1999年12月31日ジャスト0:00。
東京ベイNKホールのステージからひとりひとり姿を消し、この日、デビュー以来の公約であった「解散」を遂げた聖飢魔Ⅱ。
しかし彼らは5年ごとに復活し、そのつどライブを重ねては「引退したあとに観客動員を増やしていく驚異のバンド」として名を馳せてきました。
私もそのつどプラチナチケットをゲットして、長野、東京とライブに駆け付けましたが、5人の超絶かつパワフルなテクニックは、衰えるどころか回を増すごとにパワーアップしていきました。
そして今回。
10月から2月にかけて「地球デビュー35周年」のツアーが開催され、代々木第一体育館で行われたツアーファイナルの様子がWOWOWで生中継されました。
デーモン閣下をはじめとして、10万60歳を迎えるとは思えぬメンバーたちの技術に裏打ちされたプレイは今回も鳥肌もの。
閣下によると、今日のツアーはこれまでの聖飢魔Ⅱ史上、最多の観客動員数となったそうです。
そして私が心底感動したのは、ライブもクライマックスを迎えんとした時にデーモン閣下がMCで語った次のひとことでした。
「長くやって来たけれど、もはや我々には解散する理由が見当たらないんだよね」
「(コロナがあって35周年のツアーが延びたため)気が付けば『地球デビュー40周年』はもう再来年だ。メンバーはみんな身体に何らかのガタがきているので、どんな形になるかは分からないが、我々はきっと再集結する」
会場が大きな拍手に包まれたのは言うまでもありません。
それにしても「解散する理由がない」とサラリと言ってのけるカッコよさ。
メンバー同士の信頼感に裏打ちされたこの言葉。
本当にカッコいいし、素晴らしいよ。
しかも聖飢魔Ⅱは、バンドを立ち上げたダミアン浜田や、しばらく前までギターを弾いていたエース清水をはじめとして、辞めていったメンバーをもの凄く大切にしているんですよね。
現にこの日も、前ベーシストであるゾッド星島がステージに登場したし。
そしてツアーファイナルとなったライブのエンディング。
アンコールは一切無く、1999年に解散した時のように、横一列に並んだ5人のメンバーがひとりひとり踵を返して順番に背後の扉に消えていき、3時間の圧巻のステージは大きな余韻とともに幕を閉じたのでした。
閣下・殿下・和尚・代官・参謀(メンバーの敬称)、2年後の再集結を楽しみに待っています。