久々の休日に妻と向かったのは軽井沢の星野リゾート。
この日は昼から「呑む」予定だったので、あえて車ではなく、しなの鉄道(旧信越本線)→中軽井沢駅からシャトルバスという手間の掛かる移動手段で、上田から約1時間で到着しました。
早速向かったのは、蕎麦屋で一杯という訳で、星野リゾート内のショッピングモール、ハルニレテラスの一角にある蕎麦処「川上庵」。
旧軽井沢銀座の入口に本店があり、東京にも何軒か支店を出している老舗です。
和テイスト漂うモダンな店内に腰を落ち着かせると、早速メニューをチェックし、鴨焼き、ニシンと茄子の焼き浸し、本にがりすくい豆腐、そして地元佐久の地酒を注文。
少しして届いた熱々の鴨焼きを頬張りながら、冷酒を喉にすーっと流し込む、そのうまさといったら。
それにしても店内を通り抜ける心地良い風は、今が真夏である事を忘れさせるほどの爽快感です。
次々にテーブルに届く酒肴を楽しみながら、お酒をおかわり。
お皿に添えられた塩や本山葵がこれまた美味しく、これだけでも十分にお酒のアテです。
締めは天せいろ。
蕎麦の風味や味わいはもちろんのこと、どーんと鎮座した2尾の海老の豪快な天ぷらまで、川上庵の真髄を存分に楽しみました。
ほろ酔い気分で午後はリゾート内を散策。
夏の午後を堪能しているうちに、いつの間にか広いベンチで大の字で爆睡・・・(ちなみにこのベンチは「仰向けになってお休み下さい」と書いてあります)。
夕方からは、やはりエリア内にある「村民食堂」。
ここでもまずは日本酒です。
メニューの中から自由に銘柄を選べる「3種飲み比べ」セットを注文。
そして「稚鮎の干物」「きのこと野菜のチーズ焼き」「豚肉と信州サーモンの粕味噌焼き」がこれまたお酒にぴったりで、「飲み比べセット」をおかわりをしているうちにメニューの地酒をすべて制覇していましました。
お酒と料理とそしてお店の空間にすっかり酔った我々でした。
帰りの中軽井沢駅での出来事です。
切符の自動販売機に何度お札を入れても戻ってきてしまいます。
振り返ると、いつの間にか順番待ちの長い行列。
これ以上後ろに迷惑を掛ける訳にはいかないとお札を入れるのを諦め、隣にある窓口に移動しました。
ぴたっと閉じられている小さな受取口の隙間から、中にいる中年の男性駅員に向かって声を掛けました。
「すみません。販売機でうまく切符が買えないのでこちらでお願いできますか」
そうしたら、覇気のない冷たい声でぼそっとたったひと言、
「ここは今やってないので販売機で買ってもらえますか」
驚きました。
百歩譲って何らかの事情で窓口では売る事ができなかったとしても、困っていると言っているのだから、それをフォローしようと思うのがサービス精神ではないのでしょうか。
例えば、買った時の状況を聞くとか、あるいは券売機を見に行くとか、客の立場を案ずる手段が何かあったのではと思います。
普段は上田駅をはじめしなの鉄道各駅で、笑顔とともに気持ちのいい接客に触れている身からすれば、その冷淡さが信じられない思いでした。
仕方なく券売機に戻ったら列は進んでいて、結局は私のボタンを押す手順が間違っていた事が分かりました。
ですから、これに関しては私が悪いです。
しかし、いつも快適な思いをしている地元の第三セクターで、不意打ちのように出会った冷たさに物申すと言って聞かない私を妻がなだめつつホームに向かった夕暮れ時の出来事でした。