2008.11.29
酒造りのこの時期になると、そこに携わる者は口にしてはならないと言われる食品があります。
私も大好物ですが、この時期は我慢して断念しています。
何だか分かりますか?
答えは納豆です。
お酒造りに欠かせない麹菌、そして納豆を作るときに用いる納豆菌、とぢらも同じ微生物なのですが、両者とも繁殖に適した温度帯が似通っていて、しかも繁殖力は納豆菌が非常に強いので、麹菌の中に納豆菌が入り込むと麹菌を駆逐してしまうのです。
もし朝食に納豆を食べて、うっかり体や洋服に納豆菌を付けたまま麹室に入ってしまうと、納豆菌が繁殖して麹そのものが汚染されてしまう、なんて事にもなりかねません。
今はたいぶ耐性の強い麹菌が出ていて、以前より納豆菌による汚染の心配はなくなりましたが、それでも心構えとして、そして万が一を考えて、納豆は食べないという考え方が一般的だと思います。
実際に納豆菌が繁殖するとどうなるのでしょうか?
こればかりは聞いたり調べたりするしかないのですが、麹菌が納豆菌に汚染されると、文字通りヌルヌルと粘り気が出て、しかも殺菌に対して非常に抵抗力を持つようになるので、一度麹室に繁殖してしまうと除去が非常に難しいそうです。
もし皆さんがこの時期、どちらかで蔵元見学をされる時は、朝から納豆は控えて下さいね。