同じ映画を間を空けずに2回観に行く、という経験を久々にしました。
周防正行監督「舞妓はレディ」。
周防正行は名前で観に行く数少ない監督のひとりなので、心躍らせながら映画館に駆け付けましたが、期待を裏切らない素晴らしいファンタジーでした。
まず何より、スクリーンからあふれ出る計算し尽くされた重厚感と、そして圧倒的な映像の美しさに、ひたすら脱帽!
冒頭の京都のお茶屋の一室でのカメラワークと会話の妙味。
そして舞妓を目指す主人公春子の登場から、スクリーンいっぱいに花街を舞う芸妓をバックに現われる「舞妓はレディ」のタイトル。
この15分間のオープニングだけで私の心を鷲づかみです。
「マイフェアレディ」、そして自身が監督した「Shall we dance?」へのオマージュ。
京都の花街とお茶屋の奥深さを愛情込めて描き切った、周防監督の力量の見事さ。
冨司純子、岸辺一徳、竹中直人、草刈民代・・・踊りや京都弁や京文化を引っさげて、花街に生きる人間を生き生きと演じたキャストの素晴らしさ。
そしてオーディションで選ばれた主人公春子を演じる、16歳の上白石萌音の愛くるしさ。
映画が進むにつれ彼女がどんどん輝いて見えるその様は、さながら「サウンド・オブ・ミュージック」のマリアや「ロッキー」のエイドリアンを彷彿させる思いでした。
2度目を鑑賞していても、退屈するどころか、1度目は気が付かなかった発見や驚きがそこここにあって、むしろ2度目のほうが感動が大きかった気さえします。
そしてクライマックスの大団円のダンスシーン。
今も映像とともにテーマ音楽が耳から離れません。
さらには、あっ、こんなところにも「Shall we dance?」が!
周防監督の面目躍如たる、ひたすら素敵な一作でした。
それにしてもエンドクレジットで名前を見つけた加瀬亮と瀬戸朝香は一体どこに出ていたんだろうと調べてみたら、何と・・・。
しかもたった5秒間だけ。
よかったら観てみて下さいね。