前回が最後の来日公演と思われていた「The Rolling Stones」、まさかのジャパン・ツアーが東京ドームで3日間開催されました。
私は3公演中2日目のライブに、まさにトンボ帰りで行って参りましたが、素晴らしかった。
過去の来日公演はすべて足を運んでおりますが、感動と衝撃とインパクトは1990年の初来日のライブに次いで大きなものがありました。
しかも今回は3公演ともセットリストを大幅に入れ替える気合いの入りよう。
初日のセトリをスポーツ新聞の記事で見て臨んだ私でしたが、1曲目からいきなり初日と違う「Start Me Up」「You Got Me Rocking」と続いた時は狂喜乱舞。
中盤以降、私の中ではベストの「Honky Tonk Women」「Gimme Shelter」「Jumpin' Jack Flash」「Sympathy For The Devil」が立て続けに流れ、ついに私の心の歯止めが利かなくなりました。
さらにネットでチェックしたら、最終日は何と1曲目から「Jumpin' Jack Flash」だったとのこと!
何なんだよ、齢70歳を迎えるこのバンドは。
感動で目眩すら覚えた今回の来日公演でした。
だからこそ、最終公演で布袋寅泰がスペシャルゲストで登場したという記事を眼にした時は、激しい違和感を感じました。
ちなみに私は布袋は大好きです。
彼の音楽もギターテクニックも大好きで、今も折りあるごとにCDを引っ張り出してきては聴いているし、ライブDVDも買って持っています。
でも今回だけは「えっ、違うんじゃない?」と、心の中で思わず叫んでしまいました。
だってストーンズと布袋・・・接点がないじゃん。
目指してきた音楽性も違えば、歩んできた歴史そのものもまったく違う。
そもそもストーンズのメンバーが布袋の事を知っていたとも思えない(違っていたらごめんなさい)。
ただ話題作りというだけで布袋が呼ばれたのであれば、それはストーンズにとっても観客にとっても不幸な事だったかもしれない、記事を読んでそう思ってしまいました。
例えばデヴィッド・ボウイのライブで布袋が出演したのは、これはいいんですよ。
むしろ歓ぶべきサプライズであって。
だって、布袋はデヴィッド・ボウイにずっと憧れていて、デヴィッド・ボウイもそれを認めて同じステージに立ったわけだし。
観客だって、夢のコラボとして大歓迎だったはずです。
でも今回は、キース・リチャーズとロン・ウッドのギターに布袋のギターが乗った場面を想像すると、うーん、やっぱり何だかなあっていう思いは個人的にはあります。
でも実際に観た人はまったく違った感想(感動)を覚えたのかもしれませんね。
余談ですが、ストーンズのツアーでずっとバック・ボーカルを担当しているバーナード・ファウラー。
彼はYMOが「散開」した直後の坂本龍一の2つのツアー「Media Bahn Live」と「Neo Geo Live」にメインボーカルで参加していて、それはそれはカッコ良かったのを覚えています。
中でも、坂本龍一がマイケル・ジャクソンのためにアレンジし直した「Behind The Mask」(契約の関係で実現はしませんでしたが)。
YMOとは別物の、ポップでビートの聴いた「Behind The Mask」を歌い上げるバーナード・ファウラーの歌声には、ライブのたびに心底シビれたものでした。
そしてその直後、ストーンズが初来日したツアーで、メンバーの後ろで歌う彼を見つけた時は大いに感動したものですが、今回もまた、ストーンズの勇姿とともに、バーナード・ファウラーの姿とコーラスとをしっかりと目と耳に焼き付けた2時間でした。