2020.11.21
自分が世界一聴き込んだ、そんな自信があるアルバムがあります。
坂本龍一「NEO GEO」(ネオ・ジオ)。
大学3年生の時に買ったこのアルバムを、当時購入したばかりの4万円のミニコンポで、四畳半の自室で聴きまくりました。
例えば1曲目の「BEFORE LONG」は、楽譜を買って、大学のピアノでこっそり練習を重ねました。
2曲目のタイトル・チューン「NEO GEO」は、沖縄民謡とケチャとの融合という新しい坂本ワールドの誕生に、ただただ心震わせました。
4曲目の「FREE TRADING」は、曲の途中で数回だけ叩かれるドラムの音を聴くためにだけに耳を集中させました。
7曲目の「OKINAWA SONG」は、テレビの音楽番組でパリからの生中継で坂本はこの曲を演奏し、エッフェル塔の真下で沖縄の旋律が鳴り響く衝撃に、背筋に電流が走りました。
たった8曲しか入っていない短い、しかし濃密この上ないこのアルバムを機に、坂本は沖縄音楽ひいては世界の民族音楽への融合へと傾いていく事になります。
横浜・大阪・名古屋・東京で開催された「NEO GEO」ツアーも凄かった。
私は運よく初日の神奈川県民ホールの2列目で観る幸運に恵まれましたが、このライブがたった4公演しか行われないもったいなさと、そこに居合わせる事が出来た幸運に酔いしれました。
ちなみにこの直前、坂本龍一は「ラストエンペラー」でアカデミー賞作曲賞を受賞します。
そしてこれを機に、作風や曲調も大きな変化を遂げていくことになります。
そして今も「NEO GEO」は私のカーオーディオで鳴り響いています。