東京の地下鉄木場駅から徒歩1分のこのお店を初訪問したのは、出張での所要が一段落して、あとは上田へ帰るだけという日のお昼過ぎでした。
「寿し炉端つちや」。
このお店の女将と知り合ったのは、毎年真夏に開催される「四谷三丁目 大長野酒まつり」での事でした。
旧知のイラストレーターの方と一緒に弊社のブースを訪れて下さり、いろいろお話しさせて頂きました。
和服姿の凛としたお姿が素敵で、それ以降もイベントでお目に掛かる度に一度お店までお伺いしたいという思いが、この日ようやく叶ったのでした。
お店の暖簾をくぐったのは、ちょうどランチの混雑が収まった直後の午後1時過ぎ。
「1人ですがよろしいですか?」と言ったまま名乗らずにカウンターに座った私を女将はすぐに気が付いて下さり、その事にまずは感激です。
ランチのメニューを見ると、その多彩さと安さにまたまた感激、その中から私は2番目に高い「得々にぎり定食」(1,200円)を頼みました(ちなみにほとんどのメニューは千円以下の安さです)。
私があえて「にぎり」を頼んだのは、あわよくば昼間から飲みたいから。
ちなみにこのお店、日本酒の品揃えが大変充実しているのは既に織り込み済みです。
「ランチタイムは飲めるんですか?」と恐る恐る聞く私に「もちろんですよ!」と笑顔で答えてくれた女将は、お燗を頼んだ私の前に、次々にお勧めの一升瓶を並べてくれます。
タイミングよく、小鉢が3皿(ひじき・マカロニサラダ・お新香)そしてお寿司と巻物が乗ったお膳が届きます。
私はマカロニサラダを肴に飲むのが大好きなんです、そう女将に告げると「子供みたいですね」とくすっと笑われ、でもそれはそれで会話の妙で悪い気はしません。
女将手ずからお燗して下さったお酒は絶妙な温度に仕上がり、まずは和歌山の純米酒で一杯。
「山田錦/精米歩合80%」とのことで、最近はあえて低精米で仕込む蔵元が増えてきている事もあり、おいしさとともに大変勉強になります。
調子も乗ってきて、二杯目は蔵元訪問した事もある山形の生酛。
芳醇な旨みとキレのある酸とのバランスがよく、こちらもあっと言う間に空っぽに。
気が付けば閉店時間をとうに過ぎています。
「気にしなくていいですよ」と言って下さる女将にお詫びとお礼とを述べてお店をあとにしました。
東京駅=大手町駅から東西線で4駅の近さの「寿し割烹つちや」、ぜひまた再訪できる日を楽しみにしています。