2011.11.25
写真は敬愛する中上健次の小説「奇蹟」の冒頭です。
上は直筆原稿のコピー。
下は同じ箇所が活字になったものです。
この2枚はフォトフレームに入って、私の書架の机の上に飾ってあります。
中上健次は自らの小説を「喫茶店文学」と呼び、喫茶店の片隅で集計用紙に万年筆でびっしりと書き込んでいく、まさにこの原稿通りの執筆スタイルを終生貫き通しました。
そしてこの「奇蹟」は、そんな中上の中期の傑作とされています。
机に座ってこの2枚を眺めるたびに、今は亡き中上健次の小説の息吹が蘇ってくるような気がして、私自身の心の中にも活力が沸いて来るのです。