2008.03.21
これまで、お酒の成分表示に関して「日本酒度」「酸度」の説明をして参りました。
今回は「アミノ酸度」です。
まず、清酒中のアミノ酸はどうやってできるのか。
これは主に、米の中にあるタンパク質が、麹菌が生成した酵素(酸性プロテアーゼ・酸性カルボキシペフチターゼ)によって分解されてアミノ酸となります。
ちなみに復習ですが、やはり米の中のデンプンが、麹菌による酵素(α-アミラーゼ・グルコアミラーゼ)によってブドウ糖に分解され、そのブドウ糖から酵母によってアルコールと炭酸ガスが生産される(=アルコール発酵)のは前にも書いた通りです。
ひと口にアミノ酸と言いますが、自然界には20種類ほどのアミノ酸が存在していて、中でもよく知られているのは、旨味調味料としても使われているグルタミン酸です。
アミノ酸は清酒中で、旨味・甘味・酸味・苦味などの味わいを作り上げる大切な成分です。
アミノ酸が適量入る事によって、味わいは豊かでふくらみのあるものになります。
しかしアミノ酸が多過ぎると、そのお酒は雑味のあるクドい酒質になってしまいます。
ですので、お酒を製造する過程では、日本酒度・酸度・アミノ酸度のバランスに常に気を配らなければならないのです。
「アミノ酸度」とは、そんなアミノ酸の多少を判断する滴定値です。
平均的な数値としては1.1~1.7くらいかと思いますが、もちろんそれより少ない酒も多い酒も存在します。