昨夜、上田市内のバー「D」へ行き、大好きなアイレイモルト・ウイスキーを頼みました。
普段は「アードベッグ」「ラフロイグ」「ボウモア」といった、どちらかといえば有名銘柄にかたよって注文しているので、この日は「ちょっと変わったものを」とリクエストしたところ、「素晴らしいものが入ったんですよ」とオーナーが持ってきてくれたのが写真の1本、その名も「キルホーマン ニュースピリット」です。
もちろん私も初めて聞く銘柄でした。
以下はオーナーの受け売りです。
キルホーマン蒸留所は2005年6月にアイレイ島西部にオープンしたばかりの、出来立てほやほやのディスティラリーです。
オープン当初から大変な人気を博し、この「ニュースピリット」も、ボトリングされて出荷されるや否や瞬く間に完売してしまい、今日出されたのはその中の貴重な1本との事でした。
ちなみに「ニュースピリット」とは、ウイスキーを蒸留したあと、樽に寝かせることなくすぐに瓶詰めしたもので、樽熟していないので色はもちろん無色透明です。
ラベルの表示を見ると、「蒸留年月日 07.12.20/瓶詰め年月日 08.02.07」となっていましたから、まさに蒸留し立てをボトリングした事が分かります。
まずストレートで香りを嗅ぐと、アイレイの特徴である、海草を思わせるヨード臭がガツンと鼻腔を突いて、しかもこれがかなり強烈です。
このヨード臭と、ニュースピリットならではのピーティで荒々しい香りとが2本立てになって鼻を刺激します。
この香りにハマると、アイレイウイスキーの虜になってしまうんですよね。
味わいながらオーナーに伺うと、アイレイで最もクセのあると言われる「アードベッグ」よりも更にクセがあるとの事・・・うーん、分かる気がします。
続いてグラスに水を数滴垂らして味わうと、今度は先程のヨード臭や荒々しさがまろやかになって優しく口中にまとわり付きます。
個人的には、ストレートもいいですが、こちらの飲み方のほうが、よりこのニュースピリットの真価が味わえる気がしました。
最後は、空になったグラスに鼻を突っ込み、香りの名残りまでしっかりと楽しみました。
遠くスコットランドの地で、この時代にあえて新しい蒸留所を立ち上げたオーナーに対して敬意を表しながら、新しいブランドとの出会いと味わいを堪能したひとときでした。