深夜に、WOWWOWで録画しておいた「ラストエンペラー」を久々に見直し、あまりに見事な映像美とダイナミックかつ繊細な演出に圧倒されました。
初めて観たのは大学生の時、今はなき、全国で最大の客席数を誇った新宿ミラノ座でした。
座った座席の位置まで覚えています。
が、当時はここまでの感動には至りませんでした。
たぶん自身が刻んできた人生経験の差もあるのでしょう。
国家に翻弄されてきた愛新覚羅溥儀やそれを取り巻く人物が丁寧に、しかも過去と現代を行き来して描かれる脚本の素晴らしさ。
そしてそこに流れる坂本龍一の壮大なBGM。
あっという間の2時間30分でした。
キャストも、主役のジョン・ローンはもちろんですが、ピーター・オトゥール、そして個人的に坂本龍一、端役ではありましたが立花ハジメ・・・心躍らせてもらいました。
(ちなみに高校時代、ピーター・オトゥールが世紀の問題作「カリギュラ」に出演すると知って、腰を抜かしそうになった思い出があります。)
そして坂本龍一が今もライブで毎回のように演奏する「ラストエンペラー」のテーマ。
最初の短調の和音が弾かれるだけで拍手が沸き起こる名曲です。
初めて演奏された神奈川県民ホールでのライブ(「NEOGEO TOUR」初日)を、私は2列目で聴いていた、というのがささやかな自慢です。
それと劇中、第二皇妃が溥儀のもとを雨の中立ち去るシーンで流れる「Rain」も、坂本のお気に入りという事でしょうか、よくライブで弾かれます。
ですが、軍人甘粕役で出演した坂本龍一がベルトリッチ監督から作曲依頼を受けたのは、実は撮影が終了して半年が経ってから、というエピソードが驚きです。
そのあと、坂本は「シェルタリング・スカイ」「リトル・ブッダ」と、立て続けにベルトリッチの作品の音楽を担当するようになります。
楽曲のあまりの素晴らしさに、「ラストエンペラー」と「シェルタリング・スカイ」はスコアを買ってしまいました。
ところで5年前、社員旅行で初めて行った東武ワールドスクエアに私はハマッてしまったのですが、中でも私の心をとらえて離さなかったのが中国の故宮のミニチュアでした。
その時の様子の過去ログです。
何と「ラストエンペラー」の撮影シーンなんですよ。