく合うこと。
あっという間に最初の2合徳利を空にして、2本目に突入したのでした。